心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)/石持 浅海
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【11年前に起こったハイジャック事件の人質だった聖子は、小学6年生となり、那覇空港で命の恩人と再会を果たす。そこで明かされる思わぬ事実とは…。
「月の扉」事件のその後を描く。座間味くんが活躍する7編を収録。 】


■収録作品
貧者の軍隊
時々テロ事件を起こす過激派組織。
それぞれにそれぞれの生活がある中、休みの日に趣味で作る武器に工作。
しっぽのトカゲきり―――とはちょっと似て非なるもの。

心臓と左手
宗教組織。開祖の心臓を食べればその神通力が継承される。
幹部の四人は遺言でその人の体の一部を食べなければいけない。
争って三分割された心臓。切り落とされていた左手。
生体認証だとクビキリハイスクール思い出しますね。
心臓って実際のところ美味しいのかな。

罠の名前
パシフィック・ウォール「PW」の内部抗争。
穏健派と武闘派。
穏健派弁護士の父親と、父親が説得しようとしていた戦闘隊長。
警察を無視していた罠。
途中でなんとなく解りましたが、隊長さんが凄い哀れ。

水際で防ぐ
外来種の日本上陸を防いで、日本固有の生物主を守る「守る会」。
かなり強引な所や稚拙なところもある組織での一件。幹部の殺害。
人間をそう見なすのは面白かったなあ。

地下のビール工場
守ろうとして密告した人。自家酵母。
部下を国に殺された社員思いの社長さん。生物型兵器の製造。
警察は命拾いしましたね、が違う意味になる。

沖縄心中
米軍兵士と通訳さんの心中。
地元と仲良くすことに心を砕いていた人。逆の行動。武器密輸。転勤。
かつて移住しようとし、東京で暮らすことを決めた人。

再会
「月の扉」で人質に取られたかつての赤子。
11年後の同じ日。荒れた家庭と逃げ場所のお姉さん。
滑走路の真ん中に立っていた「英雄」。鬱屈した思いのブツけどころ。


■安楽椅子探偵、座間味くん
物食いすぎです。
会うごとに食べる。しかも美味しそう。毎回違う。お酒まで!
待ち合わせは本屋。大体はダイビング関係の雑誌。時々家庭的。
座間味くんの喰えなさ加減は同じでしたが、接している刑事さんがいい人なのでそこまで全開でもなかったかな。
話し合いで終わり。「再会」以外は事件現場にも行ってません。
「月の扉」の座間味くんはすごーーーーーく好きでしたが、なんで彼女さんが出てこないの!?と何度思ったことか。
作中では「奥さん」ですけどね結婚して。彼女さんも見たかった…。


月の扉 (光文社文庫)/石持 浅海
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