「不在 ⅩⅠ章」「ただいま帰ったでござるーよ」 ござる・・・・・・? 振り向いたら、彼が居た。 「おかえりでござる、待ってたでござる。すごく」 立って、彼に抱き着いた。 すこしの間が、あって。 「ノリノリですがなー」 って。 え? あ、ああ・・・・・・。 「そう、ノリノリー」 いいでしょ、この曲? っていう顔して見せた。 「お土産で、ござるー」 カスタードの、甘い菓子。 『わーい』 胸の奥の、奥のほうでジンワリと。 小さな私が、喜んだ。 <了>