いつかやろうと思っていて、一度もやってこなかったボクシングネタが今回のテーマです。

ボクシングに限らず、スポーツというものは、その競技に全然造詣がなくとも世界一流のものを見ると誰でもTVの画面に思わず釘づけになってしまうもの。

ヤンキースのベースボールにしたって、FCバルセロナのサッカーにしたってそう。

名人芸の数々に思わず目を奪われる。

それがプロフェッショナルというものだ。


今回の画像は2005年にアメリカで行われたWBC/WBOライト級統一世界王座戦です。

ここで対戦しているディエゴ・コラレス(米)もホセ・ルイス・カスティージョ(メキシコ)の2人とも対戦当時は現役の世界チャンピオン。

今回の画像は、その試合の第10ラウンドのハイライトシーンです。


さあ、見てみましょう!!








コラレス選手の大逆転勝利の画像でしたが、このラウンドはその後議論の対象になります。

第1点はコラレス選手が故意にマウスピースを吐き出して、彼が立ち上がり試合続行が決まった後にマウスピースを入れなおすために自分のコーナーに戻って時間稼ぎをしたという点

第2点はカスティージョ選手は倒れなかったがためにロープ際で連打され、いきなり試合が終了してしまった点

つまり、
マウスピースを自分で吐きだした方が得じゃないのか?
倒れちゃったほうが得じゃないのか?
っていう話です。

その後、2人は再戦し、再戦では逆にカスティージョ選手のKO勝ちとなったんですが、この試合もカスティージョ選手の体重超過がありこれもまた問題に・・・。

後味は決していいものではなく、その後コラレス選手は交通事故で他界されております。


おいら、ルールについての議論をしたいのではなくて、この映像の凄まじい点を描きたくてブログ化したんですが・・・。

普通、大逆転劇のイメージって、おいらの中でのイメージなのですが。

形勢不利な方が、どんどん追いつめられていって勝機自体ほぼゼロに近い状況にまで追い詰められているにもかかわらず、自らの勝利を決してあきらめることなく信じ続けたがために劇的に道が開けてくるっていうイメージだったんです。

そして、その勝負が決した時に信じる者には良いことがあるんだなぁっていう感想を持つわけです。


だけど、この勝負は違う。


この画像は第10ラウンドだけの映像なのですが、それまでの9ラウンドも明らかにどちらかが優勢という状況でもなかった(敢えて言えばカスティージョが押していましたが)し、世界チャンピオン同士の高度な技術戦だった印象があります。

ただ、2度倒されて、立ち上がったけどさらに有効打をもらい瀕死の状態にあったコラレスが何かがプッツンしたかのごとく猛然と打ち返していったのに恐怖を感じました。

どこにそんな力を残しているんだ?っていうか。


信じる者は救われるじゃなくて、窮地で狂気が突然発起して、勝負まで決してしまったとしかいいようがないように見えたので・・・。


細かい議論は要らない。コラレスが問答無用に凄まじいということで長期記憶になっている次第です。

その凄まじさがTVカメラのクルーにまで伝染してしまって、結末の瞬間の映像なんてぶれまくっちゃってますからね・・・。


こんな逆転劇って見たことがありません。


この瞬間を残しておこうと思って自分のためにブログに残しました。






確かに議論は呼んだ。




けれど、この試合のこのラウンドが2005年の年間最高ラウンドになりました。





その事実には全くを持って異存はありません。