スタンド・バイ・ミー―東京バンドワゴン/小路 幸也
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【大人気の東京バンドワゴンシリーズ第3弾!
古本屋を営む平成の大家族が、古本と共に持ち込まれる事件の数々を家訓に従い解決する、涙と笑いのラブ&ピース物語。今回は、あの昭和のスターが愛のために奔走する!? ますます元気な第3弾! 】



■登場人物
祖父母 勘一 サチ(他界/視点)
息子の我南人(がなと)と、妻の秋実さん。(後者他界)
我南人と秋実さんの子供は、長男の紺、長女の藍子、愛人の子(紺と藍子にとっては異母弟)の青。
紺の妻である亜美と、その間の息子である研人。
藍子がシングルマザーで産んだ花陽。(かよ)
青の結婚相手のすずみさん。花陽とすずみさんのお父さんが同じ。(藍子の不倫相手がすずみの父で、だから花陽とすずみは異母姉妹)
青を産んだ母親であり日本を代表する女優、ユリエさん。

それ以外にも藍子さんと同じ画家である外国人のマードックさんや、
読んだ本のレポートを提出しに来るIT企業の社長藤島さん、秘書の永坂さん、
小料理居酒屋<はる>の女将さん、板前のコウさん、退職した刑事である茅野さん、などなど。

■春夏秋冬、古本屋の第三弾
秋 あなたのお名前なんてぇの
ひらがなの子供の文字。「ほったこん ひとごろし」
挟まっていたのは買い取った本。ノリで張られた場所。
高校生時代の告白相手。自殺未遂。その後のお話。
大改築のお話が出てきています。イマドキこんな大家族も珍しいですよねえ。
池沢さんもご登場。藤島さんが活躍します。

冬 稲妻春遠からじ
外国から来た大量の洋書。
怪しい人影。増えてくるならず者。
高崎ジョー。かつての通り名。
古本屋が本を売るのは、金を積まれるからじゃない。


春 研人とメリーちゃんの羊が笑う
研人の同級生の女の子。ついてくる羊男。
板前コウさんと女将さんの最終決着。
いい人だなー、凄いなー。ガナトが最後の最後まで引っ掻き回すなこの人!
そしてすずみさんも凄い素敵! 京都の古本屋の集会です。江戸っ子ーーーーっ!
腕組んで静観してる青も青でイイ度胸してるなあ。カッコいい夫婦だ!
京都の古だぬきもよかったです! さすがは看板娘!

夏 スタンド・バイ・ミー
本からちょっと離れてますね。まあガナトの言うとおりやっぱり愛で収まりがついちゃってますけど。
日本を代表する女優のスキャンダル。青を産んだ母親。
改築の決着。増えた住人。分けられた部屋。懐かしき思い出?
藤島さんがいい人だなあ。しかしいい人過ぎて丸くなっちゃったなあ。
私、刑務所から出てきた男を殺そうとする藤島さんが一番好きだったかも。シスコン。
キレイすぎて逆に詰まらない? カッコいいけど。最大の要因は永坂さんを選ばなかったことっ。(偏見)

■ここまで来るともう
かなり安心して読めます。ミステリーに人情味をたっぷり足したようなお話。
特に視点である語り部のサチさんがいいんですよねえ。ころころ笑っている姿が見えてきそうだ。
恒例朝食入り乱れての会話も面白い。FFをファン・ヒーターと間違えてたり、勘一がやけに調味料をたっぷりかけていたり。
幾つかのことが同時進行におきて、しかもそれが次のお話と被っていたりするもんですから、そこでそれが出てくるのか、とも思ったり。ビックリ箱。
セドリのネズミのお葬式や、藤島さんがいう「命の恩人」あたりは前のお話ですが、基本的にこれってどこからでも読めます。
登場人物の把握に時間がかかるだけで。
しかも家系図書くとかなり大変なことになるんだ。身内以外もいるしっ。

■ただひとつだけ
アットホームなお話も、勿論面白いんですが、やるせないお話も読みたいですっ!
HEART BLUE、カレンダーボーイあたりのどうしようもなさが凄い好き。
といいながら続編が出たらまた読むのでしょうが。
つか穏やかすぎて物足りなくなるってどーよ。


文庫版が出たのでぺたり。追記H22年4月30日

スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン (集英社文庫)/小路 幸也
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