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ナナメカラタカラヅカ

独断と偏見でタカラヅカを100%楽しむ

④星組■アバウトタイム 愛おしい時間について(2013)

 

 

イギリス南西部に住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。どんな天気でも、海辺でピクニックを、

週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。

そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。

そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、

チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。

ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!なんとか彼女の愛を勝ち取り、

その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。

どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと……。

そして、本当の愛とは、幸せとは何なのかを知る。同時に、ティムと時間の旅をともにする私たちも、愛と幸せの本質を実感することになる。

 

「レイチェル・マクアダムス結婚して!!!!」って

叫びたくなる映画です。

(なんか今回取り上げる作品みんなヒロインがいいんだよな・・・私がそれだけヒロインに

重きを置いてるってことか)

 

紅さんって、こうなんか見た目がしゅっとしてるからスマートな男性が似合いそうな人なんですけど、

実は「あーもー、仕方ないなこの人は」みたいな母性本能くすぐるほうが得意だと思うんです。

同じスーパースターでも、変身した後のスパイダーマンよりピーターのほうがすてきよって、

ヒロインのメリーはなるじゃないですか?最初はスパイダーマンにあこがれていたのにね。

(星組、スパイダーマンかなって思ったんですけどなんかもうスパイダーマン人間じゃないんで外しました。)

 

っていう「実はドジ」とか「実はズボラ」とか、そういう「ギャップ」がいいなって思うんです。

いや、紅さんはドジでもないしズボラでもないです。

見た目が完全無欠な人ほど、なんかここがイマイチ・・・って思うとなんか親しみというか、

「ああこの人も人間だよね~」って思えて安心するから。

紅さんはシュッとしてて近寄りがたいイメージだけど、しゃべると関西弁の気のいい面白いお姉ちゃんで、

そこがいいと思うんですよね。

 

紅さんが玉ねぎ頭にするだけでみんな笑顔になれるってあれすごいと思う。

この人美人なのにそんなことすんの!?っていう。

いや・・・玉ねぎ頭になったら誰でもすごいか。難しいな、伝えようとしているところが・・・。

 

さて、本題なんですけど、この主人公のティムがなかなかのあほなんですよ。

タイムトラベルができるってことですごい使うし、めちゃくちゃ考えなしで

使うもんだから娘が息子になったりするんです(詳しくはぜひ映画を・・・)

ティム、学習しようよ!!ってなるんですけど、それがなんかはまっちゃって憎めない。

きっと「仕方ないなー」ってなりながら女はメアリー(レイチェル・マクアダムス)のようになっていくしかない。

 

もうほんっとにメアリーが可愛くて可愛くてティムお前にはもったいないわ!ってなるんですけど、

結局この映画は「みんながレイチェルになれる」映画だと思うんですね。

「ティムにはメアリーしかいない。何度タイムトラベルしても出会うし、結婚するし、最後までそばにいる」って思える。

 

かっこいいだけが主人公じゃなくて、「あなたには私しかいない」って思えるのがずっと不変だし、

人間は「生きる意味」をずっと考えてる。

あの紅さんのちょっと弱った顔とか(演技上でですよ)、甘える姿ってきゅんとくるんですよね。

私はベンヴォーリオが大人で好きですけど、紅さんの場合はこの人大丈夫かなって思ったマーキューシオのほうが

似合ってたしああいう年下っぽくてメンタル弱い方が少し、近寄りやすいというか。

たぶん柚希さんの下の2番手のときはそういう「弟」ぽさがすごく魅力的だったんだと思います。

 

話を映画に戻すと、

 

「1日を過ごして、もう1度だけ、その1日を繰り返すと、緊張と不安で気づかなかった人生の素晴らしさに気づく」

 

っていう「人生って、一度を一生懸命生きなきゃ」っていう

メッセージが「タイムトラベルができる主人公」から

必死な聞こえてきた声だなあと思ったんですけど、そういう紅さんて「必死さ」を見せると

すごく「人間らしさ」が出て「そのキャラクターを魅力的に魅せる」ことができる役者だと思う。

 

だから、完全無欠ってつまらない。人間らしく、ありのままに生きてって紅さんには思うし、

そういうキャラクターが一番似合うと思うんです。

母性本能をくすぐらせたらたぶん、いちばんだとおもいます。

 

 

 

ちなみにあーちゃんのメリー見たくないですか?

