心霊探偵八雲4 守るべき想い (角川文庫)/神永 学
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【教育実習のため、とある小学校にやってきた晴香は、幽霊が見えるという寂しげな少年・真人に出会う。
真人は晴香に「自分は呪われている」と告げるが……。
一方八雲は、真人の通う小学校で起こった幽霊騒動を追ううちに、手首だけを残し、骨まで燃え尽きた謎の死体を発見する。
人間業とは思えない超高温で焼かれた異常な状況。
果たして犯人は人間か、それとも!?
八雲の赤い左目が再び煌く、人気シリーズ第4弾!!】

わあごめん無理。
好きな人、気分悪くなりたくない人は注意をー。


● 登場人物

斉藤 八雲
死者の魂が見える赤い目を持つ大学生。

小沢 晴香
八雲曰くトラブルメーカー。現在は教育実習中。
姉が死んだ原因を作ったことに悩んでいた。

後藤 和利
幼い頃からの八雲を知る刑事。

石井 雄太郎
後藤さんの相方。よく転ぶ。


■ 感想とか色々~

はあ。まあ。
……なんというか、逐一「あれ?」と思ったから、多分、根本的な所で、無理なんだと思う。
教育実習中の晴香さんが受け持っているクラスにいる問題児、真人は幽霊が見えると言い、また自分は呪われていると繰り返す。
八雲の方では骨すら残さず焼かれた死体を発見。
後藤さんと石井さんは最初プロファイリングをしている女性の所に赴く。

知らなかったのは屍蝋くらいかなー……。
入れ替わりは判ったし、まあそのあとの愛人や一心さん所での写真は「世間って…狭いんだね……」と思いましたが(笑)
切り落とされていた左手をなんら不思議に思わなかったことは逆に拍手したい。
メールの「操作」もいやいやどっかで確認取ろうよ、と思ったり、プロファイリングについてもそこまで調べてなかったか調べていても上辺だけで、催眠術も同じく。
初っ端の晴香さんの授業でもドン引きでした。
人の感情までフィクションにしなくとも。
体育館倉庫で焚き火してたら燃え広がって消防隊員ひとり死亡とか。
いやあ…体育館倉庫って可燃材あるっけ……? と思った。
それつぶしてプールは金持ちだな! と。
あ、むしろその小学校にはそれまでプールがなかったのか。へー。

相変わらずダッシュ(―)多用、場面転換で使われるときのお決まりの台詞、八雲はあくびしすぎだわ、晴香さんは地雷踏みまくるわ、石井さんはちょろいわ、後藤さんは煮え切らないわ。(後ろ二人くらいもう八つ当たりだな)
もうさあ、自分が無力であることを認識するなんて今更だろうと思うんだ。だから一体どうするのかを読みたいの。
救ってあげたいの「あげたい」は嫌いなんだ、わたし。
八雲と後藤さんも下らないことでページ使うしっ。もういいからさっさと話進めろよ、詰まんない言葉遊びと引っかけと騙し合いと繰り返しをするなっ。

あと最大の地雷は 過去の傷を武器にしたこと!
わあもうこれやられたら勝ち目ないのね! 不幸もトラウマもないっつの!
感動劇じゃないんだよ、乗り越えて終わりじゃないし、真人の人生と名無しさんの人生は違うわ。
名無しがしたことを許すとか許さないとかじゃなくてね。
そう、傷ついたの。辛かったの。悲しかったの。だからって名無しと真人が同じにはならない。
代表して語らないで、一事が万事そうであるなら、悩みもしないし楽しみもないわ。
大きな傷とかね! 心の闇とかね! 大小比べんなよ下らない!


上辺だけと言ったのもまあ悪意があるからだし、読みやすいと言うこともできました。
二つの事件をつないだ人間、晴香と八雲がそれぞれ重ねた相手や、中学時代の人。(死んでるだろうなあ、この人)
久々に奈緒ちゃんが出てきてくれたのは嬉しかった!
あとなんかあのお姉さん八雲のお姉さんらしい。

続刊はー………母親が買うかな? したら読むかもしれないけど。
どうだろ。わたしは買わない。図書館でも借りない。

装画は鈴木康士さん!
好きー。



心霊探偵八雲3 闇の先にある光 (角川文庫)/神永 学
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→(3巻の感想

■ レビュー拝読!
◆小耳書房◆さま/09年3月8日追記