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JW 2世の保健室

教室に行けなくなった人のために

海外EXJW掲示板で「1975年より少し前の出版物には多数の"あとわずか数年"といった表現が多数ある」ことを示す充実したリストが投稿されていたので、日本語のほうでも可能な限り抽出し、同じようにリストしてみました。

 

元ネタ:“A Few Years At Most.” 1966-1971 quotes.

https://www.reddit.com/r/exjw/comments/1ey7ltg/a_few_years_at_most19661971_quotes/

 

加えて、JW Broadcasting 2024年8月で「1975年の預言」について触れた部分があり、それも引用しています。

 

 

まず、「1975年」を前にして「終わりまでほんの数年」と読み取れる記述の引用:

 

●ものみの塔1966年5月1日号 266ページ ***
正しい交わりは,ユダヤ民族と初期クリスチャンがエホバと親しい関係を保つのに役立ちましたが,ハルマゲドンまでのわずかな,そして大切な期間に住む今日の神の民にとっても,正しい交わりは同じ役割をはたします。
 

●ものみの塔1967年4月15日号 253ページ ***
しかし今日,ハルマゲドンは間近に迫っています。1914年以来の世代が終わらないうちに,ハルマゲドンが到来するからです! 間近なことには疑問の余地が少しもありません。時は縮まっています! それで,ハルマゲドンが迫っている今,なすべき事が多いのはむしろ当然ではないでしょうか。

 

●ものみの塔1968年2月1日号 89ページ ***
エホバは敵の上にさばきを執行するため迅速に「来られ」ます。その時までわずかの年月が残されているにすぎません

 

●ものみの塔1968年8月15日号 502ページ ***
目前の将来が刮目すべき出来事に満ちていることは確かです。この古い制度は完全な終わりに近づいているからです。「終りの時」に関する聖書預言の最後の部分は,ここ何年かの間に成就を見,生き残った人類はキリストの栄光ある千年統治の下で解放されるでしょう。

 

●ものみの塔1969年5月1日号 273ページ ***
しかし地に対する神の正しいお目的を成就するために定められた時間は,この世代の今後数年のうちに終わろうとしています
 

●ものみの塔1969年8月15日号 491ページ ***
エホバは,あらゆる国の羊のような人々が,この事物の体制から,ハルマゲドンで国々が滅びるまえに出てこられるように,諸国家の存続をなお数年許しておられるのです

 

●ものみの塔1969年10月15日号 618ページ ***
真のクリスチャンは,神の国がすでに天に建てられ,かなりの期間統治してきたことを知っています。事実,終わりの時はかなり過ぎており,この古い事物の体制にはごくわずかの時間しか残されていません...聖書預言の成就となっている世界の出来事は,この邪悪な事物の取り決めがわずか数年を残すにすぎないことを確かに物語っています。

 

●目ざめよ!1970年3月22日号 23–24ページ ***
新聞は,世界の他の12か国からの代表がタヒチに到着したことを報じ,次のように伝えました。「エホバの証人について言えば,彼らは,聖書の教えが親子の別なくすべての人の日常生活にあてはまるということを強調している。……聖書の年代計算によれば...平和の一千年[これは公開講演の主題]は,遠い将来のことではなく,わずか数年以内に始まるとされている。平和の訪れを望まない者がいるであろうか」。

(※外部の新聞記者も「数年以内」と受け取っている)

 

●目ざめよ!1970年4月22日号 8ページ ***
からだを養う食物に対してではなく,食物の偉大な供給者エホバ神により頼む人は,なんと幸福でしょう。そうする人は,現在の古い体制の滅びる時に,エホバの保護を受けることになるでしょう。その滅びは今やわずか数年先に迫っています

 

●ものみの塔1970年6月15日号 370ページ ***
そのうち,聖書また聖書研究の助けを生産する仕事や,この巨大な施設を運営するための他の数多くの仕事のいずれかに携わっている30歳以下の若い人々は,およそ900人います。彼らもまた,晩の時間や週末をクリスチャンの宣教に費やしています。これは,現在の凶暴な事物の体制に残されている数年のあいだ,若い人々が自分たちの創造者に仕えるなんとすぐれた道でしょう。

 

●ものみの塔1970年 6月15日号 377ページ ***
それら若い人々は,古い事物の体制に残されている数年のあいだ,「自分自身がどのようなものであるかを実証しつづけなさい」と勧める聖書のことばどおりに行動したいと願うでしょう。

 

