オラクルの光―風に選ばれし娘 (小学館ルルル文庫 (ルハ1-1))/ヴィクトリア・ハンリー
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【不思議な力に導かれ、少女は運命の扉を開く―――。

石工の娘ブリンは、大神官に見出され、侍女としてオラクル寺院に入ることに。
居場所を得た彼女は、自らに秘められた“未来を見る力”を徐々に開花させていく。
そんな中、寺院内ではある陰謀が動き始めていて…!?】

■授けられる“翼”と予言
変なものを見てはふわふわとあっちへこっちへ“奇妙”な行動が多いブリンは、その日綿毛を追いかけて馬の前に飛び出る始末。
そこでブリンを見下ろしたのはオラクル寺院の大神官、レンチャルド。
才能を見込まれて連れて来られたそこで、ブリンは身分低く教養ない者として嫌がらせを受けながらも、教育係で天文学に長けるドーンや、鋭い目つきの赤髪少年、キランと共に、「儀式」の日を待つ。

■おお。
上下巻で凄く惜しい所で切れちゃうんですが、ルルルの翻訳の中では好きな方でした。
ぶっきらぼうだが動物には優しいキランや、味方でい続けてくれるドーンの存在も大きかったです。
翼を授けられた特権階級のように、横柄な態度を取る「羽組」(女子)と「翼組」(男子)が気持ちよく嫌な役でした。
「教養のある者」は人を見下す自分自身を恥じるだろうし、「智恵の回る者」は人を見下していることを気取られるような愚はしないわ。
そして、王道であろうと予想できようとベタだろうと、あれだけ馬鹿にしたキランの正装姿がカッコいいのは気持ちよかったー!
それでいて尚ブリンを選ぶんだからもー自分どれだけ恋愛が好きなんだと思いますが可愛くてしょうがない。
「風に愛される」というのがどういうことか、よく見ていました。
まあ途中でそれはもう「お辞儀」のレベルではなく「ボディランゲージ」のレベルだよねと思わなくもなかったです。
なんですか多彩すぎますよあの意味。

羽を授けてくれる鳥にそれぞれ意味があるのも面白かったな。
白鳥、ハゲタカ、鳶、カラス。秘密ではあるのだけれど、と前置きをして出てくるのが凄く好き。
その人の性格と能力に沿った鳥が羽を渡す。
オラクル寺院に行く前に出会った女性も絡んでの一仕事。お兄さんいい人だなあ。

最後が、えー………おー…いやまあ、あれだ、キラン頑張れ!! な風で終わってます。
政治関係はちょこっとですが、重要です。特に血筋。


オラクルの光~預言に隠されし陰謀 (小学館ルルル文庫 ハ 1-2)/ヴィクトリア・ハンリー
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→(下巻の感想