幼稚園にはママが参加する行事が色々ある。朝行ったと思ったらすぐ帰ってきてしまう日もある。

ある日、ママさん達がランチを作って、園児達が皆んなで食べる日。調理の係ではなかったけれど娘と一緒に参加した。メニューはパンとスープと何か忘れてしまったけれど… 兎にも角にも息子が食べられるものはパンだけ。先生に確認して、おにぎりを持参した。

案の定、息子が食べれないと知ると、「食べないの?美味しいよ」とママさん達。悪気はないのは分かるけど…ちょっと傷つく。

いただきますのご挨拶。息子も含めた何人かが壇上に立つ。皆んなは3歳からやっているから、長い言葉も言えるけど、息子はこの前入園したばかりだから… と自分に言い聞かせてみても、やっぱり他の子と比べてこんなにも出来ないのかと凹む。ニコニコの笑顔で席に戻ってきた息子に、よく出来たね!と笑顔を作るのが辛かった。

食べ終えて、遊びの時間。息子はブロックで遊んでいる男の子達に混じって何かを作り始めた。男の子達は各々の飛行機を作って飛ばすように歩いていく。息子はブロックを幾つか席に持って来て、娘や私に助けを求めた。3人で形を作ると、息子は大好きなゾウの形のブロックを中央に乗せた。とても可愛いらしい。可愛らしいけれど、他の子の飛行機にはゾウさんなんて乗ってなくて、もっと飛行機らしくって、もっと上手で…

そのゾウさんの飛行機を手に、息子は男の子達の方へ歩いていく。娘が「皆んなに見せたいんじゃない?」と言う。

男の子達についていく息子に、一番背の高い男の子が言った。「(息子の名前)くんのはさ、ちょっと違うよね笑」聞こえなかったふりをしたがしっかり聞こえた。同い年の子も気づいてしまっているのだろうか。息子は皆んなとはちょっと違うと思われているのだろうか。そんな不安がどっと押し寄せてくる。

そんな私の横で娘が、「楽しそうだね」と息子を眺めて笑う。ウルっとしてしまいそうだった。優しい娘。娘も私と同じだけ息子を見てきた。今この一瞬、私は娘と同じ場所で、違う景色を見ていた事を反省した。私は息子と他の子を比べに来た訳ではない。息子が楽しんでいる姿を見に来た。

そうだよね、楽しそうだよね、息子。幼稚園はてっても楽しそう。

ありがとう娘。