くおんの森 (1) (リュウコミックス)/釣巻 和
¥590Amazon.co.jp
【本を尊ぶ人たちが住む、祖父の故郷・栞ヶ浜に引っ越してきた遊紙は、本の文字を食べて生きる魚・紙魚を飲み込むことで、森羅万象の記録をもつ場所・森(本が三つ)に迷い込み、そこの守人である謎の少女モリと出会う。
本にまつわる不思議な出来事を綴った連作集。】
人が本に呼ばれる限り僕が居よう
君は変り種だよ
本ではなく紙魚に呼ばれた
主人公は表紙の陰険眼鏡:魚住遊紙。
今は亡き祖父の町へ引っ越してきた魚住一家。
そこは住民全体が本好き。合言葉は「友を貴ぶように本を貴べ」。
放置されっぱなしの祖父の私室から1冊の日記を見つけた遊紙は、
そこに書かれていた私立図書館へ足を向ける。
そこで「兄さんっ、失礼!!」と勝手に遊紙の中へお邪魔した紙魚は
彼の中にある本を食らう らしい。
本好きだった祖父と同じく 一度読んだ本を忘れない少年は、
そこで「森人」たる少女と出会う。
出会いから始まり、図書委員に任命され、
図書室で出会うお菓子作りの上手なお姉さん。
読んだ本が具象化する。眼鏡の要らなくなった視力。
親離れをしなさいと言われた子供。
満月の夜の虫干し日和。
本好きの銅像が動いて 現代文化に触れる。
逢魔ヶ時のように出会った有名な一節を諳んじる少女。
中原中也と虎と舞姫が解ったのがむしょーに嬉しかったです(笑)
世界が独特すぎて上手く理解できずむず痒い所もあったけど、
絵柄やコマ運び、モノローグの置き方も雰囲気が出ていて好きー。
というかストーリーとよく合っているような。
「名を語るとは名を売ることだ」の台詞のように良い部分の“古さ”もあったり。続刊も購入予定。
※表紙捲ると森人のファッションショーでした。