●ものみの塔1970年8月15日号 501ページ ***
現在の世代に残されている数年の期間は,わたしたちが新しい事物の体制の下でエホバの御手から命をいただく特権にあずかるため,エホバをほんとうに喜ばしたいと願っている者であることを,エホバに示すのに多くの時間を与えるものではありません。

 

●目ざめよ!1971年7月22日号 25ページ ***
クリスチャンであるわたしたちが,堕落しつつあるこの古い体制の最終年月となる向こう数年間に横たわっている事柄に備えるためには,そうした情報は欠かせないものです。

 

●ものみの塔1972年8月15日号 499ページ ***
ですから,家や仕事また物質上の所有物に縛られすぎて,この古い体制があとわずか数年提供できるにすぎないものを過度に楽しむよりもむしろエホバと真の崇拝とに対する愛のこの良い模範に従うよう勧められています。

 

●ものみの塔1972年11月1日号 660ページ ***
しかし,クリスチャン会衆と交わっている人々の中には,ほんとうに心をつくしてエホバに奉仕していない人,あるいはエホバにあまり従順でない人たちがいるようです...そのような人たちは,これからほんの数年後にはどうなっているでしょうか。彼らはそこにいるでしょうか。そのときには古い体制は全くなくなり,神の王国が全地と地上の事柄を完全に支配しているでしょう

 

このように「あとわずか数年」と繰り返し強調していたわけですが、そこから半世紀以上の月日が過ぎました。

 

******

 

最近公開されたJW Broadcasting 2024年8月の中では、「1975年の預言」にまつわる次のようなドラマが挿入されています。

 

(ドラマ:老人が若い夫婦を前にJW人生を回顧している)

 

”ずいぶん前 終わりが来るタイミングを気にし過ぎてはいけないということを学んだんだ”


 

”ドロシーはそのせいで失敗した

ドロシーと結婚してすぐ一緒に開拓奉仕を始めて本当に楽しい毎日だった
私たちは終わりはすぐ来ると思ってた”

 

”でもそうじゃなかった”


 

”月日がたつうちにドロシーは変わっていった
ハルマゲドンが来ないことに怒りを募らせるようになった”

 

”終わりが来ることを疑い始めたんだ”


”最後には エホバから離れてしまった 私からも”

...

”真理は変わらない
たとえ期待していた通りに物事が進んでいないように見えてもね”

...

 

(※以下、統治体によるドラマについてのコメント。ちなみにこの統治体成員ゲージ・フリーグルはバプテスマの日付が1988年11月20日ということなので、おそらく1975年前後の出来事はほとんど記憶にないはず)

 

タボが言っていたように 終わりがいつ来るかということばかり考えているとエホバとの絆にひびが入りかねません

 


むしろ自分がどんな人か自分とエホバとの間にしっかりした絆があるかに目を向け続けましょう

(JW Broadcastingからの引用ここまで)

 

 

結局のところ、2017年地区大会の動画でも描かれたとおり

 

1975年当時の混乱については

 

「『1975年の預言』を気にしすぎた人たち、極端に走った人たちが悪かったのだ」という信者への責任転嫁。

 

実際には指導部が上記のとおり「あと数年」と繰り返し資料で語っていたからこそ

 

当然のこととして純粋な信者たちは「1975年」を大いに気にかけ

 

誠実な信仰の表れとして思い切った行動も取ったわけですが

 

半世紀経った今となっては「気にしすぎ」だったんだそうです。

 

(でもって「終わりを気にしすぎると神さまとの絆にひびが入る」んだそうです。これも「つまずいた人たち」が悪かったんだとばかりに勝手なこと言ってるって感じ)

 

 

多く与えられた人には多くのことが要求され,多くを委ねられた人には普通以上のことが要求されます(ルカ 12:48)

 

「『1975年の預言』の混乱」については指導部のほうが多くの責任を負うべきなのは、聖書的にも道義的にも当然のことなんですが

 

自らの無責任さは棚に上げ、信者に責任を押しつけてでも、まずは「権威維持のための保身」なんでしょう。

 

******

 

”真理は変わらない
たとえ期待していた通りに物事が進んでいないように見えてもね”

 

ドラマに登場する老人に格好良さそうに語らせているセリフですが

 

残念ながら、エホバの証人組織に長年属して歩んできたこの老人は

 

人生においてそのセリフを裏付けるような経験はまったくしていないはずで

 

 

せっかく長い経験を持っているのなら

 

「何にしても統治体が信者に期待させた通りに物事は進まず、彼らの教える”真理”も時と共に変わるものだ」

 

と正しく語ってほしかったところです

 

 

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