遠い海から来たCOO (角川文庫)/景山 民夫
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【小畑洋介、12歳。海洋生物学者の父、徹郎とフィジー諸島のパゴパゴ島に移り住んで3年になる。洋助はある朝、通学の途中、珊瑚礁の潮だまりにひとつの生命を発見した。
“奇跡”との出会いだった。
それは6000万年以上も昔に死に絶えたはずのプレシオザウルスの生まれたばかりの姿だったのである。
しなやかな肢体と愛らしい黒い瞳を持ったその奇跡の生命は、洋助を見つめ、「COO」と歓喜の産声をあげた。
こうして少年と幼い恐竜クーとのきらめく至福の日々がはじまった。
だが平和は長くは続かなかった。
第99回直木賞にかがやく、感動の冒険ファンタジー、待望の文庫化。 】
図式が解りやすくて嫌だったかも。
■ 感想とか色々~
12歳を強調するのはなんでだろう(笑)
怒ってないし癇に障ってもいないけど、うーん、「学校」かな。
12歳に見えないらしいですしお父さんとの議論もまあそうかな。言葉や定義に対して誠実であることはとてもいいと思う。それだけでお話全体としても結構好きになれるくらい好き。
英語っぽいと思った。主語がはっきりしている、というのかな。
「だが平和は長く続かなかった」フラグは意外と早くて、成長したCOO用の大型水槽を買うときから。
フランス……フランス……ああそういえば核保有国だった……! とは思ったけどフランス。
組織vs個人て潰されるの大体個人で、そういう固定観念ぽいのがあるから下克上が楽しいんだけど、プロ負けるなよプロ(笑) とも思ったり。
ちょっとなあ……好戦的な防衛ですね海洋生物学者。
ストロボはいいんですね、殺さなければなにをしてもいいか、といえばそういう話でもなかった気がする。
さっくり殺すことよりも、身体の一部を抉るほうがえぐいだろ。
お父さんとキャシーが“そういう関係”になる前のような行動を取ったのには眉を潜めた。
洋助のお母さんで徹郎の奥さんの昔話を、徹郎自身がキャシーにしたならまだよかったんだけど、それでなくとも来たのがキャシー(女性)だったから なるかなー と思っていたら…! ワンシーンだけだったからよかった!
亡くなった奥さんのことをずっと想ってろってんじゃなく。
やるんだったらすればいいと思うのね、でもやるんだったらきっちりやってね、とも思うの。
男女揃ったらすぐそういう風になるのが嫌。仲が良い、とまりがいいな。
(恋愛は使い古されすぎて、嫌いなものまで含めての“恋愛”になった。)
まあ二匹のイルカ、ブルーとホワイトチップに、飼い犬のクストー、主役でもあるCOOが可愛いからいいよ。COO可愛いよCOO。
なんかそれだけで好きな所の半分以上かも。
ブルーも可愛いけどねー…… ブルーー……!
テレパシーとか。超音波。鯨のお話も好きだな。自然保護団体のお話。
最後の大統領の一言が 表ざたになりそうだから中止した に聞こえた。
綺麗なお話だった。
洋助もそうだけど徹郎もいい。あの人が殺す側に回るお話も読んでみたかったなと思うけど、その気持ちを敢えて書いて、尚回らせなかったのがじんわりといい。
まあCOOはたった一発で!と思ったけど。COOにとっての洋助は「母親」だから(人間かつ母親かもしれないけど)、絶望的な目をしたのがちょっと解らない。これまでの「母親」をすぽっと忘れてしまったようだ。
読んだ理由として挙げられるのは
① “民”の字が名前に入っている知り合いを思い出したから。
② 99回ってなんと中途半端な! でも100だったら興味湧かなかったかも! と思ったから。
③ 恐竜って……ロマンだよな……… と思ったから。
(恐竜に限らず見つけた人の名前や見つかった場所の地名をそのまま名前としてしまうアバウトさも結構好き。星に自分で名前つけられるとかロマンじゃなくてなんなのか)
表紙がちょと違う。
手元にあるのは 平成6年7月25日 13版発行。
帽子を被った洋助が少年に見えない。肩にCOOを乗っけてる。
カバーは宇野亜喜良さん!