■自分に対して「私」と呼びかけるのはいったい誰なのか


 
我が家での育児(養育)は、「衣・食・住」のハード面だけではなく、ソフトにも同じくらいかそれ以上に力を入れている。
 相手がペット、つまり動物なら、「衣・食・住」だけに配慮すればいいのだろうが、我子となると、人間である。
 動物は、自分に対して
「Iam(私が在る)」
 とは言わない。
 つまり、自分のことを対象化して、自分に対して「私」と言えるのは、今のところ(苦笑)、絶対者、つまり神と、私たち人間だけなのである。
 もう少し、この点を深く考察すると・・・、自分以外の誰かに対して、「You(君、あなた)」と呼びかけるのは、この私なのだが、では、自分に対して「私」と呼びかけるのはいったい誰なのか、ということになる(苦笑)。言い換えれば、自分のことを「私」と命名して、他と区別するのは、誰なのか、と言いたいのである。

 こんな哲学的な話に興味がある人はあまりいなさそうなので、話を戻そう(笑)。
 我が家では、子供たちの人間性、つまり心や精神を育むべく、読んでおいたほうが良い本や見ていた方が良い映画をセレクトするのは、この私の役目なのである。展覧会しかりである。
 音楽はといえば、我が家では、毎日、必ず流れている。ちなみに今(深夜)私の部屋に流れているのは、私の高校時代のヒット曲ばかりを集めた「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」のベスト盤である。気分は高校生というわけである(笑)。

■「今から130年前のスコットランドで本当にあった感動の物語をベースにしている」

 家族で映画
『ユアン少年と小さな英雄』(2007年)
 を見た。
 監督は、『アリス・イン・ミラーランド』(原作は、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』)のジョン・ヘンダーソン
 それにしても、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の映画は多い。DVDだけでも、4~5本はある。
 ちなみに『鏡の国のアリス』は、『不思議の国のアリス』の続編である。
 ジャズ・ミュージシャンにジョー・ヘンダーソンという人がいるが、紛らわしい(笑)。アメリカの有名な野球選手に、ジョン・ヘンダーソン・ホワイトヘッドという人がいるが、これまた紛らわしい(笑)。

 話をもとに戻す。
 実話に基づいた映画とあったので、早速録画しておいて、今日親子4人で見たのだが、なかなかよく出来た感動的な映画だった。
 主人公は、警察犬のテリア犬ボビーである。テリア犬だというのには、ちょっとびっくり(苦笑)。でも、これは本当の話。当時の警察官は、武器を所持していなかったので、警察犬を持っていたのだそうである。
 映画の中の話では、こうである。
 飼い主である警察官ジョン・グレンの病死後、ボビーは、主人の墓から離れようとはしない。そのため、いつしか野良犬となる。
 以前から顔見知りの貧しい少年ユアンと親しくなる。主人の墓を守るように寄り添うボビーは、いつしか町のマスコット的な存在となる。ユアンとボビーの活躍でエジンバラの町の旧市街(貧民たちが多く住むエリア)が市長の目にとまり・・・・、というハッピーエンドの話である。
 参考までに、以下は、ネット上にある「goo映画」『ユアン少年と小さな英雄』からの転載。

「今から130年前のスコットランドで本当にあった感動の物語をベースにしている。このエピソードは地元の人々の間では有名らしく、エジンバラの町にはテリア犬ボビーの銅像が建てられているという。さしずめ、スコットランド版“忠犬ハチ公”といったところ。日本人にもすんなり受け容れられるストーリーだ。
 オーディションで選ばれた、ユアン少年を演じる新人オリバー・ゴールディンの繊細な演技はもちろんのこと、脇を固めるグレッグ・ワイズ、クリストファー・リーら、イギリス映画界の重鎮的俳優の名演も見逃さないで欲しい」


 ユアン少年役のオリバー・ゴールディンは、このとき、11歳だという。新人とは思えない、まさに名演技である。
 ただし、犬の演技のほうが、もっと凄い。
 どこかで見た俳優さんだなあ、と思って見ていたのだが、エジンバラ市長を演じたのは、かつてドラキュラ役で一世を風靡し、私たちを怖がらせてくれたクリストファー・リーであった。
 続けて、

「主人の死後、14年間にわたってその墓を守り続けた忠犬・ホビーと、ホビーが大好きな少年の物語。19世紀に実在したテリア犬に魅力的な少年を架空の人物として配し、少年と犬の交流を描く」

 とあった。
 つまり、犬の話は、どこからどこまでかは分からないが、事実だが、仲良しの少年は、フィクションなのである(苦笑)。
 ちなみに、DVDがあるのだが、
『ぼくとボビーの大逆転』
 と改題されている。
 もちろん、中身は『ユアン少年と小さな英雄』である。
 それでも、イギリス版、忠犬ハチ公のこの映画、家族で見て、互いに心伸びやかになるひと時を過ごすには、もってこいの良い映画である。


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