みなさんは建築設計事務所の風景?様子が実際にどのようなものか想像できますか。

昔(10年~20年くらい前)なら、大きなドラフター(製図台)がデスク代わりにあって、大きな図面が廻りにちらばっていて、カタログやら、雑誌などで雑然としているというのが、普通思い浮かべる事務所の風景ではないでしょうか。

 今は、図面は全てCADソフトを使いパソコン上で書きます。、設計に必要な情報のほとんどはインターネットで簡単に閲覧できますので、カタログは最少限必要なもののみがラックに整然と置かれている状況です。図面も必要なときのみ、A3版程度に縮小して打ち出すのみです。従って、最近の設計事務所の様子は、パッと見た限りでは、普通の事務所となんら変わりません。・・・・アトリエ系(デザイン最重視)の設計事務所では、一部昔ながらの事務所もたまに見受けられますが。

 そんなわけですので、私のデスクも、見ただけでは何の仕事をしている会社なのかわからないのではないでしょうか。唯一ディスプレーに図面らしきものが表示されていることだけが、それらしきものです。

・・・・・予断ですが、デスク上にある計算機は、私が高校一年生の時になぜかほしくて、当時の身分では結構な金額(多分\6,000-くらい)で購入したものです。CASIO fx-29という関数電卓で、現役で十分に活躍しています。
デスク廻り


デザイン例:大宮サンパレスラウンジ
  写真は:私がデザイン監修した大宮サンパレスの1Fラウンジです。・・・どうぞごゆっくり!!

 


  どうして建築設計の仕事は、毎回毎回予定通りに進まないのだろう。確かに関係する部署・機関・人間が多岐に渡るので難しいところはあり、それぞれが多数の案件を抱えているので、調整しなければならないのだが、お互いさまなので予定は守ってもらいたいものです。


 ちなみに、どのような方々が関わってくるのかを、分かりやすく示すと、ざっと下記の具合になります。


例:分譲マンション


<施主・発注者>

売主

    担当者→上司→役員

デベロッパー

    担当者→上司→役員

    販売営業担当、品質管理担当、他


<設計者>

プロジェクトリーダー以下

    意匠設計担当:担当者+スタッフ数名(+外注スタッフ)

    構造設計担当:同上

    電気設備設計担当:同上

    空調・換気、衛生・給排水設備設計担当:同上


+各メーカー担当者:キッチン、サッシ、衛生機器、収納家具、機械駐車機器、消防設備機器、各資材メーカーエレベーター、鍵・セキュリティー、受水槽・ポンプ、電気設備


<審査機関・関係諸官庁>

各行政庁関係

    建築指導課または審査課、都市計画課、道路管理課、上下水道課、清掃局、まちづくり課(日影関係)

    福祉課(バリアフリー関係)、教育課(埋蔵文化財関係)、

    所轄消防署、警察(防犯、風営法関係)、保健所(飲食店関係)

    ・・・・・場合によっては、河川管理

    東京電力、NTT

審査機関

    意匠担当、構造担当、設備担当

性能評価機関

    意匠担当、構造担当、設備担当


以上は、設計中に関わる方々でして、工事が始まると、もっと大変なことになります。

一般的には工事中も「工事監理業務」として、設計者が様々に関わります。


長くなりますので、止めますが、

単に図面を書くだけが設計のお仕事ではなく、

むしろこうした関係者との相互確認・調整及びスケジュール管理が重要になっています。

・・・と、いうことに一般の人には、知る機会もなかなかないのでしょうが・・・


と、いうことで、また機会がありましたら、具体的に設計事務所のお仕事内容をお知らせしていきたいと思います。

    


    



 建築士法の改正により、設備設計一級建築士を取得する必要が生じ、講習会+終了考査(テスト)を受けましたが、設計製図について再試験になりました。管理建築士講習+終了考査(簡単なテスト)は無事終了しましたが、この年(48歳)で新たに資格を取るのは、仕事と家庭に追われている身には、辛いものがあります。

・・・・設備設計が本業の方には、何のことはないのでしょうが、私、意匠設計屋には、賭けに近いものがあります。・・・しかし、事務所の存亡・死活問題なので、なんとかせにゃと思いつつ、ブログで愚痴ってます。

・・・・一級建築士を持っていない設備設計事務所(事務所登録の有無は別!)も多々あるだろうに、お役所はどう考えてるのか理解できません。ただ単に、名前貸し(違法行為)が横行するだけだと思います。