今私が住んでいる場所の近くに小学校があるんです。
だから朝出かける時に、ちょうど登校する子供たちとすれ違うことになるわけですが、

色んな子がいてちょっと面白い。


数人の集団で何やら盛り上がって朝からハイテンションな男の子たち

逃げる女の子を、恋心を抱いているからなのか「ちょっと待ってよ~」と言いながら追いかける男の子

え、なにそれ学校に着ていくの?って二度見してしまうようなオシャレすぎる女の子

「お姉ちゃーん!帽子持ってきたーー?」と遠くで振り返りながら大声で叫ぶ男の子


そしたらこの前
落ちてる石を傘で突いて、道端の何かに興味を示して立ち止まってる小学校低学年くらいの子がいました。


なんというか、小さい子ならではの行動だなって思うんです。


駅に向かって歩いていると他の大人たちが通勤のために集まってきますけど、小石つついてる人なんて1人も見たことない。

私も朝はどんなに時間に余裕があっても一心不乱に目的地に向かってズンズン進む。
それはもう競歩のごとく。



小学生にとって見えているのはきっと、未知で不可思議なことばかりが転がっている世界で、それは立ち止まってしまうほどに新しい発見をもたらしてくれるんだろうな、

なんて想像しながら
さて自分が小学生だった頃はどうだったのかというと、



毎朝遅刻しそうで走ってた。

学校の正門にたどり着いた私に向かって教室のベランダから「頑張れーあともうちょっとだよー!」って同級生に応援されるレベルでいつもギリギリを攻めてた。

運動会当日に気合いを入れて早く家を出た日でさえ、登校中の下級生たちが私を見た瞬間「遅刻だ、急がなきゃ!」って走り出すくらいに遅刻のアラートとして有名になってた。

だから、そんな毎日で道端の小さな世界に目を向ける余裕がなかった…。
(それでも遅刻は1回もしなかったことを知っておいてほしい。)


その代わり放課後は、
家が同じ方面で一緒に帰っていた上級生から
この花の蜜は美味しいとか、この茂みの葉は折るとパチンと鳴るとか、この植物の種はクルクルと横に回転しながら落ちるとか、

教えてもらってました。

しっかり帰り道で道草を食ってました。

楽しかったな。



よく考えてみると今は
ツツジやアジサイみたいに季節ごとで目立つものは把握していても、
家から駅までの道筋にある植物の葉の形がどんなだとか、どんな木が生えているのかって全然知らない。
知っているからどうってわけでもないんですけどね。

 


でも今日は、いつもよりゆっくり歩いて帰ろうかと思います。
普段目を向けないところに注目してみると、歩き慣れた道にも知らない一面が見えてくるような気がします。

 

 

 

これを書きながら、
道端の自然だけではなくて、ひとに対しても言えることなのかもしれないとふと思いました。

自然散策とひとの良いところ探し。
埋もれた中から見つけるそれによって、見える世界がいつもより少しだけ彩られるのではないでしょうか。