チェコの人形アニメの大巨匠
イジー・トルンカの長編映画
「チェコの古代伝説」と
トルンカの遺作
「手」
カンヌでグランプリを獲って
チェコアニメの幕開けのきっかけとなった
「動物たちと山賊」
を収録したDVD
「チェコの古代伝説・手・動物たちと山賊」
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川崎市多摩区JR南武線中野島駅徒歩30秒の「チェコのアニメと絵本の店」では
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これらの作品は
作風が全く違いますが、
トルンカの人生が分かるような作品です。
チェコ共和国という国の地域は
いわゆる
ヨーロッパの
ボヘミア地方とモラヴィア地方等のことを
指すのですが、、
ボヘミアとモラヴィアに
初めて国が
出来たのは
今から
1000年以上前の
9世紀から10世紀ごろと
言われています。
この建国してから
数百年の
民族が駆け巡った歴史を
描いたトルンカの人形アニメが
ございます。
「チェコの古代伝説」(1952年/80分)
トルンカの人形からは
大地を踏みしめる民族の力強さと
時代を切り開こうとする
大いなるエネルギーと
民族のもつ尊厳が伝わります。
そして
セピア色の映像は
遥か遠い昔の伝説を
雰囲気たっぷりに描写します。
空の谷間から差す光
その影となる山々…
光輝く稲
全てのコントラストが
絵画ではなく
映像として現れ
大きな感動を呼びます…
緑あふれる自然や
野生の鳥…
地球自体の生命力を感じずにいられません。
中世の時代の息吹の鼓動が
聞こえてくるようです…
権力者が現れ…
国が乱れます
終盤のシーンが圧巻です。
残虐な侵略者が
冷たい視線で
残忍な青い炎をゆらゆらと燃やします。
チェコの臆病な支配者は逃げ隠れます。
代わりに若武者が
臆病な王の代わりに
民を率います。
戦う若武者…
……
!
!!
………
トルンカが40歳の時に
作った大叙事詩
渾身の力作であり、
トルンカの代表作の一つです。
そして
手(1965年/19分)
トルンカの”遺作”です。
この作品の発表から
4年後にトルンカはこの世を去っています。
トルンカ作品に必ず存在していた
”詩”と”ファンタジー”と”ユーモア”は
この作品にはございません。
共産時代に生きた
トルンカの命を懸けた”最後の提言”が
この作品の中にあります。
花を愛する心優しい道化師のもとに
”手”は突然現れます。
手は暴力をふるいません。
でも、いつも道化師を監視し、
”作業”を強要します。
”いつも見ているぞ”
そう思わせるような圧迫感が伝わります。
この作品は、トルンカの死後、
20年間、放送・上映を
禁止されていました。
最もトルンカらしくない作品です。
でも、間違いなくトルンカの代表作です。
1945年にプラハに初めて設立された
アニメーションスタジオ、トリックブラザーズ・スタジオ。
まったくアニメの経験がないプラハのスタジオは
絵本の挿絵画家であり、
人形劇用の人形作りの職人として
名を馳せていた
イジー・トルンカを責任者として任命しました。
まったくアニメの経験のない
トルンカ率いるプラハのアニメーションチームでしたが、
戦時中、許されなかった創作が
できる喜びにあふれ
”アニメ”という経験のない分野に対しても
大きな情熱をもって取り組みました。
そして誕生したのが…
戦後できたプラハのスタジオが
アニメの制作をするにあたり
意識したのが
当時すでに隆盛を誇っていた
”ディズニー作品”でした。
ディズニー作品に負けないアニメを
目標にトルンカとスタッフは
アニメ制作に没頭しました。
真夜中から夜明けにかけての静けさと
朝を迎えるさわやかさを描いたこの作品は
戦後初のカンヌ国際映画祭で
ディズニー作品を破って
最優秀賞を獲得しました!
チェコのアニメーションが
世界への幕を開けた作品です!
チェコアニメ伝統の
”詩的”で
”ファンタジック”で
”ユーモアたっぷり”
そして
”優しさにあふれた”作品です。
以上の3作を収録した
DVD「チェコの古代伝説・手・動物たちと山賊」