Fの記憶/吉永 南央
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【名前も思い出せず、顔もおぼろげにしか覚えていない。
まして消息など知る由もない。だが、かつて同窓生だった3人の心には、あの日以来、Fが棲みついている。
そして今、Fが彼らの運命を動かす。手強い才能が覚醒した! 新鋭が放つ魂の再生の物語。 】
■ 感想とか色々
第一話 右手 嶽澤悦史の場合
「有限会社高永興業」のおっさん
変態と薬中以外は雇う会社
ライバル会社はエフステージ
安さでは自分のところが1番でも質では劣る
免許なしで運転してうっかり外壁あてちゃって大変、ていうかでもだってなんか同情できないから同情しない
いつも黙って殴られている「F」はあだ名で、本名なんて知らない。
「お前の右手がお前の人生をぶっ壊しますように」
花が好きな長男たくましく生きろよ! と思う、あの子は好き(笑) あの子だけ好き
第二話 黒いチューリップ 関口容子の場合
熊田さんマジいい人
あの人不意打ちで良い人で笑っちゃった、いや方向性はさておきいい人だ
ヒット商品であるスニーカーの不良品回収について
鬱憤がたまっていた牧野さん、告発者探し、相談課の2人
意外に上司の荒賀さん所に手札残っててよかった!
小学校の頃チューリップを黒く(紫に)塗って、塗り直させられた女の子の話
花壇に残ったひとつの色と、それ以外をむしった少年F
Fの堂々っぷりがすげえ(笑)
第三話 夜明け前に 谷川有輔の場合
これ好き!
商工会議所のお偉いさんって喪主と相談するの? マジで? すげえな! となった。さぞや歴史のある……、というかそれがある種普通なのか。知らん。
谷川さんは御茶屋さんです。妹と、妹婿、自分は長男。
お母さんの浮気が激しくて一時は殺そうとまでしたり。今は糖尿病を患っているので浮気はそんなでもない。
カメラが好き(?)なので山間に住んでいる保坂さんとこにお出かけ
p127の「若い頃の誰にも言わずにおいた失恋話を持ち出されたようなもので」が好きです
p142の「素っ裸で行ってごらん。誰も寄ってこやしないから」も好き(笑)、けどもしなんの肩書も持たない自分を評価してもらえたら〝本物〟っぽくてよくない? とも思う
根っからお茶が好きなんだろうなあと
おばあちゃんお手製のお茶飲んで、とんとん拍子に話が進んでいくのは楽しくて仕方なかった
Fから手渡された枇杷。
第四話 時 Fより
絆されちゃった
それだけが残念、Fはもっと独りでいてほしかったなあ
Fの本名も解ります、中谷晶さんです
経営不振のスーパーで働いていたけど自主退職(?)した人
通っている歯医者さんで自分をおどおどと呼ぶ受付の人、突如乱入してきた岸さん。行方不明になった歯医者さんとこの息子を追う話
根無し草かと思ったらそうでもなかった。もっと、なんか、ミステリアスでよかった。
最後文通くらいでいいじゃん、それかベタだけど一緒に撮った写真飾るとか写真撮ってないけど(笑)
あーでも、なにもない部屋も好きだったんだよなあ…
かつて同級生だった3人の語りによってFを模るってんでもなかった、気がする。
最後に登場した人たちは現在進行形でFとの付き合いがあるから人間性を見抜けたとでも?
そもそも「中谷晶」と呼んでいない時点でわたしは彼をそう捉えていないし、そう捉えるつもりもない、謎のままのFでよかったんだ。酷いことを言うようだけど、君の本名なんて知りたくなかった
好きな順番
谷川さん、関口さん、中谷さん、嶽澤さん
四話目のタイトルは恐らく雑誌掲載時の「Fより」から改題で「時」なんだけど個人的には「Fより」の方が好きっ
写真提供はアフロさん!
アフロ!!!(笑)てなって検索かけたら会社さんのお名前みたい! アフロ!