~リメイク版・しりとり~

とある昼下がり

「ごめん、誰かおらんか?」

まったく…
寺田屋の連中はどこに行ったんだ?

うん…?
奥から話し声が…


「ねぇ~退屈だからしりとりしょうよ…」
「まったくお前は…」


しりとり…?とはなんだ?
この私に知らない事があるわけ…


「あら?大久保さん?」
「なんだ、ゆい今頃現れたか!! この私を待たせるとは百年早いわ!」


はいはい…150年経ってますが…
「はい…ごめんなさい…で、今日は?」

口端を意地悪くあげ
「まぁいい。所で坂本くんはどうした?」

「龍馬さんならもうじき戻りますけど…
お部屋でお待ちになります?」
「用があってわざわざ出向いたんだ。待たせてもらう」

はいはい…
「そうですか…ではお部屋に…」
「勝手にいく、お前は…」
「はいはい…しぶーいお茶ですね?わかってますよ…」
「返事は一度 !さっさと用意しろ!!」
「はい…」


「失礼します…」
「おう、入れ」

はぁ…誰の部屋だかわからないわ…
龍馬さん…早く帰って来てよ…(T-T)


大久保さんと二人きりの部屋は
空気が重い…

チラッと盗み見る…

はぁ…黙ってると結構、素敵なんだけどなぁ…

「おい、ゆい…さっきから何を見ている?私に見惚れてるのか?」
ほら来た…
「別に…ちょっと龍馬さんが帰ってないか見てきますね…」立ちかけると

「まぁ、待て…お前に聞きたい事があるのだが…」
「うちに?」
「コホ…この私が知らぬ事はないが、 さすがに未来の事はわからん…しりとりとはなんだ?」
「…はぁ?しりとりですか?」
「そうだ…」
この時代にないんだ…
「言葉遊びですよ…例えば…
しりとりのりで林檎と言うように言葉の最後の文字で続けていくんです。続けられなくなったら負けです。やってみます?」
「ふん…童の遊びか!」
「まぁ…そんなものですが…」

でもあいつらは楽しげだったが…

「大久保さん?」
「コホ…ゆいがやりたいのなら付き合ってってやらんこともないが」

はいはい…やりたいんだ…
「はい…付き合って頂けますか?」
「よし、ではしりとりのりで林檎」
それってさっき言ったんですが…
「林檎のゴで…」

こうして
大久保さんとしりとりをしていると…


「ゆい~戻ったき~ゆい~」
うん?どこじゃ?奥から話し声がしょうるのう…


ありゃ…
おっ…そがいなこっ…


わしもゆいと…

慌てて部屋戻るとフスマノ向こうから

「林檎…ゴマ」
「マリ…」

うん?これは…

「リ…リス」
「ス…ススキ」
「キ…キ…キス」
「キスとはなんだ?」
「キスですか?キスとは…」


「ゆい!!キスは駄目じゃー」勢いよく襖を開けて部屋に飛び込んた


「坂本くん、何故キスが駄目なんだ?」


「キスちゃー口吸いの事やき…」
「口吸い…ゆい…お前私と…」
二人に見つめられ

「えー違うー魚のキスだよ!!」

「いゃ!!さっき以蔵とまみさんがしょったがじゃー
ゆいーワシにキスしとうせ!!」


寺田屋中に響く龍馬さんの声に…

「煩い!!」と
不機嫌な武市さんと
何故か真っ赤な顔の
以蔵とまみ…


龍馬め…いつか斬ってやる!!と心に誓う以蔵でした。


おしまい