■チェルノブイリでは、事故後、多くの奇形児や奇形動植物が確認されている

 
世田谷区弦巻の歩道の高濃度の放射線問題は、隣接する民家に放置されていた瓶に入れられた
「ラジウム226」
 によるものだった、ということで一件落着したが、一方では、14日に、横浜ではさらに恐怖の放射性物質「スロンチウム」による汚染箇所が二か所発見された。
 安穏としてはいられない。

 さて、低線量の放射線被曝の怖さが、まるで認識されていなので、ここで、専門外の私なのだが、専門家の著書などから要約して紹介させて頂く。
 チェルノブイリでは、事故後、多くの奇形児や奇形動植物が確認されている。
 原因は、体内被曝により、変形したDNAが奇形をもたらしたのである。
 その事実は、たとえば、ブログ『日々雑感』に掲載されている
「【写真画像】チェルノブイリの放射能の影響を受け生まれてきた子供たち映像動画【奇形児】」(2011年05月22日)
 を是非ご一見頂きたい。
 ただし、紹介されているのは、肉眼で見てそれと分かる奇形児である。頭とほぼ同じ大きさのこぶが首や臀部に出来ていたり、両足や手が醜く変形していたり…、奇形は、内臓や脳などにもあるはずだ。
 我が家では、子どもたちにも半強制的に見せたが、さすがにゾッとしていた(苦笑)。


■「痛いよーっ」「苦しいよーっ」「寒いよーっ」「助けて~っ」

 マスコミには、作為があることを知らなければならない。
 たとえば、3.11の東北大震災では、テレビでは、津波が押し寄せるシーンや悲惨な瓦礫の山を映し出した。だが、瓦礫に混じった死体は写さないのである。
 もちろん、地元の人たちは、目にしているものだ。
 その悲惨な地獄のような光景についても、地元の人たちの証言は、電波に乗ることはない。
 私が
「うーん」
 と絶句したピソードがある(悲)。
 3・11の地震と津波で生き残った人たちの証言である。
 夜になって、真っ暗闇の中、瓦礫の山と化したそこかしこから、うめき声が漏れ聞こえてきたという。
「痛いよーっ」
「苦しいよーっ」
「寒いよーっ」
「助けて~っ」
 瓦礫の中に取り残された人たちの声である。
 あちらこちらに、火事も見えたと言う。
 真っ暗闇の中、着の身着のままの身一つで、割れたガラスや鉄骨や廃材の山と化したところへ助けに行けるはずもない。
 夜が明けたとき、もううめき声はなく、シーンと静まり返っていたという。
 3月とはいえ、東北の夜の寒さは半端ではない。
 身体は濡れているし、寒さで凍死してしまったのである(・・・)。


■原爆による放射性物質の残存量は1年経つと約1000分の1に低下するが、原発からの放射性汚染物質は10分の1くらいにしか減らない

 
放射能のことに話を戻す。
 東京大学先端科学研究技術センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦氏は、内部被曝問題についての研究を最も熱心にやって来られた方で、低線量の放射線被曝によってガンになっていく過程について、ご著書『内部被曝の真実』に説いておられるというが、以下、その要点のみを、ブログ
『原発無人列島』
「低線量の被曝でなぜガンになるのか(1) 児玉龍彦氏」
「低線量の被曝でなぜガンになるのか(2)」
 から、多少補足させて頂きながら、引用掲載させて頂く。

「専門家は線量の〈総量〉を見るが、東電も政府も、今回の福島原発事故の総量がどれくらいか、全く報告していない。
 計算によると、熱量という観点では、今回の福島原発事故の場合、広島原爆の29.6倍相当が、ウラン換算では20個分が漏出した。
 大問題なのは、原爆による放射性物質の残存量は1年経つと約1000分の1に低下するが、原発からの放射性汚染物質は10分の1くらいにしか減らないことだ。」


■低線量被曝が長期的に続いた場合、慢性炎症という状態になり、ガンや病気の原因になる

 引き続き、児玉龍彦教授の低線量の放射線被ばくによるガン化の話である。

「ガンは、放射線がDNAを切断することから起きる。二重らせん構造で2本の鎖から出来ているDNAは、二重らせん状態のときは安定しているが、細胞分裂を行うときには、二重らせんがほどけて1本ずつとなり、しかもそれぞれが2倍になって合計4本となる。
 実は、この鎖が1本になる過程が、切れやすく危険である。
 切れると、遺伝子情報が正しくコピーされないというリスクが急激に高くなり、遺伝子変異が発生するので、幼児や胎児など、細胞の増殖がさかんな世代ほど危険性が大きくなるのはこうした理由からだ。
 大人の場合は、髪の毛、白血球、腸管上皮など、増殖や分裂のさかんな細胞に影響を受ける。
 放射線がDNAを切断することにより、最初の遺伝子変異が起こったと仮定する。
 これだけではガン化はしないが、20年ほどかかって2個目以上の変異を起こすとガン化する
 最初の遺伝子変異では、どちらかといえば増殖性の変化が起こる。
〈ホルミシス効果(ある線量以下であれば細胞は反応してもよい結果しか出ないという説)〉 
 という学説は、この部分だけに焦点をあてているに過ぎない。
 チェルノブイリ原発事故で尿路系に集まるセシウム線量について、500例以上の症例を調査した医師の報告によると、尿中のセシウム線量が微量にも関わらず、増殖性の前ガン状態のp38などといったシグナル分子活性化されていた。
 放射線を細胞にあてると、こういったシグナル分子が活性化し、短期的にはさまざまな効果があるようだが、問題は、こういう状態が短期ではなく、長期的に続くと
〈慢性炎症〉
 と呼ばれる状態になり、これがガンの前提条件になったり、さまざまな病気の原因になる。」

 つまり、低線量の放射線であっても、DNAを傷つけてしまい、内部被曝の場合などのように、低線量被曝が長期的に続いた場合、慢性炎症という状態になり、ガンや病気の原因になる、というのである。

 砂糖を摂取すると、そのときには、血糖値が上がってみるみる元気になるが、砂糖を長年摂取し続けると、
「低血糖症」 
 という状態になり、慢性疲労の症状を呈し、ありとあらゆる病気の原因になるのとよく似ているメカニズムである。
 ちなみに、低血糖症の症状は、以下である。

・ボーッとする
・集中力がなくなる
・落ち着きがなくなる
・無気力になる

 無気力になるうつ病や、その逆の、子どもの落ち着きの無さは、甘いもの(菓子類や炭酸ドリンク)の採り過ぎも原因しているようだ。

 長くなったので、続きは次回にでも・・・。


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