ファンタジーな物語で、楽しく読める作品だが、読み切ると「あぁ、人間ってこんなんだよな」と思わせるような、そんな作品だった。
私の理想とするエンターテインメントのかたちだったような気がする。読み始めたら止まらないほど人をひきこむ魅力があって、最後には1段上に登らせてくれる。そんな作品だった。
真造圭伍さんの作品は「ノラと雑草」も読んだのだが、「トーキョーエイリアンブラザーズ」はより軽い感じで楽しめる作品だった。私個人としては、こちらの方が好みだった。
私は負けず嫌いな性格だ。人よりも劣っているのが嫌で、かといって努力するタイプではない。特に自分の好きなことに関して自分より優れている人がいるととても悔しい。けれど追い抜いてやろうみたいな努力はしたくないタイプなので、自分より優れた人間は大抵嫌いだと思うことにしている。どうしてあいつはできるんだと恨むだけだ。なんてタチの悪い負けず嫌いだろう。でもどうしても負けているから悔しいから……「努力しよう」とはなれないのだ。負けていて悔しいから排除しようと考えてしまうのだ。人間の汚い部分だな。腐ってる。最低だ。その結果自己評価も極めて低くなる。
あぁー負けたくないのに。どうしたら努力できるんだろう。
怠けているように見える人はもしかしたら戦っているのかもしれないと私が尊敬する人は言っていた。私も何かと戦っているのだろうか。
少しだけ……努力してみるか。いやでも面倒くさい。いくら努力したってまた劣っているところを知って辛くなるだけだ。だったらいっそ努力なんてしない方がいい。
でも負けたくない。
こんなのも人間だからこそなのだろう。私はれっきとした地球人らしかった。