ベネチア夜編
夜のマルコポーロ駅は、人通りも少なく閑散としていて、ただ霧の中に静かに明かりを放っていた。
なんといってもここでの主役は船。
車でもバスでも自転車でもなく、もちろん列車でもない。
何年か前のベネチアを訪れた際は、駅を出ると目の前には運河しかなく、これが水の都ベネチアか、と感動したのを思い出す。
ある橋の上から眺めた運河。
夕食を食べたトラットリアの外観。
運河に面していると、それだけで雰囲気がいい。
夜と霧と光の組み合わせは、だいたいの場合「幻想的」という感想につながる。
これはボキャブラリーの貧困さや、ただ短絡的な発想によるものではなく、親を失った子犬をかわいそうと思うことや、ブリリアントカットの輝きを美しいと思うことと近い感覚のような気がする。
この運河の風景も、幻想的だった。
今回宿泊したホテルは、値段のわりにとても内装がきれいだった。
マルコポーロ駅からも近く、部屋も綺麗で朝食もおいしく、言うことなし!