封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)/霜島 ケイ
¥890Amazon.co.jp

【『人喰い』の予告が届いた。
「見せ物としては最後の『人食い』でこれからは本来の目的に使う」との知らせであった。
西洋魔術で言う錬金術が完成し、バケモノを兵士として使う目処がたったとというのか?
なんとしても阻止せねばならない、そのためにまずは魔人を倒す。
しかし相手が軍部と組んでいる以上、軍部と衝突は避けたい。
そこで魔人との最終決戦を前に桐子が考えた手段とは!? シリーズ完結編】

うすらぼけたなあ最後。

■ 感想とか色々~

うーん………?
桐子さんの神島家当主としてと、鬼2人がついていても埋まらないものと、志郎さんのお母さんのお話と、魔人達の受けてきた扱い、まではよかったんだけど、そこに軍部と錬金術が混じると変な感じ(笑)
どっちかっていうと、わたしはこのシリーズに対して、キャンバスの封殺鬼と同じようなものを期待していたんだな、と思った。
恋愛が入るのは全く構わないけど、恋愛以前の所にいる感じが。
あ、でも一応公式か。志郎さんと桐子さん。
桐子さんのお兄さんの見方らへんが好きなんだよなあ。語り手によって印象が変わる同一人物。
自分の心の中に入っちゃうのも。川で釣りをしてる志郎さんも好き。
まあそもそも桜木さんてだぁれ? と思った時点で色々忘れていたんですが。

“仕切りなおし”が多かったしなあ 焦点がどんどんズレて行っちゃって、桜木さんの錬金術の語りも多かったけど、軍部の絡みも多かった。
権力関係はよく解らない……。善人ほど善意に基づいてやるときゃやる(犯罪)は面白いけど。

「人を殺す時には、せめて自分が人殺しであることを自覚してやるものです。正義だの、国のためだの大義名分だの、そんなものを言い訳にしてやるものじゃない。私がこれからすることは、ただの人殺しなのです。閣下」(P258)
が好きー。

「おまえはこの国のものだった。この国の土と水から生まれて、空気と風に触れて育った。誰が何を言おうと、おまえの身体も心も、この国のものだったんだ」(P286)
がいいよ……いやその台詞の前の挿絵もいいけどね……!!
鬼二人は言いそうにない。志郎さんも言わないだろう。その上あえて桐子さんに言わせるか。そして言うのが遅いお姉さん。ある意味“そちら側だったかもしれない”もう一人か。「表」に出れない身としては。
ふぅん………。でも同情しないし憐れまない。人喰いにさせられた人達を特別不憫に思うわけでもないが。
桐子さんが童だったときの(おかっぱ&着物)姿で泣いてたのは可愛かった……兄さまからもらった鞠捜してるんだよ……。
狩間さんは花闇~の人だからあれ読んでないと解らないかも。泣いてたっけ。(酷い)

「一晩かかって思いついた洒落だ。もっと褒めていいぞ。……」(P50)
喰えないおじいちゃんだこと。古狸だったなあ。(褒め言葉)


一応シリーズ完結らしいので…いや倒してるけどまとめてるけどでもなんか消化不良(笑)(他のニ家出てこないし、っていうのもある)
志郎さんのお母さんを最後出したのもな……あああれは「この世のものではないもの」(この世のものらしくないもの)としては魔人と一緒だったのか。
桐子さん(神島家当主)第一の宇和野夫妻が大好きです。頑張れミキさん!
またシリーズ出たら買うかもしれないが…あれそういえば志郎さんの弟さんどうした。(そういえば兄妹(兄弟)のお話でもあったの……か?)

初版は強制的にドラマCDつきでした。
桐子さんの上擦ってる声がめちゃくちゃ可愛い。
いえ志郎さんもばしっと叱ってくれてよかったですよ(真言をテスト勉強(しかも一夜漬けのように)覚えようとするのも素敵でしたけどね!)弓生の一体どちらの罰ゲームか解らない“朗読”もありました。
聖(ひじり)の発音にわたしの脳内で大分混乱&討論が起きたくらいでちゃっかり今度は二人で浅草行くみたいですしね!
笑いを堪えるのに大変でした。
本編では終ぞなかった恋愛(に片足突っ込んだ)方面。

イラストレーターは也さん!
P108とP285は反則だろう。
P234の破壊力が素晴らしかったです。弓生さんの表情が……(笑)
ちなみにあらすじ(裏表紙に)は本当に「たったとというのか?」です。誤字かどうか迷う。


封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈4〉 (ルルル文庫)/霜島 ケイ
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→(感想
12月て。カラクリ荘を挟んだからか。