いらっしゃいませ
メープル☆のにようこそ
こんにちは
今日も夏を思わせるお天気ですね

先日の御嶽山の突然の噴火には驚きました
そしてまだまだ安否不明の方々もいらっしゃる模様。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り致しますとともに
まだ山頂に取り残されている方々が一刻も速く下山出来ますように
そして救助に向かわれる方々もどうぞご無事にと祈らずにはおれません。

閑話休題
今日は題名通り、お月様のお話ではなく。。。
先日(と言っても、もう1週間以上たってしまいましたが)
2014年9月20日(土)21日(日) 大阪、森ノ宮ピロティホール
舞台「ヒストリーボーイズ」大阪公演

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を、観劇してきたのでその感想やら覚書をつらつらと記しておきたいと思います。
ご覧になって無い方には???だと思うのでここでスルーなさってください(^_^;)

さらに言えば
あくまでもわたくしのあいまいな記憶と勝手な解釈と感想なので
もし舞台をご覧になった方で、それ違うよ~!と思われた方がいらしても。。御容赦くださいませm(__)m
(と、先に謝っておくっ!)

まずは、あらすじを(パンフレットより)
1980年代の英国。高校の進学クラスで学ぶ8人は、名門のオックスフォード大学やケンブリッジ大学を目指して受験勉強のまっ最中。ところが、一風変わった老教師へクターは、生徒らを型どおりのつまらない人間に成長させないため、歌や詩、演技などを使った個性的な授業を行っていた。そんな中、校長はオックスフォード大学卒の若い臨時教師アーウィンを迎え、他の授業の時間を削減させて、アーウィンによる徹底した受験指導を行うようになる。それは、へクターの遊び心に満ちた授業とは正反対のものだった。

「所詮、歴史なんてクソの連続だ」そう言い放つユニークで聡明な8人が青春を謳歌しつつ辿りつく先は果たして。。。


思い出せる限り、舞台の様子や感じたことを残しておきたい!!って言う覚書
(もうすでにかなりな部分が記憶から抜け落ちてる気がしますが)

☆第一幕☆

舞台真ん中にスポットライトを浴びながら電動車椅子をあやつって登場するアーウィン先生(中村倫也さん)
彼が語り始めた話は内容からすると「先生」の発言ではなく。。。
政治家の発言?!
あれ?どうして?
そして話の流れから彼が臨時教師をしていた時の回想へと。。。


(演出)舞台は三方の壁に囲まれた空間
下手の端に一台のアップライトピアノとピアノ椅子、下手奥には数脚の椅子のみが置いてある。

そこにバラバラと学生たちが登場。
正面奥の観音扉が開き、へクター先生(浅野和之さん)が大型バイクで登場。
へクター先生を取り囲んで楽しげに騒ぐ生徒たち。
へクター先生がバイクの後ろに乗せて帰る生徒を誘う。
ポズナー(太賀さん)が手を挙げるがスルリとかわされ、スクリップス(橋本淳さん)が意味深な言葉を残してへクター先生と一緒に去っていく。

(演出)三方の壁にライトをあてて、光と影だけで色んな場面を浮かび上がらせる凄さ!
例えば、窓枠の数で「教室」 扉や窓の感じで「教員室や校長室」 木陰を思わせる影で「下校時の田舎道」 「街中の雑踏」 「試験会場」など

校庭の隅っこにたたずむアーウィン先生。
目ざといスクリップスが一番に見つけた。
校長室で話し合うアーウィン先生と校長(安原義人さん)
校長は言わば俗人。自分の立場を守ることが大切。学校の成績を上げることのみが大切。
教育者というより経営者。
出身大学がハル大(ランキング的にかなり低い)なのでオックスフォード大卒業のアーウィン先生に大きく期待をし激励する。

へクター先生の「一般教養」授業。
授業開始前にはデイキンがエロ写真雑誌を持ち込み、思春期の青年たちは関心を抱き騒ぐ。
(宗教に傾倒するスクリップスとデイキンを好きなポズナーを除いて)

言葉を習得するための早道は、エッチな言葉を使い実技を絡めて覚えること!
と、いう通説?!を実践すべくフランス語のみの会話劇がスタート。
娼婦館を訪ねた老人役のデイキン(松坂桃李さん)
館の案内人の指示でズボンを脱ぎ、ブリーフ姿で娼婦役のティムズ(Spiさん)と卑猥な会話を交わしながら演技をし、周りでへクター先生や生徒たちがワイワイと盛り上げる。
突然、その教室に校長とアーウィン先生が入ってきたからみんなは大慌て。
とっさに、ズボンを脱いでいるのは傷病兵で取り囲むのは看護師たち!というシチュエーションのフランス語会話劇だと説明し、その場を切り抜けるへクター先生と生徒たち。
聡いアーウィン先生は何やらいかがわしさを感づいている様子。

(演出)フランス語での主な会話内容は翻訳されて壁に投影されるので理解できる。
でないとこのシーンはちんぷんかんぷん。それにしてもみなさん流暢にフランス語を使われてました。。。たぶん(^_^;)

