騙王 (メディアワークス文庫)/秋目 人
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【何もせずに朽ち果てるくらいなら、口先だけで手に入れてみせよう。
金も力も愛も、そして王座さえも…。ローデン国の第二王子であるフィッツラルド。
第一王子を後継者にと考える国王からは疎まれ、その第一王子からは頻繁に刺客を送られ、茨の日々を過ごしている。しかし彼は決意する。
相手が誰であろうと、騙りつくそう―すべては生き抜くために。
頭脳と口先で自らの運命を変えた、ある少年の物語。第17回電撃小説大賞4次選考作。】

喋りすぎー

■ 感想とか色々

能力だけで血筋のない第二王子が頑張るよ! ていう話。
後ろ盾に他国のお姫さま、経済援助で金貸しのセドリック、貴族みたいな顔の庶民に将軍だった奴隷。
馬番になりたかっただけの子供。

嘘つきは好きですがフィッツラルドは喋りすぎ
お喋りな男はそんなに好きじゃないかも、全体的に芝居っぽくて演劇っぽい。
良くできた「お話」を読んでいるみたい。もうちょっと苦労してほしい

婚約者を最後名前で呼んだのは可愛かったー
リズさんは転ぶの速そうだがどうなんだろう でも美人さんは好き!
もしフィッツラルドが父親に言った通り、王族の血を継いでいるとしたら、そもそも姫さんの「復讐」は叶いそうもないが
男女同権(王女にも王位継承権があり、女が勉学をしてても嫌な顔をされない)であったとしても、フィッツラルドの義姉さんどっかにお嫁行くらしいぞ
「慣習で女性の官吏はいない」だったらなんだかあんまり。行き過ぎた男女平等は要らんがねえ。国史編纂官のルーが初になるのかな。あの子あんまり向いてなさそうに見える(騙されるし)
ルーは重要そうな役柄なのに途中でとんと出てこなくなるから受けた。(リズが来てから図書館でちょろっと出てあとはほとんど出てこないで舞台移動)
あと警戒心強そうな姫さんと早々に仲良くなってるのも。
あの姫さんは「男装してる女」ってだけで親近感湧いて仲良くなるのか?
まあ紅一点なので好きですがリズさん。

ルウェスは結局どっちだよと思わないでもなかったが。えーと生きてる? ならセドリックの情報間違ってるんだがセドリックはあえてその情報を送ったのかそれとも知らずに(本気で死んでると思って)送ったのか
「感染病ばらまく」あたりは毒ガスかw と思った。

ジェシードの所に向かうのが、菅野雪虫さん『天山のソニン』のイェラに似てて好きだった
そういえばお墓に花を供えるのは普通だけど、海に花やお酒を供える(っていうか投げ込むっていうか)は好きだな。
お酒っていうのがいいよね!
多分フィッツラルドが治める国に行ってみたいとは思わなかったので王としてはそんなに好きじゃない。だったら多分まだ現国王のが好き。
君が市井に出て面白いことしてくれるんだったらまだ好きかな? どうだろ。
敵の将軍も好きだけど、でもあの人がひざを折ったのは初代だけで二代目には地位に跪いた
あんたが言う「生き恥」を晒してそれでも生きて戻ってきた部下だよ、ふざけるのも大概にしとけよバカ王子
あ、そうかあれだ、『緋色の椅子』のカズナさんに似てるんだ、敵の将軍

情報の取り扱い方(歴史の作られ方)のお話でもあったり
場所にもよるけど残っている文献が100年200年単位で離れてるとマジ意味解んない状態になる
戦争や政争や災害で散逸してるとより辛いー
他の文献との整合性取るはず(とわたしが勝手に思っている)、ひとつの文献だけ信じる(根拠にする)ってあんのかな。

フィッツラルドのお母さんが空想癖だったときの衝撃
目の前の証拠と話術よりも時間的制限の方が大きかった
揃えられた証拠と証言を覆すのに残された時間が1日って(第一王子の成人の儀と次期国王指名)
血は大事よ? 箔付に。まあ能力も大事だけど。

死ぬときのフィッツラルドにどれだけの物が残ってるかが見物かも

正確にはメディアワークス文庫、増えたら独立予定