うつろう雲、陰る日差し、湿る空気に夕立の匂い。


滲む世界に輝く大粒の雨。

一瞬で世界を濡らす、束の間の喧騒と静寂。



軒先で眺めるそれは儚さとか悲しさとか、はたまた期待や興奮を、織り交ぜてふいに、まさしく天から振ってくる。




小さい頃に夕立にふられてびしょぬれで帰った日、橋の上から見た川の向こう側がすごくきれいなオレンジ色で、こんなにも激しい雨のなか、こんなにも世界がきれいだなんて理解できなくて、なぜか「世界が終わる」って思って走って家まで帰った。



終わりはしなかったし、また夕立は降った。

僕はその日見た景色が印象的すぎて今でも夕立を眺めてはそれを思い出す。


明るい空、光り射す中に一時だけ強く降る雨、オレンジ色。


暗い雲、日暮れる間際に襲うような雨、紫色。


曇天に世界が泣きだすような雨、灰色。





世界が泣きだすとき
束の間の喧騒と静寂。

束の間の小さな世界。


そこになにか忘れてきたような気がして僕は今でも眺めてる、束の間の喧騒と静寂の中に。
自分はなににもなることはできないかもしれないが、なににもなれるかもしれない。


無限があって有限があるみたいな、ことではないけれど、そんな感じ。気持ちは。





何かを思えばそれにともなう原因や結果を考えては枝分かれした思考の過程に期待や失望があって、後ろから結果をみればもやがかった過程の先に原因がみえる。






期待や失望は後に、修得と、喪失と、再生があって、経験となって成長の糧になる、気がする。






そんな気がするのに同じことを繰り返しては、戻ってくる。


思考の螺旋のなか、多く積もったのは失望。






期待して失望してじゃだめなのよきっと、抜けているものは努力。



努力して修得があるのだよ。負荷が少なければ得るものも少なくなってくるのだろきっと。





ゆっくり歩けば遠くに行けるかもしれないけど、僕はもうずいぶん取り残されてしまった。







行動がなければ原因も結果もその類は何もないのだね。




それによってまた失うことがあるだろうけども、

またそうやって考えればいい、ぐるぐると。


ぐるぐるまわる。
君は嘘を吐いていないか?常に正直であるか
憎んだり蔑んだりしていないか?
相手がすべて悪いと思っていないか?
自分の境遇に同情していないか?
かわいそうな被害者は自分だと思っていないか?








落ち度はないのか君に?
君は完全なのか?
君は正しいのか、すべて?君はまっとうに生きてきたのか?
君が正しいなんて誰が決めるんだ?







涙はなぜ流れる?
腑甲斐ない自分を責めるのか?







君は同情しているのだよ自分に、同じものを相手と共有できないことに耐えられず逃げているのだ、それを相手に負わせているのだ、君が悪いのか







自分に同情などしてはだめだよ、それは下劣な人間のすることなんだってさ。





これらを認識して噛み締めて飲み込んで。



また明日はやってくるのだから