サンタクロースっているんでしょうか? | 西の魔女をめざすブログ

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静かだけれど1日1日を大切に生きるため、日々の出来事や好きなドラマや映画のことを書いていきます。

12月になると、子どもたちに読ませたいと、

クリスマスやサンタクロースの本を教室に何冊か置きます。

その中でも、私のお気に入りは・・・


サンタクロースっているんでしょうか?/著者不明
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100年位前のアメリカの新聞の社説に掲載された有名なお話…






きしゃさま わたしは、八つです。

わたしの友達に「サンタクロースなんていないんだ」って言っている子がいます。

パパに聞いてみたら、
「サン新聞に、問い合わせてごらん。新聞社で、サンタクロースがいるというなら、

そりゃもう、確かにいるんだろうよ」と言いました。

ですから、お願いです。教えてください。サンタクロースって、本当にいるんでしょうか?




バージニア=オハンロン ニューヨーク市 西95丁目115番地





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バージニア、お答えします。
サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友達は間違っています。
きっと、その子の心には、今はやりの、何でも疑ってかかる、
うたぐりや根性というものがしみこんでいるのでしょう。 
うたぐりやは目に見えるものしか信じません。
うたぐりやは、心の狭い人たちです。
心が狭いために、よく分からないことがたくさんあるのです。
それなのに、自分の分からないことは、みんな嘘だと決めてかかっているのです。
けれども、人間の心というものは、大人の場合でも、子供の場合でも、
もともとちっぽけなものなんですよ。
私たちの住んでいる、この限りなく広い宇宙では、
人間の知恵は、一匹の虫のように、
そう、それこそ、ありのように小さいのです。
その広く、また深い世界を推し量るには、世の中のことすべてを理解し、
すべてを知ることのできるような、大きな深い知恵が必要なのです。
そうです。バージニア、
サンタクロースがいるというのは、決して嘘ではありません。
この世の中に、愛や、人への思いやりや、真心があるのと同じように、
サンタクロースも確かにいるのです。
あなたにも分かっているのでしょう。
世界に満ちあふれている愛や真心こそ、
あなたの毎日の生活を、美しく、楽しくしているものだということを。
もしも、サンタクロースがいなかったら、
この世の中はどんなに暗く、寂しいことでしょう。
あなたのようなかわいらしい子供のいない世界が考えられないのと同じように、
サンタクロースがいない世界なんて想像もできません。
サンタクロースがいなければ、
人生の苦しみを和らげてくれる、
子供らしい信頼も、
詩も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし、
私たち人間の味わう喜びは、
ただ目に見えるもの、手で触るもの、
感じるものだけになってしまうでしょう。
また、子供時代に世界に満ちあふれている光も消えてしまうでしょう。

サンタクロースがいない、ですって! 
サンタクロースが信じられないというのは、
妖精が信じられないのと同じです。
試しに、クリスマス・イヴに、パパに頼んで探偵を雇って、
ニューヨークじゅうの煙突を見張ってもらったらどうでしょうか? 
ひょっとすると、サンタクロースを捕まえることができるかもしれませんよ。
しかし、例え、煙突から降りてくるサンタクロースの姿が見えないとしても、
それがなんの証拠になるのです?

サンタクロースを見た人はいません。
けれども、それはサンタクロースがいないという証明にはならないのです。
この世界で一番確かなこと、
それは、子供の目にも、大人の目にも見えないものなのですから。

バージニア、あなたは、妖精が芝生で踊っているのを、見たことありますか?
もちろん、ないでしょう。
だからといって、妖精なんてありもしないでたらめだなんてことにはなりません。
この世の中にある見えないもの、見ることができないものが、
なにからなにまで人が頭の中で作り出し、想像したものだなどということは決してないのです。
赤ちゃんのがらがらを分解して、どうして音が出るのか、中の仕組みを調べてみることはできます。
けれども、目に見えない世界を覆い隠している幕は、
どんな力の強い人にも、
いいえ、世界中の力持ちがよってたかっても引き裂くことはできません。
ただ、信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、
そのカーテンを一時引きのけて、
幕の向こうのたとえようもなく美しく、輝かしいものを見せてくれるのです。
そのように美しく、輝かしいもの、
それは人間の作ったでたらめでしょうか? 

いいえ、バージニア、
それほど確かな、それほど変わらないものは、
この世には、他にないのですよ。

サンタクロースがいない、ですって? 
とんでもない。

嬉しいことにサンタクロースはちゃんといます。
それどころか、いつまでも死なないでしょう。
1千年の後までも、百万年の後までも、
サンタクロースは、子供たちの心を、今と変わらず、
喜ばせてくれるでしょう。
 




小さい子どもたちには、ちょっとむずかしいかも・・・。

何回読んでも、毎年、うるっとしてしまう本です。