ブジェチスラフ・ポヤル傑作集~最高の芸術「りんごのお姫様」~ | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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”チェコアニメの歴史そのもの”と

呼ばれる

ブジェチスラフ・ポヤル監督(1923~2012)の

作品のDVD

”チェコアニメの歴史

ブジェチスラフ・ポヤル傑作選

~ポヤルこそ”本当のチェコアニメ”~

を3月末に発売する予定です!

 

入荷し次第、

神奈川県川崎市多摩区中野島の「チェコのアニメと絵本の店」で販売いたします。

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12355214452.html

 

チェコチェコショップでは

4月の2週目の金曜日に発売する予定です。

http://czech-czech.jp/

 

 

チェコアニメの創始者の

イジー・トルンカの片腕として

トルンカの「真夏の夜の夢」「チェコの古代伝説」など

名作の重要な役割を果たし、

1953年の監督作品

「飲みすぎた一杯」以来、

監督としてチェコアニメだけにとどまらず、

世界のアニメ界の中心人物として

注目の的でした。

 

ポヤルが新作を創るたびに

アニメの可能性が広がり、

トルンカが築き上げた

”芸術性の高いチェコアニメ”に

”楽しさ、可愛さ、面白さ、ハイテンポ”などの

エッセンスを加え

チェコアニメを”極上のエンターテイメント”に

仕上げました!

 

そんなポヤルの

代表作を集めたDVDを発売いたします!

全部で166分の大ボリューム!

それが通常の3800円(+税)

発売します!

 

収録作品を少しずつご紹介させていただいているのですが、

本日ご紹介しますのは、

 

 りんごのお姫様 (1973年/14分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ミロスラフ・シュチェパーネク

 

チェコアニメの創成期から

常に中心人物として

活躍し

2012年、人生の幕を降ろすまで

ずっと現役で活躍した

ポヤル監督…。

 

 

生前の彼に

一度、聞いたことがあります。

 

「ポヤル監督の

代表作を1つ挙げるならどれでしょうか?」

 

今から思うと愚問も愚問…

本当に失礼な質問だったかもしれません。

 

それに

ポヤル監督の代表作はたくさんございます。

 

 

圧倒的大人気の

「ふしぎな庭」シリーズ

 

世界中で大人気となった2匹のクマの騒動記

「ぼくらとあそぼう!」

 

彼の出世作であり、

世界中に衝撃を与えた

「飲みすぎた一杯」

 

一つにしぼるなんてできるのでしょうか?

 

でも、監督はずばっと応えてくれました。

 

「The Apple Maiden(りんごのお姫様)」

 

 

「私の最も力がみなぎっていたときの作品だ。」

 

戦後、チェコアニメを世界に知らしめたのは

イジー・トルンカ。

カンヌやベネツィアなどのあらゆる国際映画祭で

高い評価を受け、

”トルンカの人形アニメは芸術だ”と称されるようになりました。

その芸術性の高いにトルンカの

築いたチェコアニメに

楽しさ、面白さを加え、

”エンターテイメントを完成させた”と呼ばれたのが

 

ポヤルでした。

 

なので、

業界では

”芸術性”のトルンカ、

”面白さ”のポヤルと

カテゴライズされるようになったのですが、

ポヤルの自尊心はこの

評価を受け入れることができませんでした。

 

「芸術性でも決してトルンカに負けていない」

 

そして創り出したのが、

 

「りんごのお姫様」

 

 

リアルな”おとぎ話”の世界を

描いております。

 

チェコアニメの歴史において

トルンカの「真夏の夜の夢」と並んで

”最高の映像美”と呼ばれる作品です。

 

ポヤルが追求した

奇跡の美しさ…

 

 

何も考えず、ぜひ、ご鑑賞いただきたいです。

 

美術館のような映像…

 

トルンカが築いたもの…

ポヤルの充実期…

チェコのアニメn熟成

 

いろんな積み重ねが出来上がって

完成した

「りんごのお姫様」…

 

これこそがチェコの人形アニメです。

 

 

 

 

 



≪ブジェチスラフ・ポヤル傑作選
収録作品≫

 

 

1. 飲みすぎた一杯 (1953年/19分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術イジー・トルンカ

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12349356734.html

ポヤルの監督2作目の作品。
”人形アニメはファンタジー“というそれまでの常識を
打ち破りポヤルはこの作品の舞台を “現代”に設定し、
それまで人形アニメのタブーとされていた
スピード感と緊迫感の描写を実現し、
世界中を感嘆させ、“ポヤル”の名前は世界中に轟きました。



2. 探偵シュペイブル(1955年/22分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術イジー・トルンカ
“人形劇の国”チェコの人気No.1の人形劇
「フルヴィーネクとシュペイブル」を題材にしたお話。
いつも息子のことを心配している父親フルヴィーネクと
父親のことを子供らしい気の使い方をする息子シュペイブルとの
ユーモラスな物語をポヤルが人形アニメで表現。


3. 真夜中の大冒険 (1960年/13分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術イジー・トルンカ
詩的でファンタックで芸術性の高いこの作品こそ“ザ・チェコアニメ”。
監督ポヤル、美術イジー・トルンカのチェコアニメ史上最強タッグが
産み出したクリスマスの夜に大切な人と一緒に見るのにピッタリな作品です。


4. 快適な住まいとは?(1960年/16分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術B・シンカ、S・ピトラ
現代社会の諸問題を人形アニメの題材にしたのもポヤルが先駆者。
若い夫婦には切実な住宅問題を軽快な皮肉を交えて
ユーモラスに描いた傑作。


5.ネコのお絵描き  (1960年/13分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ミロスラフ・シュチェパーネク

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12351841107.html
実写と絵のアニメが混じった当時ではかなり珍しいアニメ。
画家のホンザとキャンバスに描いた2匹の子ネコのお話。
とっても可愛いネコたちですが、
あまりのいたずらっ子にホンザもタジタジ!



