北欧旅最終日の朝、少し寂しい気分になる。しかし、時間いっぱいまでぎっしり楽しむのが僕らの鉄則。早起きしてホテルスパ併設のサウナへ。今日も例外なく、スタッフさえ不在、夫婦完全貸し切り状態。ちゃんと3本+クールダウンで整ってから朝食へ向かう。
昨日と同じビュッフェメニューに加え、追加でオムレツと朝シャン(シャンプーではないほう。正確に言うとシャンパンじゃなかったけど)をオーダー。どちらもホテルの何周年か記念(本記事執筆時点で失念)で追加料金なしだというから贅沢してみた。朝シャンは効く。すぐに楽しくなる。やっぱりフレッシュサーモンはなかったが、サーモンロールと加熱して冷やしたサーモンはしっかりいただいた。おいしい。これもきっと忘れられない思い出の味になるだろう。
今日のフライトは15:55なので、空港までの移動時間を考えて、少なくとも午前中いっぱいは観光できる。朝食を終えて身支度を整え、軽く荷物をまとめておいてヘルシンキの街へ。まずは象徴的なヘルシンキ大聖堂へ向かう。歴史を感じさせるビルの間を縫うようにトラムが走る街は例外なく素敵だ。朝の風は頬に冷たいけれど、歩いているだけで幸福な気持ちになる。

しばらく進んでヘルシンキ大学の脇を通れば、すぐに大聖堂が見つかる。真っ白。フランス/パリのモンマルトルにある大聖堂を思い出す。こっちのほうがさらに清廉なイメージ。残念ながら一部修復中だったけど、肝心な部分が全部カバーされていた数年前のロンドン・ビッグペンの時計台よりマシか、あのときは超絶ショックだったけど。とにかく白い聖堂は清潔で中立的でクリーンな感じがして好き。青空に映えるし。

大聖堂を背に、トラムの線路を横切って港方向へと下っていくと、次の目的地のサウナショップ「Finnska Souvenirs / Sauna Boutique」へ。ここではバイキングスタイルの角が生えたサウナハットを購入。僕らのセカンドハウスである山梨の家近辺の市営サウナか、どっかのこじゃれたサウナで娘の夫と二人でかぶってデビューしようと思ってのチョイス。きっと喜ぶぞ。ここサウナショップにはほかにもいろんな種類のサウナハットがあったけれど、サウナ用品だけでなく普通のお土産も並んでいる。僕らが買い物をしていると若い日本人男性の3人のグループが入ってくる。彼らのお目当てもやっぱりサウナハットのようだったけれど、案外無難なチョイスをしていた。保守的(笑)。っていうか、こないだのロウリュでもそうだったけれど、日本のサウナブームがそのまま、ヘルシンキにしみ出している感じでなんだかおかしい。

店を出て港に向かう。一昨日に記念日ディナーを楽しんだ「Kappeli」が右手に見えて、その目の前には「バルト海の乙女」像、その向こうに港が広がっている。港町ヘルシンキにはカモメがよく似合う。ストックホルムのカモメよりはもう少しシャイというか、控えめな感じ、あくまでイメージだけど。

港に面したオールドマーケットホールに足を踏み入れる。ここは19世紀に建てられた屋内市場で、なかに入ると小さなひと区画ごとに一店舗が入っているモールみたいで、フードが中心なのかな。僕らの大好きなフレッシュサーモンもいっぱい並んでいて、ホテルじゃなくてこっちで朝食食べればよかったーなんて夫婦で会話しながら歩く。
サーモンたっぷりのサンドイッチとかすごく食べたかったけれど、さすがに朝食の二度食いは……なんて思っていたら、キャビアの専門店を見つけてしまい、陳列棚のなかのサーモンタルタルが神々しく光っていて、これは試してみるしかないでしょうとオーダー。

二人でシェアしようということになったが、何か飲み物をという話になって妻がシャンパン飲みたいといいだす始末(笑)。朝食二度喰いに加えて再び朝シャン(こっちは本物のシャンパン)。脂がのっていてねっとり濃厚なサーモンタルタルに、これまたねっとりキャビアが相まって最高すぎた。もちろんシャンパンとのマリアージュも最高、なんとも贅沢な時間。しかもお姉さんがキャビアの味見をさせてくれて、船の中のビュッフェで食べたのものと全然違う、こりゃうまいよねと小さな一缶、お土産に買っちゃった。商売上手なお姉さんがピースサインで勝利宣言。