アーウィン先生の歴史の授業
生徒たちに歴史学の課題を出し、レポートを提出させるが。。。
「つまらない!」「これは何だ!」「話にならない!」
成績優秀なデイキンには「最もつまらない解答だ!」とレポートを突き返す。
プライドを傷つけられたデイキンはとても悔しそうな顔でアーウィン先生をにらみつける。

(演出)舞台の床一面に敷きつめられた大きな紙。
それを生徒たちが裂いて色んなものに使う演出がとても、とても印象的で秀逸!!
床の紙をやぶって、それをある時はテスト用紙のように、ある時はレポート用紙のようにアーウィン先生に手渡す。また生徒が床に伏せ、そこに何かを記入する動作でノートをとる授業風景を表わす。

アーウィン先生の授業は“受験術”を生徒に教え込むもの。
彼は堂々と生徒の文句にもひるむこと無く言い放つ。
「(歴史上の)事実は重要ではない」「間違った切り口から入れ」「あまのじゃくになれ」
「解答にはパフォーマンスが必要でありエンターテインメントの要素がなければ、試験官に読んでもらえず、好印象も持ってもらえず、受験に勝ち残れない!」と。
生徒たちがアーウィン先生のやり方に戸惑い、へクター先生の授業時のように言葉遊びを始め、デイキンがポズナーをからかうとアーウィン先生は特にデイキンに冷たく言う。
「人をからかうのはよせ!そんな暇なんて、受験前の君には無いだろう?」

(演出)先生や生徒の口から英国の大学名や有名作家、哲学者、詩人やミュージシャン、その人たちの作品、内容がポンポンと飛び出してくる。
わたくしにも少しは分かる人がいるけれど、並びたてられるととても難解な印象!
英国通ならば知ってて当然な人や作品かもしれないけれど。

放課後、親友のスクリップスと、なるべくデイキンの側に居たいポズナーに(わざと聴かせるように)デイキンは言う。
「あいつのこと。。好きになってきた!アーウィン先生は僕を嫌いだろうけどさ」
そしてこうも言う。
「何を隠そう僕は校長の秘書のフィオナと付き合っている!最後まで。。陥落させるのも時間の問題だな」

ポズナーはデイキンが好きだ。(クラスの全員が知っている)
ずっと見つめているからデイキンの身体的なことも、心の動きも、色んなことに気がついている。
デイキンが居なくなってからポズナーはスクリップスに言う。
「あ~聴きたくないんだ、あんな話!でも彼の語ることは何も聴き逃したくない!」と。。。
そしてデイキンをずっと見ているポズナーには分かっていた。
アーウィン先生もデイキンを熱く見ていることが。

職員室でリントット先生から声をかけられるアーウィン先生。
登場人物唯一の女性教師リントット(ドロシー・鷲尾真知子さん)は歴史学の基礎知識を忠実に生徒たちに指導する立場を守り抜く。
愚直なラッジ(小柳心さん)には特に優しく声をかける。
堅実で誠実に母のような心持で生徒たちを指導する。

「慣れたかしら?もうあだ名はつけられて?私はドロシー。へクターはへクターっていうのがあだ名なの」
「は?あだ名ですか?いや、まだ。。でもある生徒から悩み相談は受けました」
「あら!生徒から相談されたの?信頼されてるのね」

アーウィン先生が相談を持ちかけられたのはポズナーからだった。
ポズナーは思い切り叫ぶ。
「僕はユダヤ人だ!そして僕はホモだ!デイキンが好きだ!オックスリッジ(オックスフォード大学やケンブリッジ大学)に入れればデイキンも僕を見直してくれるでしょうか?この気持ちは今だけのものでしょうか?」
アーウィン先生にはあいまいな返事しか返せなかった。
「きっと今だけの感情だよ、ポズナー。大学に入学すれば、また気持ちも変わっていくさ。」

(演出)ストーリートテラーでありピアノ奏者であるスクリップスの口から、色んな場面の状況やポズナーの気持ちが語られる。

デイキンは言う。
「本は読めば読むほど、文学って負け犬のことが書かれているね。どんなに喜びをうたいあげていても、書かれた時にはそれは終わっていて、なぐさめや悲しみでしかない」
まるでアーウィン先生の切り口が身についてきているデイキンがいた。
「教育とは今だけのものであり、教養とはより完成された人間になるためのもの。人生は続くのだから。」とするへクター先生とは相反する考え方。

ポズナーがなぜへクター先生ではなくアーウィン先生に相談したのか?
アーウィン先生のデイキンへの気持ちを知っていたから。
文学や詩人の文章をただ引用して説明するへクター先生ではなく、デイキンを好きでいる仲間としてのアドバイスが欲しかったのではないか?

この後へクター先生の生徒への悪戯が公になり。。
彼は自分の授業時間削減を申し渡されることになる。

<幕間休憩>

第二幕に続きます。。。たぶん。。。近いうちに(^_^;)