■「主演のジージャーの技のキレ、スピード、人間離れした跳躍力と安定感。全てに於いてパーフェクトな動き」

 4日(日)である。
 朝起きたら、仕事をしている夢を見ていた。具体的にいえば、新著の「注」の校正をしている夢なのである(苦笑)。
 実際に、床につくまで「注」の校正をしていたので、これには驚いた。
 とはいえ、眠った気がしないので、気分転換をする。
 最近、見たくて仕方が無かった映画を、有りがたいことにケーブルTVで放映してくれたので、録画しておいたその映画を見ることにしたのだ。
 その映画というのは、
『チョコレート・ファイター』(92分)
 である。
「何それ?」
 と言われそうなタイトルだが、こんなにワクワクハラハラドキドキしてみた映画は、久々のことだった。
 どんな映画かというと、ひとことでいえば、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画のようなカンフー・アクションの、格闘技ものである。
 それも、そんじょそこらのアクションものではない。
「スタント無し」
「ワイヤー無し」
「CG無し」
 
の、本当に殴り合い、蹴り合いをやっている、壮絶なアクション映画なのである。
 さらには、最初から最後まで、アクション・シーンの連続で
「凄い!」
 としか言いようがない。
DVDや録画だからいいようなものの、これ映画館で見ていたら、たとえもよおしたとしてもおちおちトイレにも行けない。
 ラストシーンで、メイキングを見せてくれるのだが、まさしくケガ人続出で、主役も含めて出演者たちは身体を張って命がけで作った映画なのだ。
 アマゾンのDVDのカスタマー・レビューは、なんと68件もある。それも、そのうちの50件が星4~5という高評価である。
 そのアマゾンにあるドドンゴ氏のカスタマー・レビューには、

「主演のジージャーの技のキレ、スピード、人間離れした跳躍力と安定感。全てに於いてパーフェクトな動き。 その魅力を余す事なく引き立てる敵役&エキストラ。 父親役の阿部寛の抑えた演技も良く、主人公の幼なじみ、母親役や母親の元恋人役といった助演陣の魅力も素晴らしい。・・・(中略)・・・アンジェリーナ・ジョリーが観て、この作品のアクショントレーナーを呼び寄せたというのも無理からぬ話です」

 とあったが、観終わって、納得。
 映画づくりへ向けての情熱もひしひしと伝わってきた。
 私のようなモノ書きはもちろん、物作りにかかわっている人は、おおいに刺激を受けること間違いなしである。



■ジージャーは、この映画のために、カンフーやムエタイを学ぶべく、なんと4年間猛特訓し、さらに撮影に2年間かけた。

 監督はのプラッチャヤー・ピンゲーオ監督。
 2008年にタイで製作されたこの映画は、タイで大ヒットを記録し、世界で注目を集めた。
 ストーリーをおおざっぱにいえば、タイのマフィアと日本のやくざとの抗争である。主人公は、タイ人の女性と日本人のやくざとの間に生まれた女の子・ゼン(禅)である。それも、この主人公は、知的障害者なのだ。
 演じるのは、元・テコンドー選手のジージャー・ヤーニン(27歳)。
 ジェット・リー、アンジェリーナ・ジョリー、ジャッキー・チェン、女優カレン・モクに憧れる可愛い小柄な女の子である。
 フル・ネームは、ジージャー・ヤーニン・ウィサミタナン(JiJa Yanin Vismitananda)といい、 1984年3月31日に、タイ・バンコクに生まれている。
 幼い頃は体が弱く、体力をつけるために11才でテコンドーを習い始め、12才で黒帯を取得、14才でインストラクターになっている。1996年のバンコク・ユース・テコンドー大会では金メダルに輝き、翌97年には、国家が育成するテコンドー強化選手にも選ばれている。
 高校3年生の時、パンナー・リットグライ監督のアクション映画『七人のマッハ!!!!!!!』のオーディションを受ける。そこで同映画のプロデューサーを担当していたプラッチャヤー・ピンゲーオに見いだされたジージャーは彼の監督作品である『チョコレート・ファイター』の主役に抜擢されたという。
 ジージャーは、この映画のために、カンフーやムエタイを学ぶべく、なんと4年間猛特訓し、さらに撮影に2年間かけたという。
 そのときのことを、ジージャーは、こう語っている。

「最初の2カ月は、午前中はムエタイのレッスンで午後は体の動きを良くするジムのトレーニング。だんだんとレベルを上げていって、しばらくしてスタントと絡んだレッスンに入り、最終的には武器を使ったトレーニングをしました。でもこれは、撮影以前の話(笑)。四角い部屋のなかで来る日も来る日もトレーニングをしていて、さすがにへこんだりうんざりしたときもありましたね。でもそんなときは、1、2日お休みをもらって、友人とショッピングしたり海に遊びに行ったり。それでも、ふっと仕事のことを思い出しちゃうんですよね(笑)。最後までやり通さなくちゃ、って」(「TOKYO HEADLINE」〈 “ジージャー” ヤーニン・ウィサミタナン〉)

 日本人やくざを演じるのは、監督からのラブ・コールで出演したという阿部寛
 いい演技、いいアクションであった。
正直、阿部寛を見直した。



■「この仕事を選んだ大きな理由は、テコンドーの収入では家族を養うことはできなかったから。ちょうどそのころ父を亡くして、私も家族を支えなければと思ったんです」

 難をひとつ言うと、怪我しているはずの相手役たちが、なかなか倒れないし、元気なのだ。
「なんで、怪我しているはずなのに、こんなに元気なの。お父さん」 
 と息子・龍明。
  私も、そう思わないではいられなかった(苦笑)。
 ついでながら、以下、ジージャーのコメントである。

「この仕事を選んだ大きな理由は、テコンドーの収入では家族を養うことはできなかったから。ちょうどそのころ父を亡くして、私も家族を支えなければと思ったんです。だから実は私は、以前からアクションスターになろう、と考えていたわけではなかったんですよね。ここまで来るなんて、自分でも思っていなかったし(笑)。しっかりした仕事について収入を得て、家族を養えることができればいい、と思っていたから。4年間のトレーニングや撮影のときにも
“アクション女優になるんだ”
 という思いよりも、今チャンスを与えられたことにこたえたい、という思いでした。ここで頑張れば、きっと未来に道が開けてくる、と思って」(同上)


「台本を見たとき私にこんなことができるだろうか、って思いましたよ。もう、全部のアクションシーンで(笑)。とくにクライマックスの、4階建ての建物でのアクションシーン。
 実は私、高いところが苦手で、このときすごく怖かったんです! 結果、スタントの仲間たちや先生がすぐそばにいてくれたし、安全対策もきちんとしてもらっていたので、思い切って演技することができましたけどね。チームがいてくれれば怖くはないです…そんなには(笑)。最終的にはすべてのシーンをこなすことができたんだけれど、これはチームの力があってこそ。私一人では何もできませんでした」(同上)



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