翌日の起床は朝5時。
今回のメインイベントであるアラスカ鉄道~フィヨルドクルーズの日だ。
5時半には宿を出て、歩いてアンカレジ駅に向かった。
夏の朝は緑の匂いが濃い。
駅に着くと、早朝だというのにそこには既に多くの観光客が集まっていた。
窓口でバウチャーとチケットを交換し、スタンドでホットココアを飲みながら出発を待った。
外に出ると、朝のひんやりとした空気が気持ちいい。
出発の15分ほど前に列車が入線してきた。
青と黄色の配色が客車によく映えている。
列車を前にして自然と心も浮き立つ。
人の流れに乗ってホームへと出て(といっても日本のホームのように電車の乗降口合わせた高さのプラットホームがあるわけではなく、ただ改札を抜けた向こう側をホームと呼ぶだけだが)写真を撮った。
今回乗った車両はGold Classという1等車だった(Gold Classになったのは、普通車両が満席で取れなかっただけだけど)だけあって、その設備や眺望は素晴らしかった。
これについては写真をご覧頂くのが一番早いと思う。
こんな車両初めて!
本当はUSD80も余計に払ってGold Classに乗る価値なんてあるのかなぁと懐疑的だったけれど、結果としてこの選択は大正解だった。
車両は2階建てで、1階にはその車両に乗っている人専用の食堂車があり、2階は客席と展望デッキ、それとフリーのバーカウンターが用意されていた。さすが。
目的地のスワードまではアンカレジから約4時間。
車で行けば2時間半ほどで着くそうだが、これは観光列車なので途中の景観を楽しむために、時間をかけてゆっくりと進む。
旅行に来たんだから慌てずゆっくり行きましょう。
アンカレジは海に面した港町なのだが、その海岸線の様子は日本とまるで違う。
普通、海岸線というと砂浜や岩の海岸線を思い浮かべるものだが、ここでは海岸線が泥で灰色に覆われている。
海水も岸近くでは溶けた泥炭質で、コンクリートを溶かしたようなねずみ色になっている。
泥に覆われた海岸は、やはり海水浴には不向きなようで、ところどころに「底なし危険」(実際はもっと違っていたけど)の看板が立っていた。