6.ネコの学校    (1961年/15分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ミロスラフ・シュチェパーネク

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12353891100.html
「ネコのお絵描き」の続編。
子ネコたちのいたずらぶりに業を煮やしたホンザは、
子ネコを学校に入れました。
…でも子ネコたちは学校で大人しく勉強するのでしょうか?
子ネコたちの仕草がリアルでとても可愛いです!
おそらく“かわいい!”というエッセンスが盛り込まれた
チェコアニメはこの「ネコのシリーズ」が最初かもしれません!


7.ビリヤード    (1961年/11分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ズデニェック・セイドル
一人の人間の怒りから他の人物への“怒りの連鎖反応”を
会社での人間関係を凝縮した構図を
“ビリヤード”に例えるポヤルの信じられない着眼点に
驚愕します。
セリフは一切ございませんが、
登場人物の”怒り“がガンガン聞こえてきます!


8.雄弁家     (1962年/11分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ズデニェック・セイドル
国際映画祭8つの受賞歴を誇るポヤルの人形アニメの大傑作。
おしゃべり好きな男が演説会の原稿作りに日夜、没頭。
そして、ついに演説会の日が…。その成果は…?
話す男の言葉と聴衆の頭や心の中の対比が、ポヤルならではの技法で描写されています。
私たちの普段の会議などの気持ちを如実に表しているかのようです。


9.小さな道化師ファンファロン(1968年/16分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術K・クレイチー
夜、道化師のファンファロンがやってくると、
眠っていたおもちゃたちはみんな集まって
ファンファロンの曲芸にわくわくします。
そして日が昇るころ、おもちゃたちは再び寝静まります。
人間の知らない人形たちの世界…。


10.りんごのお姫様 (1973年/14分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル 美術ミロスラフ・シュチェパーネク
生前、ポヤルが言っていました。
「私の力が最も漲っていたときの作品は『りんごのお姫様』だ。
世界では“芸術性のトルンカ、楽しさのポヤル”というジャンル分けを
されていたが、この作品で芸術性でも
トルンカに負けていないことが証明されたはずだ。」
ポヤルが描く“本当のおとぎ話”の世界。
どうぞ、ご堪能ください。


11.ナイトエンジェル(1986年/19分)
監督ブジェチスラフ・ポヤル ジャック・ドゥルーアン
美術ブジェチスラフ・ポヤル ジャック・ドゥルーアン
幻想的な人形アニメーション。
これまでの作品と全く違った作風。
目が見えなくなった青年の心の中の
恐怖と希望が入り混じったものを次々と描写します。
美しくもはかない映像に甘美な気持ちが
湧き上がります。


≪ブジェチスラフ・ポヤル(1923~2012)≫
1945年に設立されたスタジオ、トリックブラザーズ・スタジオにて

イジー・トルンカのアニメ映画のアニメーターとして働き、

「バヤヤ」「チェコの古代伝説」「真夏の夜の夢」など、

世界的に評価の高いアニメの制作に携わりました。

1951年に監督としてデビュー。

1954年の「飲みすぎた一杯」ではカンヌ国際映画祭等、

数々の国際映画祭で多くの賞を受賞し、

国際的に高い評価を得、それ以後、

ヨーロッパにおけるアニメ界の重要な人物として、

常にその作品は注目を浴び、その活動そのものが、

世界のアニメ史の一部となっています。

海外の国際映画祭においてチェコスロヴァキア映画の代表に

何度も選ばれ、カンヌやベネツィア、ロカルノ、

アヌシー等で多くの賞や評価を得、

また、数多くの海外の映画祭の国際審査委員会でも活躍しています。1990年、チェコ国立芸術アカデミー映画学部の教授に就任。

2008年10月28日のチェコ建国記念日、経済・学問・文化・芸術等、

各ジャンルから選ばれる国に対して功績のあった30名の一人として

大統領から功労賞メダルという国家賞が授与されました。
戦後始まったチェコアニメの“黄金時代”から、

今日まで、チェコアニメの中心にいたのがブジェチスラフ・ポヤルです。1969年にイジー・トルンカが亡くなって以来、

ポヤルがチェコアニメの世界的な評価を高め、

数多くの作品を世に輩出してきました。

叙情的に訴える作品から、ユーモアたっぷりの子ども向けの作品、

世の中を攻撃的に風刺する作品まで作り、

そのすべてが、芸術的に評価が高く、

世界中のアニメーション作家に多大な影響を与えました。

ポヤルは、監督として数多くの優秀なデザイナーと共に、

2Dのアニメも作ってきました。

2010年に87歳で日本との合作アニメーション

「ぼくのともだち」を完成させ、2012年10月12日に亡くなるまで、

その創作意欲はなくなりませんでした。

65年を超える彼のキャリアは、“チェコアニメそのもの”であり、

受賞歴は100を超え、彼の作品を見れば、

チェコアニメが分かり、チェコアニメの素晴らしさが分かり、

そしてアニメーションを見る楽しさが分かってきます。