これからの誕生日/穂高 明
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【千春はバス事故で友人や教師を失った。
一人生き残った罪悪感から引きこもる千春。
そんな彼女の姿は同情を呼び、一方では複雑な思いで受け止められる。
弟、担任教師、友人の遺族である母親、新聞記者など、千春と関わる6人の視点で綴る連作短編集。
現実を真摯に見つめ、再生への兆しを温かく描く。 】


普通。

■ 感想とか色々

というかむしろ説教くさくてこれに限らずこういうのダメ(笑)
「悲しみを乗り越えて…」や「再生の物語」って、結局生きている側の苦しみだし、
それを綺麗にデコレーションしてなにが楽しいんだろ
デコレーションした側は10年後20年後それを覚えてるのかな。

乗り越える、んだよなあ、乗り越えさせられるのか、乗り越えなきゃいけない無言の(周りの)希望もあるんだろうけど。
あとは「もうそろそろ乗り越えてるだろ、好い加減」。
乗り越えるってなに、事故当時の記事やインタビュー映像でも見ればいいの?
記者の質問に「亡くなった人の分まで…」とか言えばいいの?
昔ね、辛いことがあったんだよってしみじみ思い出せるようにでもすればいいの?
〝乗り越えた〟あと、その苦しさって、悲しくて悲しくてただそれだけが満たしていたときの自分ってどこに行くんだろう
今辛くて、今悲しくて、今苦しんでる人間に、10年後はそんなことなくなるよってなんの意味もない

演劇部員を乗せ顧問が運転していた車がバスと衝突、千春以外死亡。
千春の弟と陸上部の久住、生死どちらの生徒の担任でもある谷原、生け花を習っている遺族の母親、地元紙の記者、ケーキ屋の無愛想なおっさん、とかとか
学校裏掲示板での誹謗中傷。
スポーツ推薦で行くのって怖くないのかな、俺あれをすげえと思うのはそれを〝武器〟にしたことだと思う


理解がないだとか想像力がないだとか立場の違いによる感情の違いだとか、そういうんじゃなく、ただ単に無神経なんだよ
え? 馬鹿なの? という人がちらほらいた、まだカウンセラーの人はマシな方。
久住は…、どうだろう、なんとも言えない(笑) いい奴だとは思うけど。
折角生き残ったからって生きなきゃいけないの? 「生きていてくれてありがとう」は「これからも生き続けてほしい」ではないしなあ(千春の家族はふたつがイコールだろうけど)、そのあと死のうが生きようがそれは当人の自由だし。

なんでみんな千春が葬式行かないことを責めるんだよ(笑)
来られても複雑じゃね? じゃあ聞くけど、来てほしかったの?
死んだ娘と同じ制服着てるあの事故の場に一緒にいた女の子に。
善意は強制されるべきではない
これ、来ても涙流した流さなかった挨拶したしなかった挨拶の内容どーのこーのでどれにしても叩く気がする
公欠にしてるのは学校だろ、オペラ見に東京行くのがなんでそこまで叩かれてるのか解んない
結局学校裏サイトって、良くも悪くも注目されてる(気にしている)生徒なのか
あそこに書き込んでた子たちが誰かは知らないし興味もないけど、いや人生楽しそうだねえとは思った

装画はいとう瞳さん!
話の終わりはタイトルと装画の通りだった、ケーキを買いに行く話