フライ、ダディ、フライ (The zombies series (SECOND))/金城 一紀
¥1,155Amazon.co.jp

【私の夢―――。
娘の幸せ。何よりも。私の命よりも。
自分には殊更なことは望んではいない。定年退職後に釣りでもおぼえ、可愛い孫たちに囲まれながら安穏な余生を過ごせれば、それでいい。
あとは、妻とのんびりイタリア旅行にでも行ければ。
妻に、ローマを見せてやりたいのだ。私は妻と娘を愛している。
可もなく不可もない人生の道程で、妻と娘の存在だけが私の誇りであり、守るべき宝なのだ。
人事の家族調査欄に妻と娘のことを記す時の至福。その至福を乱し、汚す者は許さない。
そう、私は家族を守るためなら生命の危険も厭わない四十七歳のサラリーマン、のはずだった。
そう信じていた。あの日が訪れるまでは―――。
今から私が話そうと思っているのは、私のひと夏の冒険譚だ。


面白かった!
47歳サラリーマンのかっこよさって初めて読んだ。
お父さんかっこいいよお父さんかっこいいよお父さんかっこいいよ。



品行方正で成績優秀な愛娘、遥がある日 殴られて入院した。
急いで向かった病院には、加害者の偉そうな高校生と威圧的に事情を説明する教師。
自分の娘が出会ったばかりの男と一緒にカラオケなど行くはずがない。
娘を傷付けられてもなにも出来ないことに歯痒さを感じた鈴木一は――。

平穏なままであれば絶対に関わることのなかった
ゾンビーズこと超お馬鹿高校の男子生徒に鍛えられるお話。
在日の朴舜臣が師匠。不運体質の山下くんと情報屋のアギーも登場。
笑顔がここまで魅力的な人も一度見てみたいような。
魅力的過ぎて逆に胡散臭く思いそう。
遥さんが通っている高校は 文化祭のときにゾンビーズ達が襲撃(?)する所がご縁だったり。


結局つま先で階段上ったりバスと競争したり腹筋やスクワット何十回とこなしたりな話なんだけど もーかっこよすぎてしょうがない!
スタメン達からの拍手なんて「うっわ!」と叫ぶ。
いやそれ以前の“一連の儀式”でも素敵ですけどねなんか陰気で。
お母さんのご飯はすぐに解りました。美味しそうでした。

ギャップがあって喜んだのが舜臣達との遊園地。
うわ…どうしよう……凄く可愛いんだけど……!(笑)
舜臣を可愛いと思うとは思わなかった。
そこで殺気出しても威嚇している感じにしかならないという。


強者vs弱者、下克上万歳なお話だったような気も。
権力や世間体や評判に屈しない人でした。
さくさく読めるので2時間前後くらいかな。
体温上がるくらいワクワクした。
しかし表紙は手に取りにくい。
いえ、読み終わるとまさにこの姿なんですが…!


実際に読んだのは講談社さんから出ている青地の方ですが出てこなかったので角川さんの単行本~。
「ザ・ゾンビーズ」シリーズらしいので一応第一弾の方のアマゾンさんと感想を下に張っておきます。どちらを先に読んでも大丈夫じゃないかなと。
先にレヴォリューション読んだわたしが言うのもなんですが。

■ レビュー拝読!
初心者のための読書ガイドさま/09年5月9日追記
(トラックバックが上手く遅れないのでリンクで失礼します…! トラックバックありがとうございます!)


フライ,ダディ,フライ (角川文庫)/金城 一紀
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09年4月発売文庫版~。


レヴォリューション No.3 (角川文庫)/金城 一紀
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