夜と血のカンケイ。 (電撃文庫)/丸山 英人
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【夜:夜音。高貴で気高い17歳の吸血鬼の少女。年若いながら絶大な力を持つ。
血:陶原健悟。平凡だが極度に健康で極上に美味な血を持つ。「復讐」のために夜音をこき使っている…?
カンケイ:吸血鬼にとって人間とは、ただの餌でしかないもの。しかしそんな絶対の真理に反して、陶原は「復讐」と称して、“血を飲ませて欲しければ言う事をきけ”と命令を下す。
超不本意なこの状況に懊悩しつつ屈する夜音…しかしもちろんタダで言う事をきくはずもなく!!?
おかしな主従関係が事件を呼ぶラブコメ。 】

そこまでロリでもなかったような。

■ 感想とか色々~

ラブコメ――というか(悪い意味ではなく)同人ぽいというか。
全体的に先が読めてしまう中でもまあ面白かった。読めてしまうことが解っていてある程度そういうものを読もうとしていて、イラつかなかったんだから上々。

あらすじ大体そのまんま。
血を綺麗にすることに人生(10年)かけた陶原少年と吸血鬼生まれの吸血鬼、夜音のお話。
少年と夜音視点の両方があったけど両方、なんていうか、物凄く可愛い。
特に少年は途中から出てくる人間上がりの吸血鬼、マレインさんが仰ったように「それのどこが復讐なんだか」というのが最初から出てた。くせに“そういうもの”だと言葉にもしなければ言いもせず無自覚のまま進んでいるのがまた可愛い。
時々(夜音が無自覚のまま遠まわしに)酷い言葉を言うのも痛くてよかった。

人間と吸血鬼、人間上がりの吸血鬼と最初から吸血鬼の吸血鬼、のお話でもあったけど、単純に「夜」と「血」でした。
命令(パシリ)のバリエーション&描写がもう少しあれば面白かったかな、オツカイとワンだけで終わっちゃったし、そういう意味ではメイドさんも対比として出てくればマレインさんも際立った。(かもしれない)

ある意味ネガティブ思考で登校してからすることが教室の掃除な少年。
なんだかんだいってクラスメイトいい奴! (そんな簡単にバイト休んでいいのか!) しかし少年が挙動不審すぎて泣ける(笑) 見事な挙動不審っぷりでした。
委員長と広野くんはまた(があれば)出てきて欲しいなあ。
そりゃ清水さん(実家お寺)も気付くわね。いやむしろ気付こういつも変かもしれないけど変具合が違うよアレは。

夜音はあんまりどうこう思わなくて コウモリ出すときとか 嬢ちゃんすげえ と思ったり小さく可愛かったくらい。
しかし少年は……すごい好きかも……しれない……!
P224の「ありがとうよ畜生!」
グ ッ ジ ョ ブ 少 年!! いい奴だ……ものすっごくいい奴だ……!!(なんだお前…っ!)
いやいや色々考えてくれるくらいでいいと思うよ。こんな奴いたらすっげー嬉しい。広野もいいと思う。

収まるべき所に収まって、という感じ。
少年の努力と無意識がかわええ。蜂蜜みたいな復讐。

イラストレーターはosaさん!
清水さんの胸がでかい。
組んだ腕に胸乗るって地味に相当。
マレインはお色気担当だから気にしないけど(夜音ばかり見てる陶原視点だからか)特に描写のなかった清水さんまで…!
「寺継げ」コールもありますしね、続刊出たらまた出てきそう。