交通犯罪で息子さんを亡くしたお母さんが以下のような意見を述べておられます。

 【弁護士さんやご遺族の中には、危険運転を廃止して過失運転の法定刑を大幅に引き上げあげてはどうかというご意見もあります。

 これは、過失運転と危険運転の一本化ということだと思いますが、その場合、例えば罪名を、自動車運転致死傷罪 等として、「過失」という言葉を取り除いてもらいたいと思いました。

 私個人は、交通ルールを守っていた人が命を奪われるような事案は、基本的に過失の域では無いと思っています。運転免許は、道路を安全に運転する技量と知識を持つ者に発行さられた国家資格です。その免許を取得した人が、交通規則を守らなければ、人の命を奪う危険が高いことを承知のうえで、自分の意思で交通規則を守らず、その結果罪の無い人を死傷させているのに、何故過失なのだろうと思っています。

 故意と過失を線引きすること自体、難しいことだと思うのですが、例えば、被害者が道路に寝ていて避けようがなかったような事案は、過失だと思いますが、自分の意思で交通規則を遵守せず、人を死傷させるような事案については、過失で裁かれることに違和感を覚えます。】

 この人の言われる「過失」は、これまで裁判所や実務で「過失」と言われてきたものとは違って、おそらく不可抗力の場合、つまり通常の注意を払っても防止できない外部の障害が発生した場合を言われているように思えます。このように捉えると、確かに「自分の意思で交通規則を遵守せず、人を死傷させるような事案」は過失犯ではないことになります。