聖剣の姫と神盟騎士団I (角川スニーカー文庫)/杉原智則

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【「おまえ、わたしのものになりなさい」
「は?」
お調子者の初級魔道士ダークは、無敵の傭兵騎士団“聖剣団”の若き女剣士フィーネによって、無理やり団員にさせられる。
だがラグナの谷を守るその騎士団は、今や弱小の“二代目”となっていた!
フィーネの下で聖剣団復活に付き合わされるダークだが、そんな矢先に禁断の黒魔術を操るカーラーン国の“魔軍”がラグナの谷に侵攻し――!?
谷が危機を迎える中、ダークは思わぬ作戦に出る。 】


■ 感想とか色々

6人の個性的な隊長をまとめるのは団長のグラジス・エストールただひとり
<あまねく海の女帝>ヒエン
<魔人形遣い>ゲルウィン
<竜殺し>ラッセル
<死霊神官>ベアラー
<水霊王女>スィー・ラン
<顏なき影>リヴィ

禁断の魔術により魂を吸い取られてしまった団長をどうにかしようと6人の隊長はバラバラに行動
ラグナの谷の防衛は後回しにされ、グラジスの娘で見習いのフィーネが居残って奔走する
天運に恵まれ、賢しく立ち回るダークがまず第一の手下

フィーネの鎧は妖精の打ち出したもので、聖剣ゼスは彼女の意思によって自在に発現する
ゼスの一部がダークの中に刺さっているので、本体との距離が空いたり、魔力が切れる(フィーネが死ぬ)とダークも非常に残念なことになる。

なんでかフィーネの聖剣ゼスを勘違いしていた
実際は「自由自在の発現」なのに、「自由自在の姿になる」と思っていて、よしこれはきっと美人なおねーさまか老獪なじーさまだろう! そうに違いない!! と勝手に…
うんなんだか違った。違った。
フィーネは特に暴走するのでもないし、頭足らずなとこもないし、剣技はあるので安心して読める。
尊敬する父と、信仰に近い聖剣団をなんとか引き継ぎ、父と同じように「仲間」を大切にしたい彼女が少し好きでした。

ダークはこずるいしけっこー忠誠とか忠義とかないし、まあなくてもいいんだけど、カーラーンの一部隊500人を文字通り「盾」と「案内役」にしてダンジョン攻略する奴でした
ゲルウィンのことをあれだけ図星当てた、わかりやすい理由は「お前もそうだから」? なんだが、これは多分外れている。
これ以外でわかりやすい理由は「想像力」。
「自分の経験」と「想像力」は多いよな、割合が6:4だったりして。
ただあんまりしっくり来ないので多分どっちも違うと思う、だってこいつ捕虜のとき捕虜同士で話してたけど「仲間」とかけっこー知らんだろーし。
ゴルボ三人も「手下」であって仲間ではねえしな。
ゲルウィンはうじうじしてたけどフィーネの名前を呼んだし、彼女の身もちょっとは案じてたから、まあいいや。

ダークには「えっ お前なに異世界出身? 前の世界でゲームとかやってた?」と聴きたくなる知識だったんだがこいつなんなんだ
マッピングはまだセーフにしても、ラスボスとか中ボスとか。
そしてなんでか知らんけど、もうちょっと苦しめばいいと思ってる。
時々「こいつもうちょっと苦しめばいいのに…」と思う
女の子にはほとんど思わない。女の子に思うのは多分「もうちょっと傷口に塩塗ってもいいよ?」だな。がすがす傷付けるのも楽しい。

新団員のヤミーさんとかは続刊か
王子とか王子の母上とか団長自身のこれまでとかは続刊です、隊長達もバラバラ

イラストレーターはNidy-2D-さん!
Amazonに動画あったが「あんたをひとりにさせない」とかゲルウィンへの言葉だからね
ラノベ的(?)なのって「おまえ、わたしのものになりなさい」だよな、女の子の所有物美味しいですもぐもぐ
逆があったらそれは少女レーベルだと思う
あとダークは基本的にお調子者で転身が早く「なんとかなる」と思ってまあなんとかしないでもないんだけど偶然が多いので「わっふー」となる、運やタイミングも実力のうちとはよく言ったもんだ!
要素だけで言えば「ああ?」てなるんだなあ。多分ブレなかったからそんな嫌いではない。こいつが採算と勝算のない死地に飛び込んだらわらおう。

スニーカー 超 久しぶり!