父の様子も気になりながら病室に戻ると


看護士さんが3人いた・・・



・・・えっ?!何?!


看護士「本当に、今さっき目が覚めたんですよ!」


看護士「娘さんが帰ってくるのが分かったんですかね?」



父を見ると、肩で息をしながらうなされている


また、昨日の夜のように苦しんでいた。



・・・ただ、昨日と少し違うのが


・・・身の置き所をさまよって体を動かそうとしても


自分の力では起き上がれていないという事。




痛み止めの座薬を入れてもらうと


すぐに薬が効いてきた。


でも、たまに目を開けてまたうなされて・・・



呼びかけてみても、


目はどこを見ているのかよく分からないし


反応が無い・・・



看護士さんの検診によって、


酸素マスクをしないと、酸素濃度が低くなってしまっていて


酸素マスクを付けている。


今まで嫌がってすぐ取ろうとしていたけど


今日は、無抵抗。




母が、戻ってきて


今日の状態を伝える。



昨日よりは、眠っている時間が長く


父の苦しむ姿を見るのはほんの一瞬ではある。


でも、その苦しんでいる父は力無く


明らかに、昨日より衰弱してしまった・・・




母は、父に向かって話しかける。




「もう、頑張らなくていいよ・・・十分頑張ったんだから。」


「お姉ちゃんが、帰ってくるまで待っててね。」


「重たい荷物は、お父さんからおろそうね。」


「今まで、6年も頑張ったもんね・・・もう大丈夫だから・・・」




ほんの2~3日前まで私の頬を伝う涙を拭ってくれた父が


「な~に泣いてんだよぉ~」って言ってくれた父が


鼻先をツンってしてくれた父が




私達から遠い所へ一歩一歩進んでしまっている。


でも、こんなに苦しんでいる父を・・・


私は「死なないで」なんて言えない。