クリスナーガ (電撃文庫)/小林 三六九
¥620Amazon.co.jp

【目覚めると何故かそこは真っ暗闇な場所で、“ぼく”は、自分の名前すら思い出すことができなかった。
そんな“からっぽ”状態で「クリスナーガ」と呼ばれる世界に放り出されたぼくは、偶然手にした古い本から全身黒ずくめのゴスロリ少女を喚び出してしまう。
このチビなくせに、やけに態度がデカい暴力女(そのうえカワイイ娘に目がない!)イヴは、かつてこの世界を救った「伝説の戦乙女」らしい!?
そんなこんなで、気づけば救世主(の下)扱いされてしまった可哀相なぼく。
やがて、この世界を揺るがす大事件に巻き込まれることになり…?
見た目ドタバタ。でもちゃんと正統派なファンタジー登場。 】

詰まんなかった!
(不機嫌なときの方が大っぴらにテンション上がるってなんなんだろう!)
ので、気分が悪くなりたくない人、好きな人はご注意を。


● 登場人物

クロム
自分史を忘れた人。あんまり書かれてないけどご飯は食べれてたから基本的なものの使い方や固有名詞は覚えていると思う。
自分の出自、名前を覚えていない。

エレン
もしこの続刊が出たらどうか解りませんし要素的にはあるかもしれませんがヒロイン(主人公とくっつく予定の子)はエレンでした。
あ、そう。で終わっちゃった子。酷いこというと、「で、だから、なに?」
これって貧しい問いかけだからあんまり好きじゃない…。
表紙めがねっ子。

イヴ
女の子を好きな女の子はいるが、それが主人公級というのはあまり読んだことがなかったので期待してたんだけどな~。(あんまり読んだことないけど)百合っぽい。

途中で出会う女王さま、エルフ、神下の民、などなど。


■ 感想とか色々~

予想の範囲内で予想範囲内のことを予想範囲内だけでやられても詰まらない、と思った。
「予想の範囲内」っていうのはこれまでに読んだことがあるのもそうだし、ああまあそうなるよね、というのの複合。
登場人物のキャラ(性格)と言動と思考回路と展開が「予想範囲内」であればあと残された楽しみ方って地の文レベルでの楽しさ、面白さを見つける(読み取る)ことなんだけど、それも出来なかった。なかった、のかどうかは知らないし、あっただろうけどわたしに沿うものではなかった、というのが遠い中ではまだ近い。

世界の危機、素質だけは高い無知、魔法呪文魔女使い魔、契約と契約書。
エルフ、フェンリル、同族、ヴァンパイア。異境徒。

キャラが典型で詰まらないのも言っていることの面白みがない(わたしの興味が湧かない)のも、それだけで怒る理由には足るんだが、なによりも詰まらなかったのは、わたしの好きなものを安く使ったこと。
中途半端に「哲学」じゃなくていいよ、なにそのちょっと良いこと言いましたよ今! な雰囲気。
まだ存在理由とか意義とかいった言葉が直接的には出てこなかったからいいけど(出した時点で地雷)、あのさー ただのルナルナ とかそれ言葉にした時点で自由じゃねえの。
感覚で察して、としか言いようがないから頼るようで心苦しいし申し訳ないし嫌なんだけど、「名前」はものを縛る、と思うんだ。良いとか悪いとかじゃなくて、それを窮屈とするのも心地よいとするのもそれぞれだし、「名前で縛られたこと」から派生したものを語るつもりは更々ねえから放り投げるけど、思考を言語化するときに窮屈だなと思ったことはない?

あれ、と思ったのはクロム(仮称)が 戦乙女を召喚したから神下の民とされたことかな。
「神下の民だから戦乙女を召喚した」とは取らないような言い方だった、と思う。
そういう意味で最初、女王さまは誠実。しかしこの人、なんのために出てきたんだろ、フラグと女であること以外にあったかな。
人が、詰まらない。男も女も。唯一和んだのはフィオとティオ。
まあクロム兄さんはねえ わたしこの人尊敬してないし敬意も払いたくないしなんら羨ましいと思うことも崇める所も長所もないと思うんだけど 最初はまだ嫌いじゃなかった。
状況がつかめません。ぼくは慌てて横っ飛び。は 面白いと思った。んだけど。
後者なんてテンポいいと思うんだ!
だかしかし……キモイを地の文で使うのはどうかと思う…。会話ならまだいいんだけど……地の文ではさらっと流せなかった……。
あとこれ個人的すぎていうのもどうかと思うんだけど 初対面の人間呼び捨てかてめえ と思いました(笑) 心の狭さなりパーナルスペースの広さなり人との距離の置き方だったり、それは勿論人それぞれですが、数ある主張のひとつとして。
他人が口出すようなことでもないし、それがクロムの距離感なり身の振り方ならそれはそれでいいんだけど、そうならわたしは多分この人に近づかないな、と思った。
ノエルが性格的に生物的に興味があると仰ってましたが そうかあ? この子詰まらないよ、と思っちゃったり。
あ、ノエルも詰まんなかった。ルナもロリ狙っててやでしたけどね(笑) 「きゃうっ!」とか素で言えちゃう子って素で気持ち悪い。
エレも楽しくはなかったし。過去に全てを由らせるなよ。
責めるときの兄さんがデフォルトなら楽しかったかも。意地の悪い人は好きよ。性格の悪い人もね!
世界観も特に新鮮だなと思ったり「お!」とワクワクする所がなく。(土のオーヴの色が緑なこと以外。)

まあご都合主義で最後終わったし白ける所もあったり(エルフへの張り手と吸血)結局主人公役立たずな上に面白くないしで。うん。
というかわたしあらすじの下三行読まずに「可愛い女の子に眼がない暴力女」で買った。
女の子フラグたくさんあったからまあそちら方面で楽しみたい人とか。
予想範囲内で予想範囲内のことを予想範囲内でやるなら面白いのが読みたいな。

イラストレーターはポコさん!
女の子の絵がたくさんあった。
良かったのか悪かったのかはさておき、P86見てたら買わなかった。
仰向けんなったら重力で沈むってぇの。