俳句ポスト365第312回 2025年7月20日週の兼題
終戦記念日【並選】
終戦記念日黙する父の背 綺星柳皇
読みは
しゅうせんきねんび もくするちちのせな
ウチの父は関東軍の精鋭部隊でした
ずっと満州で厳しい訓練に明け暮れていたようです
いじめのような訓練で、戦争についてはほとんど語りませんでした
戦況が悪化し、本土決戦だ、首都防衛だと日本に戻り終戦を迎えました
母は青森県南部地域の防空監視隊員でした
目が良くて、偵察機を発見するも上官には見えず、無視されました
その直後に八戸市は軍事関連企業などへの限定的な空襲を受けました
市街地への大規模空襲が予告されている二日前に日本は降伏、終戦で八戸市市街地への壊滅的な空襲は免れた
一方、青森市は知事が防空法を盾に疎開者を呼び戻したので大惨事だった
(当時の知事は空襲後、悔いたのか青森市に被害者慰霊の平和観音を建立している)
青森空襲は戦略的には価値のない非戦闘員の殺傷を目的とした都市無差別爆撃だった
その証拠に交通の要所である青森操車場はほぼ無傷で残された
青森大空襲の際は父は首都防衛の任務で関東地方にいた
帰国していたので、ロシア軍に捉えられシベリア抑留の憂き目には合わなかった
関東軍は精鋭で、温存されていたため、インパール作戦などに駆り出されることもなかった
ただただ上官のしごきに耐えていた
敵兵との戦闘も体験せず、誰も殺さずに済んだ
その父は死なずに終戦を迎えられた元兵士として、ただただ黙祷するのみである