(結局スパイダーマン)

 

③雪組■ただ君だけ(2011)

 

 

ボクサーのチョルミンは、過去に問題を起こしボクシングとは離れ、1人静かに暮らしていた。

そんなある日、盲目の女性ジョンファと出会い、彼女の明るさに少しずつ惹かれていく。

 

たぶん今回取り上げる作品の中では抜群に知名度が低いであろう作品。

韓国映画だし(ハリウッドとはマーケットが違う)でも、私が最近一番号泣した作品なんです。

だいたい韓国映画って

「度重なる運命と過酷な試練、主人公はどん底に落ちて

それから数奇な運命をたどり、這い上がる」みたいなのが

多いんですけど(個人的な意見です)

例にもれなくそんな韓国映画です★

 

ただ、この映画は過去最高のソ・ジソプなんですよ(知らんって)

この不幸が似合いすぎて笑うのも忘れたチョルミン(ソ・ジソプ最高)

望海さんにやってほしくてたまらないのです。

 

なんか望海さんてあの宝塚史上まれに見るクズで有名の「ラストタイクーン」のブロンソンが私、

最高だったなって今思うんですよね。あの時は「いっぺん死んで来い」って思ってたんですけど

役としては最高だったなって思います。そこまで「こいつ・・・」って思える悪役というか、

「クズ」ってタカラヅカではなかなか難しいと思うんですよ。

そこまで癖のある役ってなかなかやらせてもらえないしましてやスターになると

「女子が「すてき♡」って思える役をしなきゃ」「作らなきゃ」「やらなきゃ」がタカラヅカだと思うんで。

 

もちろん悪役もすっごく魅力的なんですけど、ブロンソンは悪役っていうかクズなんですよね。

あ、ベネディクトは「魅力的な悪役」だと思います。

でもブロンソンはクズです(何回も言うなよ)。

 

望海さんて、見た目が「きれい目の硬派な美人」なんで結局「きれいめ」「ヒーロー」の役しかしないのかなって思ってたら

意外と色が濃いというか「変人」みたいな役が回ってくる人で、役者として面白いなと思うんですけど

それを乗り越えた先の人生がなかなか想像できないなっていう役作りする役者だとも思うんです。

この人これからどうするんだろ、どうしたんだろう?っていうスピンオフが作りにくいというか。

(私はですけど)

 

だけど、ブロンソンは「地の果てに落とされてさてブロンソン、どうする?」

みたいなアナザーストーリーを妄想できたんですよ。

その「観客に妄想を掻き立てる役者」ってそれだけの演技をしてる人だと思うんで、

私はそういう役とかそれを演じられる役者が好きです。(ただの妄想女って話もあるけど)←意外と痛い

 

で、このチョルミンはもうすでに始まった時犯罪者で、ひとりの女性によって

笑うこと、楽しいって思うこと、人を愛することを思い出していくんです。

真っ暗だった人生にちょっと灯がともって、人を想うという気持ちがだんだん生き返っていく。

チョルミンが人間らしくなっていくのが見てて本当に嬉しくて人間っていいなって思うんです。

人を想う、愛するっていいなって。

 

そして、人を愛するがゆえに間違いも起こすんですよね。

その人のためになりたいがゆえに、その人が望んでいないことをするチョンミル。

わーーーー犠牲型破滅愛!!!望海さんぽい!!!

「きみのためならおれは不幸になっても構わない」みたいなの望海さんぽい!!!(言いたい放題)

(ブロンソンは「僕の幸せのためにきみは不幸になればいい」でしたね・・・クズ)

 

でも、それで終わるのかなと思うと「やっぱり人は人を愛することが一番幸せなんだ」と

大・号・泣という話です。ハリウッドに比べて地味なのは否めないんですけど(画面も超暗い)

こういうしっとりとした大人のラブストーリーだいきほで見たいんですよね。

 

あと、「ドンジュアン」で見れたような「ゼンインコロシテヤル」な望海さんが好きなあなたに見てほしい。

「次は殺す」のソ・ジソプの表情よすぎて、望海さんこの顔やって!!!って私はなりました。

もう一時停止して眺めてたくらい「次は殺す」の表情。いい。(語彙)

