青嵐の譜 (上) (集英社文庫)/天野 純希
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【鎌倉時代の半ば。
玄界灘に浮かぶ壱岐島で、幼なじみの二郎と宗三郎は、浜に流れ着いた一人の少女を発見する。
少女の名は麗花。
母国の高麗を追われ、親を失っていた。
三人は島で兄妹のように育つが、やがて蒙古の大軍が壱岐を襲い、過酷な運命に巻き込まれてゆく。何のために生き、誰のために戦うのか――元寇という巨大な時代の嵐に立ち向かう若者たちを描いた、魂を揺さぶる歴史大長編。 】
(アマゾンから引用)

タイトルがかっこよかったので

■ 感想とか色々

蒙古vs壱岐
商人の跡取り息子二郎(兄は夭折)と武家の養子で幼馴染の宗三郎
彼らが拾った笛の得意な麗花

だいたいあらすじ通りで、蒙古が壱岐に来て、壱岐壊滅状態
宗三郎は主君の命令で主君の娘と一緒に逃げ落ちる
二郎は絵が好きなので宋に船で渡ろうとする途中で難破
麗花はその出自を知られつつ、難破後引き取られ博多で生活


蒙古は毒矢を使ったり名を名乗り合わなかったり、虐殺略奪がつがつやって、
手に穴をあけて縄を通し連れて行ったりなんだり
壱岐は大宰府に援軍を求めるも来なかったりで上への不満が募ってたり
わっふーと思いながら読んでたけどとりあえず3人とも生きてるので
姫さんの 最期が 好きでした!
宗さんの「本物のお父さんはどっちだ」もちょっと好きだった

麗花はそんなに好きじゃないな、あの子十分幸運だったと思う
P216の「理不尽」がちょっと「え?」だったから好きじゃないのかも
位の高い父親と一座の女の間の娘。それでも血縁上の父は麗花の母にお金を渡していたし、母の死後引き取ってくれたし、舟に乗っけたのも父、だ、よー
理不尽な流れだというなら、それに逆らったことは、一度としてあった?
麗花にとって「どうともしがたいこと」はあったのだろうし、それに流された麗花を責める気は更々ない
その〝理不尽な流れ〟の中に、着るものと、ご飯と、住む家があって、麗花の名前を呼んでくれる人がいた

1番「動いた」のは二郎かも、といっても難破後は生死不明状態で、宗さん視点の蒙古VS壱岐になるし、そのあとは高麗出身故に冷遇される麗花視点
さいごの方でようやく出て来た二郎

さくさく読めた


イラストレーターは森美夏さん!
柳広司さんのジョーカー・ゲームか! 好き。