謀王(はかりおう) (メディアワークス文庫)/アスキーメディアワークス
¥659Amazon.co.jp

【口先で騙り、金も力も愛も手に入れた少年フィッツラルド。
ついに王座にまで手をかけた―と確信した刹那、気まぐれな運命は彼を嘲笑う。
周辺諸国の謀略に巻き込まれ、その手から王座という宝が零れ落ちたとき、少年は再び死闘の海へと乗り出すことを決意する…。
複雑に絡み合った罠、信じていた人間の裏切り、そして忍び寄る暗殺の手。
フィッツラルドは果たして、自らを翻弄する運命に、打ち勝つことができるのか―?
痛快な時代ロマン小説。 】
(アマゾンから引用)

だからな、

■ 感想とかネタバレとか

女の子辛いの辛いんだって となる1冊だった
リズ…リズさん……
なんかこう「お前はもうちょっと苦しんでいい」っていう女の子もいるし「はあ?」な子もいるにはいるからぜんぶひっくるめて女の子が辛いのが辛いんじゃねーんだろうけどリズさん辛いの嫌ですよ!
でも彼女が真実あの舞台に立たされたとき「辛い」のかどうかは彼女が決めることであるのでアレだけど! 誰もそんなことは言っていないのに敷かれた道の先に鎮座する玉座と王冠が火で炙れててもかぶれってか! と思う

婿語りと嫁語りの劇場から始まって最後戴冠式で締める終わりの素晴らしさったら素晴らしい
浴場でのやりとりも、感動を返せも、兄さんの「わーお」っぷりも、結局負けそうになりそうな自分を予想するリズさんもすごい好きだった
フィッツラルドもすごい好きなんだけど好きになりきれないのは結局王さまになりかけの王子さまだからかな…なんでだろ…たぶんリズさんに選択を迫ったからかな…どっちに転んでも自分には利益になる選択肢。まあずるい人は好きにせよそれは条件の話であっておにーさんの話ではない。
リズさん好き。1巻のあの子の名前がお兄さんの愛称(だっけか)と同じだったとか可愛すぎる。
最初から身内の味方がいねーのと、近しいと思っていた身内がそうではなかったと解るのの、どっちが辛いって場合によりけりだが、今回は後者でしたリズさん

リズさん女の子だった
なんというか…「将来の予想」のときが女の子だった。
毒の杯で動揺しちゃうのとか。リズさん用のその冷えた杯を変わって飲み干したフィッツラルドの行動に利害以外の意味を見出そうとしかけてるとことか、あーやばそうー。(傾きそうー)
リズさんにも権力あった方が楽しい。あそこから味方作ってくのってマジ主人公補正ないと辛いだけで。
騎士を寄越したことを優しさとは絶対にしないがアレなんなんだ!
あの会話(夫問い)が余計に彼女を瀬戸際まで追い込んでる感。
しかしなくたって追い詰められてる。


というのをうだうだ考えて結局これ誰の物語だ? フィッツラルド? だよね? と思っているので「烙印の紋章」の勇ましい姫さまと一緒な感が一瞬でもしてしまったのを取り消せない
あと基本的にリズさんリズさん言ってるけどフィッツラルドも毒飲んじゃったり殴られたり殺されかけたり処刑したり殺されちゃマズイ人殺されちゃったりでたいへんなことになってます。
でもおにーさんは選別したうえでの「味方」か、そうでなければ暫定的「協力者」がいるから、まあ平気かなって思ってる(ので余計に烙印の剣闘士あがりの少年とかぶる、あいつも「仲間」はそこそこいたから)

どう転んでもいいのでとりあえず完結してほしい
そういや世代交代の所ではふっと将国のアルタイルを思い出した
マザコン青年とブラコン少女だなそういや
どっちも好きなんだろうけど、結局ひっくるめて「男」と「女」としたときに、自分はどちらがより好きなのかだんだん解らなくなってくる

イラストレーターは鳥越タクミさん!



騙王 (メディアワークス文庫)/アスキーメディアワークス
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