あのキレーな顔で「次は殺す」っていってほしい・・・(だから頭おかしい人って思われるんだって)。

 

 

 

 

結果何がって、ソ・ジソプが最高でした。

(違う、ほんとごめん)

 


 

②月組■タイタニック(1997)

 

 

沈まない船として、タイタニックの処女航海がイギリスからアメリカへと出発することとなった。

上流階級の娘・ローズは、自身の母と婚約者のキャルと共に、タイタニック号への乗船をすることになったが、

母の一方的で強制的である、婚約に我慢の限界が近づいてきていた。

一方、ローズとは正反対の貧しい青年ジャック・ドーソンは出港直前のタイタニック号へのチケットをポーカーで手に入れ、

何とかタイタニック号へ乗ることができた。正反対の二人だが、ローズの抑圧された感情に敏感に反応したジャックは彼女の命を助けることになる。

 

レオナルド・ディカプリオがイケメンすぎて死にそうになる映画。

不朽の名作です。何回見ても泣くし、切なくなるしドキドキする。

(まあ映画好きからは敬遠されるけどね・・・本当に名作だと思うんだけどな)

 

タイタニック、数年前ミュージカルが日本でも上演されましたけど私は見てません。

でも、タカラヅカでやるんだったら絶対たまちゃぴでやってほしいです。

 

みんな、斧片手に這い上がる愛希れいか見たいよね!!??

(私は見たい)

 

私のイメージのたまきくんが「グランドホテル」「All for One」なので、なんていうか

「大作」をやってるイメージなんですよね。

実際このふたつが大作がどうかはアレなんですけど、

一応「不朽の名作ミュージカル」

「日本ミュージカルのパイオニア・小池修一郎の作品」じゃないですか←本当は言いたくないけど。

で、私はみなさん知ってると思うけど「グランドホテル」が大好きだったんですよ。

あのクラシカルで、ひとりひとりドラマがあって、セピア色のオールドムービーのような「グランドホテル」が。

たまさまのあの「おれの人生なんてどうでもよかったけど、ひとりの女が変えてくれた」みたいなのも

ほんといい・・・。あと汚れてるたまきさんいい。

 

明日海さんと逆で、たまきさんはとことん汚れててほしいんですよね。

あの見た目の清潔感と頼もしさと包容力から真逆の「やばさ」が漂う大人の男がいい。

なんていうか明日海さんは自らの過ちで汚れていくけどたまきさん

「親の因縁」とか「親友の借金の保証人になってしまって」みたいな

「発端は他人なんだけど、だんだん順応してしまって犯罪を繰り返しそれが特に悪いこととは思わなくなった」みたいなね!

それも本人の責任なんだけどね!?

 

なんかたまきさんのやってほしい人間性みたいになってしまったけど、

ジャックは性格もルックスも超イケメンなんですよね。

汚れたたまきさんも見たいんだけど、結局

「All for ONE」みたいな胸キュンも体感したいじゃないですか。

(どっちなの)

 

客室三等室で踊るたまちゃぴを私は見たいです。

 

あと、私個人的に一番泣くシーンが楽器弾きのシーンなんです。

もう本当に泣けて泣けて。自分たちの仕事は楽器を弾いてみんなを楽しませること、だから最後まで

楽器を弾き続ける・・・早く逃げて!って思いながら「生きるとは」を考えさせられる。

 

ジャックは「ラッキー」でタイタニックに乗った。最初はそれが本当にただ「ラッキー」だった。

タイタニックに乗ってからローズに逢えたことが幸せで、愛し合えたことが幸せで、ローズを生かせたことが幸せで・・・

ジャックは幸せだったのか?

 

そういう重い「生と死」、「幸と不幸」っていうずっと不変のテーマをたまちゃぴで見たいです。

これ、ジャックとローズの恋愛話と思いきやアンドリューやスミス、ハートリーなど

群衆芝居の月組にふさわしい作品なんですよ。それこそ「グランドホテル」方式。

 

 

 

 

あと、楽器弾きたちは新進気鋭の

「月組イケメン軍団(若手)」でお願いします。←だいなしや!!!