一昨日、プラハで
トンカツ屋さんを
始めようとして
断念した話を書かせていただきました。
https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12767386283.html
↑こちらの記事です。
アニメ、絵本、商品化の権利の交渉で
チェコにはいつも行っているのですが、
何度も行けば、
チェコの民族性、価値観、
どういうことにお金をかけるのか、
どういったことで喜びを感じるのか、
何に困っているのか、
いろいろわかってくることがあります。
その中で
「何か面白いビジネスないかなあ。」と
いつも考えています。
その中で出てきたのが
”トンカツ屋さん”なのですが、
一昨日の記事のように
なかなか厳しい結果になりました。
そもそも
チェコでトンカツ屋さんが
ない理由は
”日本料理をしてもメジャー感”が
まだ不足している感じです。
日本の料理として
知られているのは
”寿司”
”天ぷら”
”そば”
”ラーメン”（ラーメンは日本料理として認識が高いようです。）
”うどん”
こういったものが
よく知られていて
”トンカツ”というのは
チェコではまだまだ知名度が十分でないようです。
プラハで日本の料理を扱う場合、
チェコ人対象ではなく、
プラハに住む
外国人が対象のようです。
チェコの人は、
今は変わっているかもしれませんが、
当時は”外食する習慣”があまりなく、
プラハ在住の
外国人が
レストランのターゲット層のようでした。
そうすると、
”ワールドワイド”に著名な日本の料理でないと、
なかなか難しいのかな、と思いました。
実際、トンカツレストランをプラハで始めるなら、
”日本と言えば、トンカツ”という
イメージを作るのが必須で、
それには時間がかかるので
忍耐が必要なビジネスだったのかな、と
思います。
ただ、ソースは
なんとか、ならないかな、と考えました。
どういうことかと言いますと、
日本のトンカツソースと、ウスターソースは
どこでも、美味しく思ってもらえるんじゃないかと思ったのです。
つまりチェコのスーパーマーケットなどの
商品売り場で
販売できないかな、と思ったのです。
日本のメーカーからソースを仕入れて
チェコの流通に乗せられないかなあ、と考えたのです。
そんな時、日本人で日本のある商社に勤める
日本の食品メーカーからの仕入れの話ができる、という人が
現れたので、その人を通して、
仕入れることができるなら、
あとは、どうやって
チェコの流通に乗せるかだけだな、と考えました。
でも、せっかくやるなら
ソースだけでなく、
いろんな食品を
チェコで流通させられないかな、と
考えました。
それまで私は
チェコの人に色々な日本の食品を
試してもらっていたので、
何が受け入れられそうか、
いくつか目星がついていました。
ソースのほか、
・ふりかけ
・サラダのドレッシング
・レトルトのカレー
・カップラーメン
これらはいけるんじゃないかと
思っていました。
それで、チェコにある
大手のスーパーマーケットに
連絡をとってみましたら、
何社かが会ってくれることになりました。
日本の子供達が
ふりかけを
かけてご飯をかっこむところなどの
映像を用意したりして、
プレゼンの準備を念入りにして
チェコに行って
最初にアポを取った会社を訪問することになりました。
すると、
その会社のオフィスではなく、
あるカフェに呼び出されました。
こっちは
そのスーパーマーケットが公表している
代表の電話番号に
かけているのだから、
当然、オフィスに訪問するつもりだったのですが、
カフェに来い、とのことで
”きな臭い”雰囲気を感じました。
指定のカフェに行きますと、
３０代ぐらいのチェコ人（おそらく）の男性が
私に気づいて声をかけてきました。
（日本人だったので、わかりやすかったのでしょう。）
それで
挨拶で
名刺交換をしようとしましたら、
私の名刺だけ受け取って、
相手は
自分の名刺は出そうとしませんでした。
すると、いきなり
「本部長を紹介するのでそこで
交渉して欲しい。
その手数料５千コルナ（約２万円〜２万５千円）
払って欲しい。
このブログをずっとお読みいただいている方は
ピンとこられたかもしれません。
いきなり前金と
して”２〜３万円”ぐらいの金額を要求してくるのは
”詐欺師の手口”と
以前のブログで書かせていただきました。
https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12766342233.html
↑その時の記事です。
ただ、会社の代表の電話番号に電話して
アポを取っているのに
”詐欺師”が登場するって
どういうことだろう？
と思いました。
でも、通訳さんの顔を見ると
「こういうことは
有り得ることだ。」という顔をされていました。
