今勤務しているオフィスはもう16年目。
昼食や夕食を出前ですませるっていうことを規則正しい生活をすることとジム通いをするために長らく控えていた。
けど、いつもうちのオフィスの同僚たちが注文する中華料理屋さんの出前を持ってくるおじちゃんは。
どこかいい雰囲気があって、注文をしてない自分は食べないで黙々と仕事をしていたりグデッとしてたりしているのになぜかいつも目が合っていた。
でもって、言葉は交わさないんだけど目と目が合っていつも会釈していた。
おいらはこのおじちゃんに「かっけえなぁ」っていつも思ってたのよねー。
小田和正をもっと丸くして愛嬌を足したような風貌。
颯爽とした身のこなし。
こうゆう歳のとり方したいなって。
年齢だけ質問したことあるんだよね。
その時点で70歳超えてたから。
もう75歳くらいになってるんだろうね。
おじちゃんは自分に何を感じ取ってくれていたのかは知らないけど。
2か月に1度くらいのペースで見かけてはあいさつっていう関係だったな。
ツーカーだけで関係ができてるのが不思議な感じでね。
話もほとんどと言っていいほどしてないんだけど。
いつも出前で人気のお店なんですが、実は店舗には1回だけ行ったことがあるのよね。
おじちゃんとその奥さんと2人で切り盛りしていました。
同僚によると、昼間は結構混雑しているんだって。
自分が行ったのは夜だったんですが、その時はチャッチャとてきぱき動いて作っているのは全部奥さん。
おじちゃんは置物状態でボーっと座ってました(笑)。
出前のオーダーが来るとスイッチが入るってことなのね。
そんなこんなで。
この年末、休日出勤をする機会があったんでね。
その時一緒に居た後輩とオーダーしたわけさ。
いつも注文するのは生姜焼ライスと決まっているのよね。
シンプルだけど、とってもおいしい。
電話して30分ほどしておじちゃん颯爽と登場。
たんたんといつものように挨拶をして、注文したものを置いて、お金払って。
「ありがとうございました」とおじちゃん一礼。
帰ろうとしたおじちゃんにおいら話しかけました。
「実は、自分12月でここのオフィス退職することになったんです。なのできっとここで出前するの最後になりそうなんです。」
するとおじちゃん一言。
「それは本当に寂しくなりますね・・・」
涙があふれそうになるのを我慢しながら逃げるように帰っていきました。
あらららら。
この光景を見ていた後輩が一言。
「これは明日、お皿を取りに来た時に絶対一緒に写真を撮りましょう!撮らなきゃダメですよ!!」
そして、その後輩に呼び出され、撮った写真がこの一枚。
(公開終了)
おいらアホ面ですが、おじちゃんナイスな笑顔。
オフィスの仲間たちは、この写真のくだりに感動したらしく。
おいらがやめた後、近いうちにこのお店で集まりましょう!!
ということになったんですが。
そこで盛り上がってた人間全員でお店に入ったら。
お店あふれかえります(笑)。
後日、同僚の一人がこの写真をお店に持って行ったらしく。
彼も奥様も大喜びしてたんだって!!
その時に、同僚に奥様がいった一言がなかなかナイスでね。
「こういう写真を一緒に撮るということならばもっとちゃんとした格好させとけばよかったですね!」
ですって(笑)。
ところで、おじちゃんはおいらのどういうところにロックオンしていてくれてたんだろう。
聞いてみたいんだけどね。
おじちゃん、またしばらくしてお店に会いにはいきますが、いつまでも元気でいててください。
そして、ささやかながら、自分の転職もお知らせさせていただきました。