Fランクの暴君 (1) ―堕ちた天才の凱旋― (電撃文庫)/御影 瑛路 (著), 南方 純 (イラスト
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【在籍する生徒の成績は超優秀、あらゆる部活は全国制覇を成し遂げる。
夜空に輝く星のような私立七星学園。
しかしその実体は、厳格なランク制度と、生徒の容姿までステータス化されるシステムで生徒たちを管理する、別名『弱肉強食学園』。
そこは絶対的な強者が支配していた。派閥“アーバンライオン”を率いる、“傲慢”の神楽坂エリカ。
彼女を打倒し、『頂点』に立ち、『暴君』として君臨する――。
危険な野望を抱いた“堕ちた天才”藤白カンナは、Fランクの教室に居た…。
知能と知能がぶつかり合う下克上ストーリー、開幕。 】
(アマゾンから引用)

おー

■ 感想とかネタバレとか

弱肉強食、すべてがランク付けされ、一挙手一投足がランクに影響する学園
引きずり落とすためのレイティングバトル、厳格な校則とモバイル、大罪になぞらえられた「クリーク」とその君主たち。

入試の失敗で最低ランク、奴隷扱いの「F」から始めることになった藤白カンナは、「傲慢」の君主・神楽坂エリカが率いる学園最大勢力「アーバンライオン」を乗っ取ることが目下の目標

藤白カンナの恋人で彼に心酔する乙坂芽依
学園長の娘でルールを把握している七星七海
ボクシング崩れ?の山吹(どうでもいいけどこいつに「山吹」とか綺麗な名前を使わないで欲しい)
エリカの側近の七人、学園の体制に反旗を翻す虚構のエフ


エリカさん好きだなー
あの人はずっとひとりでいてほしい
帝王学だの人間的感情だのの後付け設定もそれはそれでいいけど、なんの裏付け設定なくても、彼女は好きだなあ。
出来れば跪かないでほしかった。藤白カンナは「それ」が目的でないと言っていたが、称号剥奪で彼女が笑うかと言えばそうでもない。
「私の悲願」と言ったのが気になる、獅子の先代も女性だったのかな?
「わたしの所有物」で、ちょっと零のマリアと、マリアの〝騎士〟を思い出した。
エリカさんいいな、もっと側近のフレンズ7とお茶をしていてほしかった。
山吹への行為は、一部限定された趣味をお持ちの方々からは全力で〝ご褒美〟な気が。
「私は誰にも心を許しませんが、その私に心を預けられますか?」
彼女がなにを求めているのかも、彼女が言う「預ける」っていう意味も、わたしには解らない。


藤白カンナはおしゃべり。
途中で七海が「優等生モードはまどろっこしい」と言っていたが、たしかに。
遠回りで、迂遠で、はっきりとせず、聞こえのいい遠まわしの言い訳を長々と喋る奴ってのは、どうも信用できない。もっと焦ってる演技でも入れりゃ(そしてその演技の焦りが、当人らしいと思えたら)まだよかった。
虚構のエフ率いる非公式クリークは「アンチリヴァイアサン」。なんで龍…?
本の方のリヴァイアサンを読んでいないし、読んでも理解できる頭を持ってないけど、関係があるとしたらなにがどう関係あるんだろう。
お喋りだけど嫌いではない、彼女を跪かせたことやメイを利用したことは全く怒っていない(怒る理由がどこをどう探してもないし、自分自身「なにが悪いの?」と思ってる)、難癖つけるなら「カンナ」の名前くらい。

メイは……メイは………、どっかで化けそうで怖いし、このまま化けなくても怖いしで……
藤白カンナ大好きの女の子。弱肉強食の学園に馴染めない。
「彼女を利用することに怒っていない」のは、半ば彼女が利用されることを了承している部分が(遠回しに)あるから。
そもそもこいつ、「友達」を(彼女主観で)「裏切っている」ので、その時点で個人的には「ない」。
まだ七海の方が好きだ、馬鹿っぽい女ってのは本気で一貫して馬鹿なときもあるけど、馬鹿っぽいだけで馬鹿じゃないのを読むと、どうも警戒してしまう。
そういう意味では藤白カンナはまだ素直に読めばいいから楽。
だってこいつの目的は一貫してる。目的を果たしたあとの行動は解らんが。
それで、お前は、なにがしたいの? エリカさんの右腕収まって学園無双ver.も読みたい。というかエリカさん無双が読みたい。


楽しかった
んだけど、エリカさんが好きだったので、彼女がもう出て来ないかと思うと次を読む気が…
メインヒロイン(?)はどうやら七海らしい(笑) 
隠れている君主を炙り出す、藤白カンナが入試で失敗をし最低ランクに落ちた原因

イラストレーターは南方純さん!
高笑いと邪悪な笑いが似合う主人公だこと。

藤白カンナが芽依を口説くときって「ミニッツ 一分間の絶対時間」の相上櫻を思い出してたんだ。なんか引っかかるなーとは思ってたが。
ああいう、冗長な、口説き文句って、読んでると鳥肌立つので、できれば遠慮したい。
「頭…大丈夫……?」と本気で心配して聞く。