日本だと
その会社に電話をしてアポを取れたら、
疑いもなく、その会社の人と
お話ができると、思いがちかもしれませんが、
チェコでは
そんなきっちりした”セキュリティ”は
ないのかもしれません。
私が日本以外の国で
痛感するのは
”個人主義”の場合が多く、
会社員であっても
独断の判断で物事を進む人が
結構いるんだな、と感じる場面が多いです。
何か社員が問題が起こすと
日本だと、
”会社の責任”になることが通常だと思うのですが、
海外だと、
「そいつが勝手にやったことだ。
我々には関係ない。」と主張されるケースが多いようです。
今回に関しては、
おそらく、カフェで
待ち合わせをしていた
人物は私たちが連絡をした企業の一員なのかもしれません。
そして、実際、彼が電話を取って
私たちをアポを取ったのでしょう。
でも、それを上司に伝えず、
日本人から”小銭を稼ごう”と思い、
我々とアポを取ったのだろうと
推察しました。
だいたい、会社の上司に会うのに
なんで”手数料”が必要なのでしょう。
この時点で、すでに”怪しさ満々”です。
こうなったら
”腹の探り合い”の話し合いになります…
私「手数料の前に
そちらの部長は
我々の要望に対し、
なんと言っているんだ？」
男「それは、部長と話をして欲しい。
まずは５０００コルナ払ってくれ。」
私「我々は元々御社とは懇意にしている。
（嘘です。）
部長のことも知っているかもしれない。
部長の名前を教えて欲しい。」
男「（少したじろいで）それはできない。
上司の名前は簡単には伝えられない。」
私「では、あなたの名前を教えて欲しい。
名刺をもらっていないが…」
男「交渉すべきは上司なのだから、
私が名刺を渡すことに意味はない。」
ここで新しい仮説が
私の中に生まれました。
おそらく、彼は
この会社の社員ではないのかもしれません。
会社の誰かの家族か親戚で
単にお手伝いに来ているだけの来ている人物
のような気がしました。
大手の企業でそんなことがあり得るのか、
と思われがちですが、
以前、あるチェコのアニメ監督から
聞いたことがあります。
その監督の御子息が３０歳を越えているが、
定職についておらず、困っていると
相談されたことがあります。
その時、
その息子さんは
毎日、どうしているんだ？
と尋ねましたら、
「知り合いの会社に手伝いに行っているみたいだ。」
と言いました。
私「アルバイトということでしょうか？」
その監督「いや、アルバイトというか…
お昼ご飯をご馳走になるぐらい程度かな。」
私「どんな仕事をしているんでしょうか？」
監督「主に電話番だな。
そのほか、荷物を運んだり、コピーを取ったり…
そんな感じでやってるみたいだ。」
私「その会社の一員というわけでは…」
監督「ないない！名刺とかも持っていないよ。」
……
この話を聞いていたので、
今回もそんなパターンかな、と想像がつきました。
ただ、私がアポを取ったのは
かなりの大手の企業で、そんな人物が
オフィスでうろうろできるものか、
通訳さんに聞くと
「あまり、ないと思いますが、
”全然ない話ではない”と思います。」
とのこと…。
それでカフェで待ち合わせている人物と
会話を続けました。
私「あなたの素性が確認できない以上、
手数料は払えない。
払ったとして
領収書はもらえるのだろうな？」
男「もちろんだ。」
私「領収書は会社のスタンプが押したものなんだろうな？」
男「……。」
しばらくの沈黙の後、
男「領収書を忘れたようだ。
持ってくる。」
と言って、
男はカフェから
出ていき、戻ってくることはありませんでした。
……
他にも
いくつか
アポを取っていたのですが、
どこも”似た感じ”でした…。
以上は私の目線で
書きましたが、
先方からすると
”外国人”の私に対して
警戒をしていたのかもしれませんね。
…相変わらず、”前金”を要求されるのには、
辟易しましたが…。
いずれにしても
チェコでの”飛び込み営業”の
難しさを痛感しました。
スーパーマーケットから
始めようとしたのが、間違いだったのかもしれません。
”輸入雑貨”のような店（が、プラハにあるのかどうか知りませんが…）
からスタートすべきだったのかもしれません。
相手が”欲しがっているもの”を
的確に提供しないと
こういう商談は
飛び込み営業では
難しいのかないと実感しました。
でも、結局、日本で
日本の食品メーカーから
仕入れることができると言っていた
商社の人物も、
私がチェコに行って「交渉してくるぞ」と
話が具体的になり出した頃から
連絡がだんだん取れなくなり、
最終的には音信不通になりました。
日本でも、
チェコでも
信頼できる人物を探すのは
なかなか難しいです。（苦笑）
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