DIESEL号の中が入手時から中に入っていたシリカゲルが爆発して大変なことになった(笑)。

そしてDIESEL号とともに昨夜のことだ。

仕事が終わるのが終電近くなってしまい、さすがの日暮里の街も閑散としている。

時は1時前。

あ、そうだあの中華料理屋さんならまだ開いているはず。

そして、5年前のあの夜と同じ。

野菜食べなきゃ、と必要以上に野菜の炒めものが入れられているタンメンを注文する。

そして、しばし5年前を思い出す。

この後の文章は、5年前のPachi-Ring時代のものだ。

サイトは閉鎖になったため、ブログは全部飛んでしまったのだが、思い入れのあるものは残した。

そして、以下の文章は残った。

Pachi-Ringでも結構みんなに読んでもらえたし、あの時の思いは昨日のように思い出せる。

(以下は当時のコピペ)

みなさん、こんにちは。

ミスティ・ネットワーク東京のA.Logicです。

今日はミスティに1人で中華屋さんで夕食を食べていたときの話。


昼食が食べれない生活に慣れてしまったおいらは夕食時は半分狂いそうになるほど食欲が増進している。


中華屋さんのメニュー。何でもおいしそうに見えて決められなかったんだけど・・・

メニュー越しに見える隣のスキンヘッドのおじちゃんのタンメンが気になる・・・。旨そうだ。

それで、何故か意表をついてタンタンメンを注文した。


しばし待つ。この間、ちょっとほろ酔いの隣のタンメンおじちゃんがおいらに何やら話しかけてくる。

小ぎれいではないけど、品の良さそうな感じのおじちゃんでして。

戦争の話、政治・経済の話、年金の話・・・。

延々とおいらに講釈が続くのだが、お腹の減ったおいらは話の半ばで出てきたタンタンメンを食べながら、丹念にお話に合いの手は入れてはおったんですが。

タンタンメンも旨いし、おじちゃんの話も非常に視野が独創的で、団塊世代にありがちな独りよがりな感じはなく尊敬の念も湧いてくるというものだ。


戦争の話も語り部が少なくなってきている昨今でいえば貴重な話も多いし。
昔の山手線がミヤンマーやタイでそのまま走れるのは日本が戦時に支配していた時に日本が日本の規格で鉄路が敷いたからそのまま走れるんだよっていう30へぇな話も聞けて。

おじちゃんは上野桜木に住んでいるらしく、「あぁ、あそこは井戸端会議のレベルも違う(非常にハイソ)場所だったなぁ~」なんて思いながら話は進んでいく。

満州鉄道の話で盛り上がっているとおいらはタンタンメンを食べ終わり、おじちゃんの卓の灰皿を共有して食後の一服にかかろうとしたのだが・・・。

彼は話に夢中で食べてないものだから、タバコを吸うのも申し訳なく、
「おじいちゃん、食べないとラーメン延びちゃうよ」
と言ったところ・・・。


「これは最後のラーメン。糖尿病があるから半分しか食べられないのよ。」

「最後のラーメンにする必要はないでしょーに」


「いや、違うの。明日から東大に入院なのよ。癌の治療を受けなくちゃいけないのでね」

どうやら、おじちゃんは明日から入院生活に入るようです。前立腺がんにかかっているとのこと。
タバコも吸えなくなると。


化学療法の副作用の大変さなんかの話もしたんだけれど、入院生活には覚悟が要るようなので前夜にこのラーメンを食べ、病院に行く前に化学療法で髪が抜けるのはイヤなのでスキンヘッドになってから病院に行くという彼なりのルールがあるようです。

おいらはその儀式におじゃましてしまったようです。

おいらは風邪を引いていたのでおじちゃんにうつしちゃいけないとおいとましようと思ったのですが、彼は最後にイカした話をしてくれました。


「君は30前でしょ(かなり違うが)?これから大変だよな。年金はどうなるかも分からないし、いつリストラされるかも分からないし将来に希望が持てないでしょ。そのために君はどうするんだ?」

「うーん、一日一日やれることをやっていくしかなさそうですね。貯金もしないといけないのかなぁ。」

「貯金も良いけどさ・・・。
前立腺がなくなるとアレができなくなるわけだからな。
かわいい娘をいっぱい抱いて元気で生きていってくれよ。」


入院を前日にしてしゃれたことを言ってくれるおじいちゃんだわ。非常に元気になったおいらは自分のタバコをおじいちゃんに一本渡して火をつけてあげました。


「退院してこの店で見かけたらまた声をかけますね」と言ってお店を後にしたわけですが、おじちゃんは何も言わずに嬉しそうな顔をして手を振ってくれました。


また、会いたいなぁ。



元気でいてよね。おじちゃん。









そして今、5年経った。

そこそこお店には通っているが、あのおじちゃんは見かけていない。


あのおじちゃんが糖尿病だからと、半分残していたのと同じように。

ミーも健康には木をつけなくちゃ。

なので野菜たっぷりのタンメンは身体にいい。



けれど、ミーにとってのこの店のタンメンはあのおじちゃんと共有すべきものだ。

今日は食べてしまったけれど。

なので、また会う日まで注文しないつもりだ。



そして、その日はきっと来ると信じてる。