霧の日にはラノンが視える (ウィングス文庫)/縞田 理理
¥630Amazon.co.jp
【クリップフォード村で七番目に生まれた子供には、
妖精の呪いがかかっているという――。
呪いを解く鍵を探すためロンドンへやってきたラムジーは、
不良達に襲われていたところをジャックという青年に助けられる。
仲間らしき刺青の男・レノックスに「王子」と呼ばれ、
どこか不思議な雰囲気を纏うジャックは、心を閉ざしたままのカディルという美しい人をつれていた…。
霧の都を舞台に、大胆な構想で描くネオ・フェアリーテール。
期待のストーリーテラー、縞田理理のデビュー文庫。 】
男の子ばっかー。
ロンドンのもうひとつの顔はラノンというファンタジー要素もりだくさんの国。
そこから突き落とされた重罪人達がロンドンで寄り集まりながら暮らす。
ジャックは「皇太子暗殺未遂」の罪で落とされてきた元・皇子。
彼の教育係にしてロンドンの水が合わなかったカディルは
彼に世話をされながら生きる。
主人公・ラムジーの故郷で七番目の子は「呪いの子」とされていた。
自分と同じ七番目に生まれ発狂して死んだおじの手記をもとに、
呪いを解くためロンドンに来たラムジーと、故郷を切望する人達のお話。
・ 皇太子暗殺未遂
・ 郷愁の念を抱き同盟を組んだ人達
・ ラムジーの「呪い」
――を、ちょっと詰め込みすぎて、どれかひとつだと物足りなく感じました。
ただまあ、ラムジーの「呪い」自体は可愛かったし、尻尾振ってるワンちゃんは大好きです。
カディルが襲われかけていたりするのには少し驚きましたし、そこで閉じちゃっていいの!? とも思いましたが、多分、主人公のラムジーを嫌いにならなければ大丈夫じゃないかなあと。
重罪人の割りに善い人達が多かったのはちょっと疑問。
レノックスは絶対 苦労性だったに違いない。
読み終わると 女の子は!? 女の子はどこ!? と叫びたくなる(笑)
いえ、出てくるには出てくるんですが 凶暴的に不器用って。
うん…? まあ可愛いといえなくもないがちょっと辛いかも。
刺青男!は好き。気の強さと暴力的の行ったり来たり。
最後 一緒にロンドンへ行ってくれたら嬉しかったんだけどなあ。
1話目で ラムジー、ロンドンへ
2話目は ラムジー、故郷へ。
個人的には2話目の方が好きー。
林檎の木とご先祖様の心意気。
レノックスさんとしては骨折り損のくたびれもうけでした。
しかしその罠を仕掛けたラムジーのご先祖様達は結構好きかも知れない。
柔軟で逞しく 自ら選んだものの中で 精一杯生きようとした人達。
イラストレーターはねぎしきょうこさん!
麗しい…! 麗しくてごろごろ転がりたい。
挿絵のカディルが物凄く綺麗だ。
この絵目当てで読むか。