チェックアウトの時間が迫ってきたので港を後にし、ホテルへの道を急ぐ。何度も行き来したエスプラナーディ公園界隈の光景もこれで見納めになるかと思うとちょっぴり寂しくもなる。今年59歳、いくつになるまでこうやってアクティブに海外個人旅行を楽しめるのだろう。残された時間はそれほど多くない、なんて考えながら歩く。
最後に、歴史ある百貨店ストックマンの地下食品売り場に立ち寄って、一昨晩「Kappeli」でおいしかった例のキャラメルっぽいバターを探したけれど見つからず、情報求む(笑)。急いでホテルに戻り、お土産をパッキングしてチェックアウト。荷物を預けてランチに。今日は、妻からのリクエスト、フィンランドらしい、自然が感じられるカフェってことで、彼女が見つけた「Blue Villas Cafe」に向かう。このカフェがいいのが、ヘルシンキ中央駅から徒歩圏内にあるということ。駅を挟んでホテルとは逆、すなわち北側のこれまで一度の足を踏み入れなかったエリアに入っていく。
駅前は国際的なコンサル会社が入っているようなオフィスビルがいくつかあるのだが、そこを抜けるといきなり大きな公園にぶつかる。
公園沿いの緩やかな坂道を登っていくと海なのか湖なのか、水辺が現れて、ちょっと小高い場所に屋外席オンリーの「Blue Villas Cafe」が。ちょっと肌寒い日ではあったけれど、温かいコーヒーとシナモンロールとキッシュを注文して、水面をながめながら味わえばなんかほっこりフィンランド的。

いつまでもこうして北欧旅最後のランチタイムを味わいたいと思いきや、時間に限りがあります(笑)。ホテルに戻って荷物を受け取り、親切なホテルマンに別れを告げていざ、ヘルシンキ中央駅へ。ここから国営鉄道に乗って空港に向かう。
券売機が見つからなかったので駅員さんに聞くと、車内でクレジット決済ができるという。空港行きの電車は一番端っこのホーム、けっこう歩くな。スーツケースゴロゴロ転がしながら、素敵なヘルシンキの街にさよなら。電車はすいていて、時間通りに出発。車窓の外に広がる、緑の中にぽつんと一軒家という、いかにもフィンランド的な光景を眺めながら進む。
ヘルシンキ空港はカフェもショップも充実していて、妻と娘用のお土産として頭に葉っぱがくっついているかわいいサウナハットを購入。男はバイキング、女性は葉っぱつきという愉快な4人で今度、男女共用サウナに行こうという話で盛り上がる。
まずはヘルシンキからストックホルムまでフィンエアーで飛んで、ストックホルムから先は往路と同じ、チャイナエアでストックホルム→北京→羽田というルート。ストックホルムで3時間のトランジットを予定していたのだが、なんとフィンエアー/ストックホルム行きの便が1時間の遅延になるとのこと。けっこうギリギリになっちゃうなーという感じになった。しかもストックホルムではターミナル2からターミナル5に移動しなくてはならない。どのくらい距離があるのかわからないけれど、昨年、ドバイから帰るときに経由したシンガポールのチャンギ国際空港でめちゃくちゃ走ったことを思い出させる。
まあ、とにかくテキパキ行動ってことでストックホルムで降りて荷物を待つも、なかなか出てこない…。運悪く最後の最後にターンテーブルに現れたんで、すぐに下ろしてターミナル5に向かうが、道案内看板を見ながら行けども行けども遠くてぜんぜんたどり着かない。最後に往路での乗ったアーランダエキスプレスに乗ってターミナル5へ、ようやく到着して、さらに免税の手続きに時間がかかって(本来そこにいるはずの職員が席を外していて、インターホンで呼び出して15分くらい待たされた)本当にギリギリでチェックインできたときには汗だく。これまたギリギリで航空機に乗り込んだ。
さらばストックホルム、さらば北欧。実際に行ってみて、北欧がさらに大好きになった。本当に素晴らしい旅だった。ここから9時間ちょっとかけて北京に向かい、そこで3時間のトランジットを経て東京に向かう。航空機内では旅の余韻に浸る暇なくぐっすり眠ってしまった。北京までは本当にあっという間。東京に戻ったらまた現実が始まる、別に嫌じゃないけど。楽しいことがあるからまた頑張れる。今度は夫婦でどこに行こう。二人が元気でいる限り、僕らの旅は続いていく。













































































