償いの椅子 (角川文庫)/沢木 冬吾
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【五年前、脊髄に銃弾を受けて能見は足の自由を失い、そして同時に、親代わりと慕っていた秋葉をも失った。
車椅子に頼る身になった能見は、復讐のため、かつての仲間達の前に姿を現した。
刑事、公安、協力者たち。複雑に絡み合う組織の中で、能見たちを陥れたのは誰なのか?
そしてその能見の五年間を調べる桜田もまた、公安不適格者として、いつしか陰の組織に組み込まれていた。
彼らの壮絶な戦いの結末は…。 】

か っ こ い い !!

■ 感想とか色々~

あらすじ大体そのままで、車椅子のおじさん、能見さんの仲間として、加治さんや、秋庭さんの妻と同居をしている東野さん、八田さんなど出てきます。
むしろ能見さん側はいいんだ、結構出てきてくれるし、喋ってくれるし、立ち位置と能力が(まだ)解りやすい。
比して公安(不適格者)の寄り集まり、母体は有働刑事が作ったものらしい。こっちが解らなかった…!
桜田さんと南城さんくらいかな…韮崎さんも。あとは実名とコードが最後まで一致しなかった。
新さんは登場回数と呼ばれた回数が多かったから覚えてる。
(というか、さっくり書くのも情けない話ですが、最初っから全貌を把握しようとして読んでいなかったので、まあ解らなくなったら解ってる所まで戻っちゃえ~と読んでた)
おかげで八田さんの所で大いに戻りました。

復讐+能見さんのもう片側として、妹の真希さんの家族。
甚一は能見さんにとって義弟、梢は姪で、充は甥。家庭不和、と一言で済ませられる中身は、幼少期の不幸を自分が繰り返したと認めたくないが故に離婚に踏み切らない優しすぎる真希さん、暴力がぱったりやんだ代わりに自分の服装に気を使わなくなり風呂に入らなくなり、弟と一緒の部屋で寝はじめた梢、夕日が落ちると家に帰らなければならないことが重みの、暴力を振るわれる充。
充が1番怖かった……! 頼むから殺さないで! と何度思ったことか。
梢ちゃんと一緒で、お父さんが死んでもなんら痛みませんが、充が殺人者になるのは困る。
暴力だけでも勿論いい気はしませんがね。梢ちゃんがお風呂に入るのを拒んで夜誰かと一緒に寝始める原因が、……アウトすぎてなにも言う気にならない。
真希さんと能見さんの両親も仲が悪かったので二人とも別方向に頑張ってます。ライターが痛い。
そして自慢している能見さんが可愛い(笑)
や、「子犬」も可愛かったですけどね、お前がいかなくてもおれは間に合った、って…! と悶えました。(あの場面であの会話は最強だろう)

おじさんカッコよかったおじさんカッコよかったおじさんカッコよかった。
もうそれだけで十分だと思うんだ! 能見さん!(能見さんは、フルネームだと能見亮司さんですが、梢さんの伯父さんの方が多い)
おじさんかっけー いやあれは惚れるだろ 梢ちゃんの状況じゃなくても惚れるだろ かっこよすぎる。

いざというときかかってきたら隙が生まれるからって仲間に自分の携帯番号を教えなかったくせに、ポケベルの電源入れっぱなしだったんだよー。
「連絡役」はひとりしかいないのに。それで怯んでりゃ世話ねえよおじさん。いいなあ。いいなあ。
そうだよ、殺すんだったら最後までね、完璧主義って物凄い褒め言葉!
(生死不明だとしても)約束を出来るのだったら、わたしはどんなに分が悪くたって死体見るまで生きている方に賭ける。
執着。とっておき。車椅子強いなー。ガーネット・スター。
いつか埋め合わせをするから。葬送のピアノではなく。
桜田さんの1ファンもよかったなあ……解らない所は多かったし入り組んだ所も多くて日本は旧姓あるからひっくり返るよねとも思ったり。
600近いしぎっしりだったのでかなりかかった。ぶつ切りだったから余計に。
3日間くらい読んでたかも。あーでも面白かったー! 他のも読みたい!