希が1才になった年末。

結婚して5年。私達夫婦は毎年12/31の夕飯は、ちょっと高級なお肉ですき焼きを食べるのが恒例行事となっていた。
その年は初めて3人で囲むすき焼きに私も旦那もちょっと浮かれていた。

もちろん、ノゾミにとって劇薬のタマゴには最新の注意を払いながら…。





しかし、私達大人が食べ始めてわずか2,3分、ノゾミは目をしきりに掻きはじめ、喉を掻き毟り、次第に咳き込みはじめた。




えっ⁉️なんで?

だってノゾミはこの時点でまだ何も食べていない



でも目の前で起こっているそれは、正にアナフィラキーの症状だった…。




みるみる目や顔が腫れ上がる

そして紫から白へと変わるその身体…。





急いで救急車を呼び、病院へ…。




幸い、今回は私に知識があった為、救急隊員の処置が早く、彼はすぐに意識を取り戻し大事には至らなかった。






原因は何だったのか?




原因は意外なところにあった。




それは『タマゴの蒸気』





私が鍋から取った熱々の具材をタマゴ液の中に着けた時にわずかに上がった湯気

その中にタマゴが蒸発した物が混ざっていて、それをノゾミが吸ったのが原因だった…。




直接口にしなくてもこんなになるなんて…



これがアナフィラキーの一番怖いところかもしれない






それ以降10年、タマゴは我が家から完全に姿を消し、冷蔵庫のタマゴポケットは調味料置場に変わった。






そして私たち家族3人は初めての年越しを病院で迎えたのだった…。