木練柿(こねりがき)/あさの あつこ
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【あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。
娘は、男から刀を受け取り、抱き込みながら何を思い定めたのだろう。もう後戻りはできない。
月の下でおりんは「お覚悟を」と囁いた。刀を捨てた商人遠野屋清之介。
執拗に事件を追う同心木暮信次郎と岡っ引伊佐治。
時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続く待望のシリーズ登場。 】
■ 感想とか色々~
短編集。しかし基本的には信次郎さんの嫌がらせ(笑)
なんだこの2人のもやもや感、刀を持って欲しいのか欲しくないのかよく分からない、かつ別に人殺しを揶揄して傷えぐろうとするだけでとっ捕まえるわけでもなく。
清(之介)さんは清さんで、認める所は認めている、近付きたくもないが特別遠ざけるわけでもない。
P296で信次郎さんが清さんを斬ろうとした所で、あああれだ! るろ剣! るろ剣の斉藤さんと剣心!! とすとんと落ちた。色々違うけど近くて遠いようでそこまで遠くもない所で剣心と斉藤さん。
あーでもやっぱ好きだなーあさのさん(このシリーズ)と思いながら読んでました。
人の情とか、そういうの、好きだなあ。家族が多かったけどねえ。
おけいさんとおふじさん、清さんとおしのさん、おりんとおしのさん。
楓葉の客
遠野屋のおみつさんが2年間だけ嫁いでいたお店の青年が出てきたり。
逆美人局? と思ったら違った。恋文とか色仕掛けとかそんな感じ。
でもこまちゃん(あかちゃん)優先のおみつさん(笑)
遠野屋で万引きをしようとしたお嬢さんが出てきたり。
あーうん、なんか清さんはそんな感じ。この人きっとモテるだろうなー。
海石榴の道
黒田屋さんの人殺しで一時中断にせざるをえなかった合同商い。
10ヶ月が経って、人の口にも上らなくなった頃、もう一度やってみよう、と集まる3人。
吉治、吉治と幼馴染の謙蔵、んでもって清さん。
会合と称して浮気をしにいく男。仲がいいなー親分としんじろさんと清さんは。
幼馴染がめちゃくちゃいい奴。いやしかし吉治さんもいい奥さん持ったなあ。
宵に咲く花
太郎さん!!!!! お久しぶりですこんにちは! 親分さんの息子さん。
話は太郎さんの奥さんであるおけいさんの幼少期から現在にかけて。実母と継母。怖がったもの。宵に咲く怪しげな花。
木練柿を読んだ後で宵に咲く花の神社の前のシーンを読むと、清さんはこの時ものすっげー怒ってたんだろうなあ、と思います。いやこの人滅多なことじゃないと自分のこと言わないから判んないけど。
因果応報…かと思いきや引っ掛けかいしんじろさん。この人……ほんと……いや……好きなんだけどさ……性根が曲がっている、自分でも原点解ってないんじゃね? と疑いたくなる、最期、案外いい人生だったと思って、そのことに絶望してから死ねば良いよ、と思ってしまう。紛うことなきフラグクラッシャー。
でもまあ親分さんおじいちゃんになるらしいから全て良し。旦那さんいる女性が匂いかいで気持ち悪くなったらそらもうあれだ。期待するだろ。
料理上手いんだって。お相伴に預かりたい。
木練柿
おこまちゃん誘拐。
清さん吃驚です。慌てます。形振り構いません。ちょっと怖いです。頭だって下げます。お金も包みます。
でも信次郎さんはそれが不満なご様子です。なんなんですかねこのぶーたれ坊ちゃん。いや坊ちゃんも坊ちゃんでいいと思いますよ、結構好きです、お友達にはなりたくないです。
坊ちゃんはきっと好きって言われたら と て つ も な く 嫌そうな顔をしそうなのでそんな所も大好きです。嫌がらせって楽しいですよね。好きだから惨めに死ねばいいと思うんですがそれはさておき、伊佐治さんも一緒になって頑張って探します。
坊ちゃんの「つまらねえ」が連発です。壊れる所でも見たかったの? かな? よく解んないけどしんじろさんよりも清さんの方が壊れたら早い気がする。あの人の弱点なんだかんだいって多いし。まあ逆鱗に手を出すなら出す方もそれ相応の覚悟が求められるわけですが。
しんじろさんは怠惰に生きていればいいと思うよ。
桜 は ロ マ ンで す 。
でも色々(ほんと色々)忘れてたから文庫版買って読み直そうかなーと考え中。
忘れているくせに、清さんはこの先絶対恋愛とかそういう、行為も含めて、できないんだろうなーとは漠然と思ってます。
電車乗ってるときに目の前にきた人が夜叉桜(単行本)を読んでいてほわーっとなったよー。
時代小説って舞台が江戸で設定が岡っ引きとかってだけです。
弥勒の月→夜叉桜→この本。最初から読まないと解んないと思う。清さんの過去らへん。黒田屋さんとか。
文庫版!
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→(感想)
……2年前って。