ジハード〈6〉主よ一握りの憐れみを/定金 伸治
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【ヴァレリーとアリエノールの婚姻による共同統治はつかのまの平和をもたらした。
勢力の微妙な均衡の中、仲間たちと別れ、ヤーファで過ごすヴァレリー。
しかし要衝アスカロンの支配をめぐって、和平は決裂しつつあった。
両陣営内部で続発する不穏な動き。多くの仲間の死…。
そしてついにヴァレリーとエルシードの運命を賭けた最後の戦いが始まる。
傑作歴史エンタテインメント、感動の大団円。 】

あー……… 結構怒ってるかも。

■ 感想とか色々~

今更新しい女の子出さなくても……。
しかも(わたしの中では)アリエノールと同種。女だ。
悪意を込めて蔑んで言うなら、ただの、女だ。
P106の「飲みましたね?」がどうしようもなく……ダメだ。気持ちが悪い。
どうしてそういう……セシリアにしろアリエノールにしろ……そういう書き方にしかならないのか。
セシリアは貪らないと言ったけど、それを兄さんの前で言うこと自体が既に重みだ。
消極的な保守ばかり。
女性の参政権獲得までの歴史とか自由と言う言葉が出来るまでとか語る気はねえよ。
健気な――ただ待つだけのような微笑んでいるだけのような添うような、それだけならまだ苦手で済ませた。
ダメなんだ……もう、本当に。アリエノールの心の動きが解らない。どうしてそうなるのか。それ以外にないのか。それしかないのか。好きな人を傷付けたいのはまだ解る。知っている。心の中に残っていたいのも、いい。
だけどそれしたら大勢の人が兄さんにしてきたことと一緒だよ。その他大勢だ。分母が大きい中でのちっぽけな分子になるよ。それは、いいの?
詰まらなくて、脆弱な。自分を見ていない者に恋心ではなく嫉みを顕にした。

それにさー 姐さんだけが悪いんじゃねえだろ。
確かに姐さんとシャラザードの考えは大分残念で、アフダル兄さんが姐さん抱く利益ないだろうと思った。
想像妊娠。言わずとも解るわ。
眠りたい、というのが現実逃避であることも含めてね。
ヴァレリーとエルシードが戦う分にはなんら構わないが、だからって姫さんを悪者にするなよ。
裏切り者の件はそうせざるをえないにしても、無理があったと思う。或いは展開と精神状態が姫さんに不利すぎた。
わたしはヴァレリーの傍にいたいとも行きたいとも思わない。怖いから。
変わらざるをえない。変わるだろう、と思うからこそ、変えてしまう人の傍には寄れない。
選んだのは――選んだ、という意識があるかどうかは解らないが――兄さんだ。
ジャラール、兄さんと関わる以上、そういうあなたの感情も兄さんを蝕むわ。なんで解らないの? 
貪りたくないと言うなら搾取するなと言うなら近付くな。関わるな。

兄さんもね。
アリエノールを妻と言ったときに目を向けなかったあんたが言うな。
兄さんでさえ姫さんを傷付かないなにかとして扱うのか。
アリエノールを憎んでいると言ったことに驚いたのは撤回しないが、兄さんの憎むとわたしの憎むは違った。
少なくともエルシードを傷付けた相手に近づけるのなら。解らない。気持ちが悪い。理解が出来ない。
なんでアリエノールの最期に戻ってきたの? 嫌だ。凄い嫌だ。
全てが自分の所為だとするならそれは傲慢だわ。自責なら見せびらかすな。
あんたが謝ったら謝りたい人が謝れないでしょーが。(逆恨み)

蒼狼が最後までカッコよかったなー。ジェイド・ウルフ。双子? と思った。あそこら辺は解らない(笑)
リチャードとサラディンのチェスもよかった。リチャードとベレンガリアもいいと思う。
あとシャラザードねシャラザード! 姫さん第一の女の子可愛い!! ありがとう!!
あれわたし女は嫌いだけど女の子は好きなのかな? まあ女の子を見下して使ったこともあるけど。
だがしかしこの人もよく解らなかった(笑) 蹴られちゃったー。と思ったり。なんでこう女の性を持つ人間全般思ったら突っ走るのか。(姫含む)
ウィルフレッドとロビンが一緒にいるのを見て ああそういえばこの人達親友だった! と思い出しました。すっかり忘れてたよ……。
ウィルが意外と頑張ってた。お疲れ!
マリアンが普通に女で詰まらん。
アル=カーミルが久々に出てきてくれて嬉しかった。
ジャラールの怒りに正当性はあるかもしれないが 結局選ぶのはヴァレリーよ。
いやまあ繰り返すように兄さんは「選ぶ」という意志はないだろうね。モテすぎ。(嫌味)

うーん まあ、大団円。結ばれるとか妻とかで吐くなんて、向いてないなあ、と思ったが。
東で大暴れして戻ってきてもいいし、そのまま放浪でもいいんじゃない? と思いました。

イラスト:高橋常政さん、デザイン:岡邦彦さん
最後だけなんで体言止めじゃなかったんだろ…。
09年3月1日に1巻の感想。


ジハード〈5〉集結の聖都 (集英社文庫)/定金 伸治
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→(5巻の感想