テーマ特集「おいしい秋」

 

【秋の味覚 落語で楽しく】

 

 秋の味覚は果物など多種あるが、産地の拡大や輸入、温室栽培などにより旬でなく
ても食べられる時代だ。だが、魚介は旬かどうかで脂の乗りなど味に大きな差を生
む。特にサンマは旬のうまさは格別で「目黒のさんま」という落語があるほどだ。
 ◇目黒はサンマの名産地ではない。殿様が不自由でおいしいサンマにありつけな
かっただけである。庶民の方が自由に旬の食べ物が食べられるという皮肉である。殿
様はお忍びで食べた目黒のサンマがおいしくて「さんまは目黒に限る」というサゲ
だ。目黒ではその落語にちなみ、祭りも行われているらしい。
 ◇他にも秋の味覚に新そばがある。新そばは何といっても爽やかである。「そば
清」という落語がある。今で言うフードファイターがそばで戦うことになり勝ちたく
て悩んでいたら、食べ過ぎで苦しむ「うわばみ」がある草を食べたら、あっという間
に消化し終えた現場を見た。その草を持ち帰り、羽織を着て試合に臨む。試合中に外
に出てその草を食べる。その後、試合に戻って来ない。見に行くとそばが羽織を着て
いた。消化されたのはそばではなく、食べた人の方だというのがオチだ。