「ただいま帰ったでござるーよ」
 
ござる・・・・・・?
 
振り向いたら、彼が居た。
 
「おかえりでござる、待ってたでござる。すごく」
 
立って、彼に抱き着いた。
 
すこしの間が、あって。
 
「ノリノリですがなー」
 
って。
 
え? あ、ああ・・・・・・。
 
「そう、ノリノリー」
 
いいでしょ、この曲? っていう顔して見せた。
 
「お土産で、ござるー」
 
カスタードの、甘い菓子。
 
『わーい』
 
胸の奥の、奥のほうでジンワリと。
 
小さな私が、喜んだ。
 
 
 
<了>