この前、たまたま20年にわたり司法試験に挑戦し続けて落ち続けている人のブログを見ました。
司法試験っていわゆる弁護士や裁判官になるための資格を得るための試験なのですが、ここ20年以内に大きく制度を変えた試験でもあります。
もともとは文系最高峰の超難関資格でした。今政治家になっている先生方も若いころに挑戦して落ちている人は多数います。司法浪人という名があるくらい普通の人じゃそれこそ数十年も受け続けても受からないというレベルでした。
それが15年くらい前に大きく制度変更して、法科大学院を出なければ受験資格がないという制度になりました。旧司法試験は基本的には誰でも受験ができた感じだったので、受験資格をつくることで受験生を絞ったカタチになりました。そのかわり新司法試験は合格率も上がり、旧司法試験から比べると簡単になっています。
しかしネックなのは受験制限で法科大学院卒業後5年間で3回試験に落ちると受験資格を喪失するようになりました(現在は5年で5回に変更されたと思います)。ちなみにその後は法科大学院を経由しない予備試験を受験し合格することで受験資格を得るというルートもできました。
受験生からは不評なこの三振制度(今は五振)は僕は大いに賛成だと思います。
なぜなら旧司法試験は受験制限がなかったゆえに、人生を試験に費やし、人生を潰してしまった優秀な人たちが多数いたからです。僕も法律系の国家資格も持っているので多少はわかるのですが、世の中には適正というものがあります。優秀でもどんなに頑張っても向いてない場合があるのです。受験回数制限がないと肩たたきをしてくれる人がいません。でも自分では諦められなくて、勉強ばかりしているから仕事でお金を稼ぐこともできずに人生を潰してしまうリスクがあります。
誰かが肩たたきをしてあげるべきなのです。
「君は今までよく頑張ったね。でもこの世界には向いていなんだ。だからこれからは違う世界で頑張ろうよ!」
全力で法律を勉強した日々は試験に落ちた以上は直接自分の肩書にはなりません。ただもし本気で勉強したならその経験と知識はその後の人生のどこかで役に立つというか糧になるはずです。
撤退する勇気を持ちましょう。
人生に乾杯!